30年間の苦悩の日々
第25章 痛恨の感情
裁判が再開される頃になると
だんだんと傍聴席の人が戻ってきました。あっという間に満席になり検察官側のドアを1人の刑務官が開けるとそこから3人の刑務官に連れられているヨガの先生が再び入ってきました。
目を閉じて手錠のかけられた手首にブルマーのような物を装着していました。歩くのも遅く、ヨボヨボの高齢者の様に見せていましたが、体はとても太くテレビを見ていたまんまでした。
いやそれ以上に太くなっていたと思います。
裁判が再開されると今度は弁護士さんの反論とゆうか全面的にヨガの先生をかばい、ヨガの生徒達が勝手にやった事で若者のエネルギッシュな方々に押されて断れなかったとか、生徒たちが走り過ぎたとか、止めようがなかったなどなど、とにかく生徒たちだけの独断での行動でヨガの先生は全然知らない。目の見えないヨガの先生には何もできるはずがないから無罪を主張します。とハキハキと時には強く時には哀れんで読み上げたのでした。
弁護士の話はとても腹立たしく、その場で立ち上がって叫びたい気持ちになるぐらい勝手なことをしたのは生徒たちの独断で先生は除外されていたなどと並べ立てていました。
そのあと裁判官が被告人前へ来なさいと声をかけてヨガの先生を呼びました。
立ち上がると慣れた手つきで両手首を差し出し手錠を外してもらい腰の縄もほどいてもらい、右側の刑務官の肩に手を乗せて左の刑務官には手をつないでもらい4歩ほど歩き立ち止まりました。
裁判官が
被告人にたずねます
弁護人が先ほど言っていたことは
間違いありませんか?
するとハキハキと
途中寝ていたのでわからないのですが私が何ら関与していないのは間違いありません。目の不自由な私に何ができますか?考えて下さい。
と答えて即座に
何人もの生徒が熱くなっているのを止めるとゆうのは流石の私でも至難の業ですよ。判事さん。わかりますよね。本人たちに聞いてみてください。
すると裁判官3人が3人で少しヒソヒソ話を始めましたがすぐに終わり
被告人は戻ってよろしい
言われたヨガの先生はサッと後ろに向いて4歩ほど歩き被告人席へ座りました。
ふてぶてしいにもほどがあります。
何千人もの人の人生を奪っておいてよくもそんな事が言えるわと思い憎しみで憎しみでハラワタが煮えくりかえる思いでした。