邪馬台国の七夕
今日、不思議な夢をみた。
「特殊能力 地図を獲得しました。」
「スキルとは、なんですか?」
「そうですね。スキルとは、素晴らしい能力が与えらることです。取得するには、先天的か付与されるか、修行によってあるかですけど。それの上位版が固有能力ですね。」
「そのユニークスキルってなんですか?」
「スキルは、創造神様の配下でスキルを作る神によって作られます。それを、維持神様によって管理されます。そして、状況に応じて維持神様かその配下が与えるかを決めるのです。
ユニークスキルは、新しく作られた物で。この世で誰も使ったことのないというか、その人のために作ったスキルのことです。」
「そうなんだ。そういえば、私のスキルの効果は、なんなの?」
「弥生時代に来てからになりますけど。行った所を記録する能力です。それと、紙や皮などに転写することも可能です。」
「ふーん。ワープとかは、できないの?」
「すみません。この能力には、その効果はついていません。」
「わかった。最後に聞きたいんだけど。あなたは、誰なの?」
「私は、維持神 時・・・。すみません。姫子様には、伝えるなと言われているので。」
「その維持神に?」
「維持神の配下の方なんですけど。うちの上司に。」
「なら、わかった。聞かない。」
「ありがとうございます。先日、この時代に来たそうなんですけど。まだ、伏せときたいとのことです。」
その会話の後、ふと故郷の鹿児島を思い出した。
天文館や城山から見える桜島などスライド写真の様に風景を思い出した。
すると、どこかの森に飛ばされていた。目の前には、木に覆われていて、木々の間から微かにしか見えないが、桜島が見えた。懐かしい気持ちにもなったけど、ふと武のことが頭浮かんで目が覚めた。
枕元には、邪馬台国と投馬国が書かれた地図があった。二つの国は、離れているようだ。そして、富玄国の位置にマーカーが書かれていた。
隣には、武がすやすやと眠っていた。
本当に不思議な夢だったな。
今朝も、朝練をしてから、卑弥呼様の部屋で朝食を食べていた。今日も、台与ちゃんが朝練に来たので。最近、よく顔を出すので。終わった後、ちょっとだけ魔法のやり方や攻撃を受ける相手もやっている。
「姉ちゃん、今日 七夕だね。」
「そうだね。よく、みんなで七夕マーケットに行ったよね。」
「うん。色々なお店があって楽しいかったよね。夏祭りみたいだよね。」
「そうだね。屋台 楽しかったね。」
「割り込んですまないが。その七夕とは、なんなのだ?」
「年に一度 彦星と織姫に天の川で挟んで会う日。元々は、手芸や裁縫の上達。芸事の上達。多種多様な願いを祈る日だよ。短冊に書いて、竹に吊るすんだよ。
伝説の内容は、愛し過ぎて仕事が、手につかない二人を妻の父親が引き離し。天の川の東と西に別れてしまいました。夫の聞き間違いで、7月7日に会うことになりました。」
「あー、短冊の日のことだったんだな。あと、祭りとは、なんだ?」
「祭りは、神様や先祖に感謝する儀式です。
夏祭りや秋祭り、祈年祭などがあります。
夏祭りは、先祖や死者の霊に、慰めたり。自然災害や疫病除けを願うものです。
秋祭りは、収穫の感謝を神様に伝える祭りです。
祈年祭は、豊作祈願を祈るものです。」
「そんな儀式があるだな。後、屋台とは、なんだ?」
「僕が答えるね。ほら、作ってたやつあるでしょ。今日のために。屋根を付けて、タイヤをつけて動かそうとしたじゃん。
そこで、食べ物やオモチャ、金魚などを売るんだよ。
あと、屋形船って言うのもあるんだって。座敷があって食事もできるらしいよ。」
「そうのがあるのか。どっちも面白そうじゃの。そうじゃ、他に面白そうな祭はあるかの?」
「イースターやお盆、ハロウィン、クリスマス。大晦日、お正月、バレンタインなどがあります。」
「大晦日とお正月は、わかるが他がわからないの。」
「お盆とハロウィンは、先祖が数日間帰ってる祭です。
クリスマスは、キリストの誕生日で。良い子には、贈り物を与える祭。
バレンタインは、大切な人に贈り物を贈る祭です。日本では、女性がチョコというお菓子を男性贈ることになっています。そして、その一カ月後に様々なお菓子を贈る祭です。」
「色々ありすぎて、覚えられん。また、後で教えてくれ。」
「ですよね。わかりました。また、教えますね。」
「そうか。ありがとう。今日の収穫祭は、七夕と一緒にするんじゃだったけな?」
朝ご飯を終えて、青空教室に向かった。
木の下には、友達 全員登校していた。
5人の女の子と友達になった。
緑髪のショートカット甘えん坊 6歳 稟々花ちゃん、金髪のショットカットで、活発な8歳 雲母ちゃん。水色髪の9歳冷静沈着な冴凪ちゃん。赤髪のロング 11歳 委員長の美与ちゃん。
「キラちゃん、みっちゃん、りっちゃん、さっちゃん。おはようーー。」
「よ、ヒメっち。おはよう〜〜。短冊と紙灯篭は、書いて終わったの?」
「短冊は、とっくに書いて終わってるよ。私達の中で終わってないのキラちゃんだけだよ。」
「そうだっけ?ごめん、ごめん。今日は、書いて終わったからさ。後で、吊るしに行こうぜ。」
「わかった。そうしよう。」
話が、終わる頃 黒板を抱えた鶫美先生がやって来た。
「今日は、七夕ですね。短冊と紙灯篭は、書き終わったですか?短冊は、各自で吊り下げて紙灯篭は、授業後回収します。
では、中国語の授業を開始します。」
授業後、全員分浴衣が、配布された。
短冊を吊り下げた後、山に向かった。山菜収穫後、村に着くと早々と男性陣は、帰って来ていた。
狩も川の漁も、結構取れたらしい。それを日陰に置いて、なにやら準備していた。
「あんた達、仕事もしないでなにしてるの?」
「何って、ヤタイの仕上げさ。卑弥呼様から、聞いてるだろ?」
「聞いているけど、なんで仕事を早く切り上げって来てるのさ?」
「その準備するためにだよ。それに、結構収穫出来たし。別に良いだろ?」
「構わないけど。なんなら、下処理もしてくれたら嬉しんだけど。」
「やったことないしさ。竃の準備ならやっとくよ。」
「あっそう。下処理は、私達がやってあげる。肉の解体は、あんたらでやってくれる?」
そんな感じで、男達に囲まれて肉の解体と魚の内臓の取り方をレクチャーしていた。
「こんな感じでいいかな。後、肉や魚にしっかり塩を振れば長持ちもするよ。
よし、あんたらは、また力仕事に戻りな。終わったら、さっさと水浴びして来て。
今回の屋台は、肉やら魚も焼くからそれは、あんたらでやりなよ。」
子ども も大人も関係なしに準備に取り掛かった。女性陣は、屋台に出す食材の準備。男性陣は、全部の屋台の竃を燃やしていた。
作業を終えて、皆水浴びに向かった。そして、皆んな浴衣姿で七夕祭りに向かった。
七夕祭りでは、
富玄国から漁師が二人やって来た。
鮪と烏賊を持って来てくれた。
祭りの間、男性達が交代しながら和太鼓を叩いていた。
屋台は、はちみつ生地の鶫美先生特製フランクのホットドッグ、ジビエ料理。ヤマメの串焼きやドジョウ鍋、鮎の甘露煮があった。
漁師が、解体ショーを始めた。
「よし、では始めます。まずは、頭です。結構、美味しいだよ。うん。将彦頼むぞ。次に、中落ちです。」
「頑張りやす。姫子さん。厚さは、どれくらいにしやすか?」
「薄めにお願いします。寿司飯は、ありますか?」
「わかりやした。武さんから頼まれて。南国の果実シークワーサー汁とはちみつを混ぜた物を温かいご飯に和えた物を持って来ました。
あと、その皮を削って塩と混ぜた物も持って来ました。」
「ありがとうございます。それで、十分です。」
寿司を作って、シークワーサー塩で食べた。結構、美味しかった。
残った部位は、鮪のカマ焼きやトロ焼きにして食べた。
終了と同時に、紙灯篭を点火し空に飛ばした。
5人組で、食べ歩きをした。新しく屋台を見つけて肉醤と蜂蜜で味付けされた焼き鳥と焼き烏賊、蜂蜜肉醤で煮たら豚足。たこ焼き。ベビーカステラとあんぱん、酒麹はちみつあんパン、蜂蜜パンと餡、蜂蜜ホイプを食べた。
「皆様、屋台の料理は、十分堪能しましたか?
今日は、日野 姫子さんと卑弥呼様の誕生日です。蜂蜜ホイプで、作ったケーキを用意しました。野いちごと桑の美がふんだんに使われています。
では、時間の許す限り。
お子様方は、もう遅いので。あまり遅くならないてえ程度で楽しんでください。」
それを、聞いた大人達は、よりお酒を飲みまくていた。
真兎と会った。
「通販でアンズを買ったから、一個食べるか?ここでは、育たないけど。この時代でも食べられていたんだって。」
「ありがとう。一個貰うね。」
私たちも、ケーキを食べながらおしゃべりをしばらく楽しんでから帰宅をした。
自宅に帰ると、武はもう眠っていた。
そういえば、まさかここに来て新しく出来た友達と屋台でするとは、思わなかった。今日は、本当楽しかったな。