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気まずい時間


 ■


※作者注 ここに書かれていた内容が性的過ぎたために、一時的措置として省略します。


 ■


「死にたい」

 たっぷりと時間を置いて戻ったおれに、開口一番カイリスはそう言った。

 おれは黙って聞き流した。


 だって、他になんて言葉を返せばいい?

 『おれのも今度、見るか?』か!? 

 頭がいかれすぎてて、変態過ぎるだろ! あり得ない!!!!


 おれの部屋の布団はすでに片づけられていた。

 いつもの午後の光景だ。

 二人を包むこの空気感以外は。


「おれは死んで欲しくない」

「…………でも、死にたい」

「ちょっと、いいか、マスター……」

「なんだ!!なんでもいいぞ!!!!」

「こんな頼み、他の幹部達が聞いたら、私が即座に殺されちゃいそうだけど、マスター、マスターに記憶の部分消去の術が、効くかどうか試していい?」

「そ、それだ!!カイ子それが一番いい!!!!今すぐ、速攻で消せるのか!?」

「……まず、確実に効く、遅効性のを試して、それがダメなら、抵抗力があったら効かない即効性のを試してみたい」



おれは目を閉じて寝ていてくれればいいというので、自分の部屋で横に、カイリスが寝ていた辺りで横になろうとしたが、カイリスがおれをバシバシと強く叩きながら、強烈に嫌がったので、カイリスの部屋で横になった。


 部屋はカイリスと杏子のいい香りがする。

 香りにどぎまぎしながら、中央で横になって目を閉じる。

 暗闇の中、カイリスが呪文のようなものを物凄い早口で唱えたり、おれのおでこに手をあて、そこから何かが、あきらかに流れ込んできたのを感じたりして、ただただジッと、時間が過ぎるのを待った。


 一時間後、カイリスから起きていいと言われ、二人で居間へと戻る。


「ど、どうだった!? 

「…………すごく悲しいことと、すごく嬉しいことがある」

「すごく悲しいことはマスターの術に対する抵抗力は強い、だから今の出来事だけを消すのは無理だった。徐々に効く方が普通は効きやすいから、すぐ効くのは試してみるだけ無駄って事」

「すごく嬉しいことは、マスターの術に対する抵抗力が、極めて強力だから、シドラで知る限りの全員の敵の精神攻撃は受け付けない。味方では私が一番だから味方も無理」


「そ、そうか」

「…………うん、死にたい」

「……死なないでくれ、一緒に生きよう」

「………………………、うん」


「なんで、おれの部屋で……」

「マスター、察してくれ。答えないとイケない義務があるとはいえ、そんな質問は今の私にはコツだ!!!!」

「すまん!!!!!」

 と言いながら、酷な!ごめん!!と心で必死にあやまる。

 わざわざ、おれの部屋でって事は…………そう言うことだよな。っと嬉しくなってしまうおれがいるのは仕方がない事だ。

 


「いつか、その、私達の間に肉体関係が発生したら、その時にはマスターにも同じ事をしてもらって、恥ずかしい思いをしてもらうからな!私はこの事を忘れないからな!!」

あり得ないと思ったのが正解だった。


 沈黙が怖いので、これまでの経緯を洗いざらい、細かい事まで喋りまくった。

「ド、ドミニオンと、パワーも発動させていたんだ」

「そのせいで、ガイドが複合的に混ざり合ったんだ。こっちも厳重な術式で、探知の術も機能していたけど、だから貫一の気配も、ドミニオンの気配も感じられなかった」

「リオン様の術だと思う、けどわざわざ言うような術じゃないから術名は知らない」


「そのせいで、おれはカイ子に気づかれる事なく……」

「あんなの、見られるなんて………………………死にたい」


 気まずい思いを二人でしながら、話は術の話となった。

 当たり前だ、それ以外の話なんか絶対にできない。

 カイリスはずっと視線を合わせてくれないし、おれもうつむいて畳を見ながらの会話だ。時々目をあげると、そう言うときに限ってカイリスと視線が合った。

 カイリスはずっと真っ赤な顔をしている。


「そ、そうか、じゅ、術名はなんて言うのかなーって思ったんだ」

「私が付けてあげる。『ピーピング』」

「…………マジ?」

「マジ。それ以外は私が許さないからな!『ピーピング』を 使う度に、マスターは罪悪感にさいななななまれれればいいんだ!!」

 な。と、れ。の数っとツッコミを入れたかったが、今の状況では、無理だ。



「私は今からマスターの部屋を徹底的に掃除する。いいよね?」

 それでカイリスの気が晴れるのならと、おれの部屋の掃除を命じた。




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