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死刑囚の母  作者: TAKIMARI
13/22

30年間の苦悩の日々


第24章 ヨガの先生

裁判の日には朝の5時頃に抽選に向かいました。

するとどうでしょう

徹夜組の行列ができていてものすごい数の人々が座り込み、寝転がりながら抽選待ちをしているのでした。

この後ろにとりあえず並んで抽選を待つしかないと思って見知らぬ人々の後ろに並びました。

ヨガの先生の犯罪について検事さんが読んでいる言葉がどんどん遠くの方で夢の中でいるような感じで聞いていながら、頭の中ではこんな人のために、こんな事をするために息子を育てたんじゃないと

思いながら悔しくてたまりませんでした。

小さい頃からの息子のことを思い出し初めて絵を描いてくれた幼稚園の参観日や小学校の時に母の日にカーネーションを色紙で作り作文を読んでくれたことなど、塾の帰りにシュークリームを買って帰って親子3人で食べたこと涙で前が全然見えないくらい目から後から後から溢れ出て来ましたが、拭くことも拭うこともせずぽとぽとぽとぽと丸いシミがスカートいっぱいになるくらい泣いていました。検事さんの話はただただ長く耳を通り抜け頭には入ってきませんでした。

何列か前の後ろ姿のヨガの先生を見ていると憎しみで憎しみで

殺してやりたいほどの感情で血圧が上がるのかよくわかりました。

あまりに長い検事さんの読み上げがやっと終わり、一旦休憩ということで、ヨガの先生は手錠をして腰の縄を後ろで結んで3人の刑務官に連れられて法廷から検事さんの後ろ側のドアの中へ入って行きました。

それと同時に一列目のマスコミの人たちは廊下へ出るやいなやバタバタと走り外へ出て行ったのでしょう。

テレビ放送で途中経過を報道しているのだろうと思いました。

休憩の間も動きたくないくらい体がだるく頭が重く気分が悪く気が変になる寸前の状態のような感じでした。そのまま席で動くことなく再開を待ちました。



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