邪馬台国の夏休み
七夕から、1か月たった。最近、少し慣れて少しだけ早く青空教室に登校するようになった。
武も、男の子達と仲良くなったみたい。週末は、川釣りによく行っているらしい。最近、私の友達の雲雀ちゃんや四葉ちゃん達とも仲良くしているみたい。
最近は、教室では夏休みの話題で持ちきりだ。この時代にも、夏休みがあるらしい。よく考えてみたら鶫美先生も、時空乱流に巻き込まれてやって来たんたんだから。なんら、不思議なことではないのか。
いま、大人達も週末の習いごとが流行っているらしい。
そして、彼らのお父さん達は、屋台作りが流行っているらしい。いわゆる、Do It Yourselfが、人気らしい。私達の家を作って大工の親方が、DIY教室もしているらしい。
お母さん達は、鶇美先生の教える料理教室と絹糸の裁縫が流行っているらしい。副菜と主食、パン料理かご飯もの、汁物、デザートのフルコース料理を教えているらしい。同時調理の手順も教えているみたい。
そんなことを、考えているとサナちゃんが話しかけてきてくれた。
「ねえねえ、ヒメちゃんは、夏休みどうするの?」
「ここの夏休みって、なにするの?」
「何って、一カ月は、学校休みだよ。農作業が忙しくなるからね。」
「そうだね。大変じゃない?」
「暑いから、農作業は早朝と夕方だけだし。平日1回と土日休めるんだよ。平日の休みは、来週に繰り越せるし。」
「そうなんだ。仕事は、どんなことするの?」
「いつもの仕事に、蚕の餌やりや田畑の草取りと害虫駆除などかな。」
「結構あるね。大変そう。」
「でも、そこまでじゃないよ。でも、暑すぎるからどっぷり水に浸かりたいね。」
「それなら、家に湖があるけど。」
「いいね。そこで、女の子 皆んなで涼もう。」
「わかった。卑弥呼様に聞いてみるね。」
そんな話をしていると男子がやってきた。
難升米さんの息子 難掴波と球磨拳
さんの息子 球磨富。
難升米さんは、遣魏使のリーダー。球磨拳さんは、船長を任される位の地位を持っている。
「俺と一緒に、海に遊びに行こうよ。」
「は?難掴波と姫子が海に行くんだよ。それより、僕と山に行こう。」
「ごめん。女子5人で湖に行くことにしたから。」
「えーー。俺らも混ぜてよ。」
「だーめ。男人禁制の場所だから、また今度ね。」
みんなで、許可をもらって、5人で夏休みの休暇を合わて3連休にしてもらった。夏休み前に、皆んなでお店で布を選んで水着を裁縫した。
私は、麻の布を、おにぎり型と長方形にしてもらった。それを、一生懸命縫い合わせて作った。
そして、夏休みになって、田畑の草取り、害虫駆除、山菜収穫を頑張って、ようやく当日になった。
皆んな手作りの思い思いの水着を持参して、湖やってきた。
「うわ、ヒメっちすげえな。家も湖もでっかいな。
よーし、俺が一番。水着、下から着といて良かったわ。」
「もう、きっちゃん。男子がいないからって、そんなはしたないことしないでよ。」
「みっちゃんも、そんな固いこと言わずにおいでよ。ねえ〜。」
「私達は、部屋で着替えるからあまり危なくないように。遠くには、いっちゃ駄目だからね。」
「わかったよ。みっちゃん。早く帰ってきてね。」
キラちゃんは、赤茶色の麻の生地で紐の付いたバンドゥ水着にショートパンツを合わせていた。
つまり、横に布を巻いた水着を着ていた。
みっちゃんは、クリーム色の木綿の生地でオフショルのビキニ。りっちゃんは、ハーフ丈の木綿のタンクトップビキニ。
さっちゃんは、麻で胸下までのハイネックとスカートビキニ。私は、麻のビキニを着た。
最初は、皆んな泳ぎがぎこちなかったが、やり方を教えるとすぐにコツを掴んでスイスイ泳いでいた。
水分補給をしながら、思う存分泳いだ。皆んなで少し休憩した。
りっちゃんが、話を切り出した。
「ヒメちゃん、生まれて始めてこんな大きな水溜りをみた。すごいね。」
「そうだね。でも、もっと大きい海って言うものもあるんだよ。地球全体で繋がっている。いや、いろんな国にいけるほど、果てしなく続いているだよ。」
「そうなんだ。そんなところがあるんだね。泳いでみたいね。」
「そうだね。ぷかぷか、浮くこともできるんだよ。
あっ、そうだ。確か、明日 富玄国で烏賊やワカメ、塩取りに行くんだった。」
「おーヒメっち、俺達で取りに行って海に行こうぜ。
父ちゃんが、ハマグリやアサリ、岩牡蠣好きなんだよね。」
「そうか、今の時期 あさりは、取っても砂浜に戻すらしいよ。」
「そっか、でも皆んなと行けるならそれだけでもいいや。」
「そうだね。夕日も綺麗だから皆んなで見たいね。」
卑弥呼様に、報告して。許可が下りたので、皆んなで乗馬の練習をした。泥だらけになりながらも、最後の方は、難なく乗り越せるようになっていた。
皆んなで、水浴びを兼ねて水をかけ合い。いつの間にか、泳いでいた。皆んなで、夕食の会場へと向かった。
早朝に、弁当を持って富玄国に向かった。到着して、ご婦人に事情を話すと。物々交換する肉を預けて。午前中、山菜採りを手伝って、お昼から海水浴を楽しんで。日が暮れる前に、注文していた海産物を受け取った。
そして、夕日を眺めながら、あみ焼きをしながら語り合った。
あの綺麗な風景に、皆んなで喜びを分かち合った。
夕食に間に合うように、急いで馬に乗って帰った。
残りの休みは、皆んなで休みを合わせて川や森、夏の収穫祭などで遊んだ。麻のビキニが、同化するぐら全員こんがりと焼けた。
そして、夏の収穫祭には、男子も女子も浴衣を着て行った。
午前中は、桃と梨、梅、瓜などの野菜、酒が奉納された。
提灯が国中に下げられて、屋台を楽しんだ。
そんな感じで、邪馬台国で初めての夏休みは、過ぎていた。
あと、建設中の家も着々と完成しつつあった。土台と柱の埋め込みがほぼ終わっていた。柱をかなり深く埋め込み、350mmの床下を開けて床を張ってもらうつもりだ。
大工のお頭が、他に欲しいないか聞かれたので。棚などの雑貨と屋外に竃をお願いした。