中華饅対決。
食事会の後、曹叡さんから
「さっき、李に言われまんだけど。生地は、事前に用意して構わないことになったよ。中身の餡は、市場の食材をどれでも使っていいよ。何なら、全部買ってもいいよ。」
「あの。そう言われましても。全然、方向性が決まっていなくて。」
「ごめんね。急に決めて。最近、諸葛亮さんが考案した流行っている饅頭の色々な味やアレンジを知りたいからさ。それに、そんなに深く考えなくていいよ。私の我がままだからさ。食材は、全種類買ってもいいよ。後で、王宮から支払うから市場につけといてね。」
鶇美先生に、翌朝の饅頭勝負について話に邪馬台国に向かった。
「饅頭ね。孔明さんが、川の神の怒りを沈めるため毎年、49の生贄の生首の代わりを川に落としていたけど。それを、大きな肉まんで代用したのが始まりらしいけど。中には、羊や豚肉を使っていたらしい。
現代では、肉まんの事は、包子って呼ばれてるけど。」
生地は、小麦と酵母を捏ねて蒸した物が主流らしい。
今日は、小麦と米粉の2種類を作ってねかして。明日の始まる前に、餃子の生地を作ることになった。
船から持ってきた焼豚やウィンナーで出来る物と市場で使えそうなのを選ぶ事にして、メニューを考えた。
豚饅、羊饅。餃子。包子・小籠包(野菜、豚肉、チャーシュー、ゴマ、小豆、カスタード)
生春巻きを作る事になった。
食堂で二人で生地を作り、生地を寝かしたつけた後。用意された、二人で並んで寝た。
早朝、荷台を押しながら市場に向かった。
鶇美さんが、朝早くに焼いた食パンとパンを食べながら歩いて行った。
男達は、全員まだ寝ていた。
魏の朝市は、結構賑やかだった。大陸中の食材や布、骨董品など揃っていた。
スパイスやりんごやマンゴーなどのフルーツも置いてあった。
「おー。スパイスがあるじゃん。りんごと蜂蜜を使ってカレーを作ってみよう。バーモ○ト風のやつを。」
「うん。いいですね。」
そんな話をしていると遠くで大声が聞こえた。
「おい。奴隷を飼いに来たんだが、店を知らんか?」
「すみません。そのお店なら、この先でやっていますけど。土日定休日なんですよ。明日は、開いているのでまたいらしてください。店までご案内するので。」
「おう。ありがとう。気に入ったやつが、二人いてな。獣人と樹人なんだが、珍しく人肌で美人だったからな。高くで売れるだろが、手元に置いて置きたくもあるんだよな。」
「そうなんですか。良かったですね。」
「そうだろ。その帽子をいただいてから、帰るとしよう。幾らだ?・・・ほらよ。じゃあ、また明日来るな。」
奴隷商のらしき男は、帽子を被り上機嫌で帰って行った。
その光景を、横目で見ながら、野菜やフルーツ、スパイスを全種買った。これは、料理対決の為だけではて、先生の図鑑を埋める要因も大きくあったけど。それにしても、買いすぎた。
荷台は、二人では、持ちきれず。馬を借りて、屋敷に向かった。
食堂には、対戦相手の李さんが準備をしていた。
「あなたが、姫子さんですか?今日の試合は、よろしくお願いしますね。」
「お手柔らかにお願いします。」
「そうですね。か弱そうな少女相手に本気を出すのは大人気 気がしますが。私は、ただ城の警備長ですし。料理もそんなに得意という訳ではなので。」
「そうなんですね。一緒に頑張りましょうね。」
「負けたらマヤの近くの国でで見つけたこの赤いベランドナを食べて死にます。」
その言葉を言い終わった瞬間、鶇美のビンタが李さんの頬に直撃した。
「これは、私が食べます。いいですか。これが、本物のベランドナだったら、本当に危なかったじゃなかったですよ。
その辺りには、自生しにくくて。よく間違えられていたらしいですけど。」
ベランドナは、とても危なくて大人でも2〜5粒で死ぬぐらいのの劇物で。そのままで、使用される事はなくて、成分を取り出して医療に使われることもあるらしい。
見た目は、黒紫のミニトマト。茄子のような色をしたトマトぽい劇物だ。
そんなやり取りをした後、離れたテーブルに材料を置いて調理にかかった。
鶇美先生は、真っ黒なカカオの種とカカオのオイル、蜂蜜でチョコレートソースを作り。
私は、カレーの下準備で、スパイスに火を軽く通して種類ごとに容器に移し。餃子の生地を捏ねていた。
市場で買った食材で考えたレシピは、
ナッツと南瓜、チーズをあえてマヨネーズとレモン果汁を一滴隠し味にしたサラダ。
カレー饅、餡饅、海老焼売。チョコバナナ春巻き。
スープのみでインドカレーと欧風カレーの合いがけ。
野苺とりんご、マンゴージャム、チョコ。
皿の真ん中に生クリームを置いてフルーツを盛り合わせて。
ご飯と饅頭に使った生地を作る事にした。
料理対決会場に、キャベツやニラなどの食材を運んだ。
二人で具材を切り。鶇美先生が、カレーを煮込み。私が、具材を詰めて 蒸して、その間に酢醤油を作った。
蒸しあがった物から、曹叡さんに持っていた。
李さんは、海鮮饅や牛饅。アヒルの丸焼きを包んだ饅頭を作っていた。
「うーん。どちらも美味しかったけど。姫子ちゃんの勝ちかな?」
「ありがとうございます。嬉しいです。」
「李ー。姫子ちゃんに、君の行った国の地理や言語教えてね。よし、じゃあ皆んなで楽しく食べよう。せぇの、いただきます。」
昼ご飯の後、地図を見せ合いっこした。
「ここが、邪馬台国か。アイヌ地方や投馬国、シベリア地方か。全部行った事ないや。」
「すごーい。世界のほとんどに行ってるんですね。後、ハワイとオーストラリアに行ったら全て埋まりますね。」
「だね。僕の地図は、行った所や地図を見たところは、自動で記録されて。ピンクの鉱石を消費すれば一瞬で移動できるんだよ。
君の地図に点線になってるけど。ここが、君の住んでいる大陸かい?」
「そうですけど。」
「そうなんだ。この一番南にある国は、なんで言うの?」
「沖縄ですね。自然が豊かな所ですけど、まだ行けてませんね。」
そんな感じで、李さんと話に夢中になっていると外で何か騒ぎがあったらしい。




