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死刑囚の母  作者: TAKIMARI
16/22

30年間の苦悩の日々


第27章 逮捕されてから

息子は逮捕されてから15年位でしょうかその長い間ずっと

ヨガの先生の心配をしていたり

ヨガの先生を尊敬していたり

とてもまともとは思えない態度や発言をいつの時も堂々と法廷でも

私との面会や弁護士さんとの面会などでも凛とした姿勢で背筋を伸ばして前を向いて話すのでした。

洗脳とは恐ろしいものです。

生まれ育った実家のことなども忘れ、まるであのガタガタ道の奥の先生たちと暮らしていたところで生まれて育ったような錯覚か妄想までもが息子の脳を支配していました。

ただ流石に私のことをお母さんであることの認識はきちんとできているので都合よく記憶をすり替えたりしていたのかもしれません。

ヨガの先生を思う気持ちはまともな人間とは思えないようなことがしばしばあり、自分の息子ながらこんな子死ねばいいのに

とまで思っていたこともありました。

拘置所の中で朝起きたら冷たくなっていました。

とゆうような簡単な死に方をして欲しいとさえ思うぐらい私自身も親としてまともではなかったのかも知れません。

裁判では毎回最初に被告人の氏名と住所と職業を裁判官が息子に聞くのですが、息子は必ず氏名は

ヨガの先生が命名したインド系の名前を答え住所はガタガタ道の所を答えて職業は政府の省庁の大臣をしていると答えるのでした。

その息子の凛とした姿勢やハキハキと答える態度に毎回裁判官はキョトンとする人、真面目に答えなさいと促す人、そのままにさせておく人と裁判官それぞれの対応が違いました。

洗脳とは本当に恐ろしいものです。

息子の頭の中を割ってみれるのならみてみたいとさえ思う憎しみに自分自身が押しつぶされてしまいそうでした。

ヨガの先生を憎んでも憎んでも憎みきれませんが、いつの間にか息子も憎しみの対象となりました。

更に私自身の子育ての間違いの事も憎い、狂って楽になっている夫のことも憎い、そしてやはりまた名前など忘れたとか、戸籍などないなどと堂々と答える息子は恐ろしいもののように思えて憎しみも増していくのでした。

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