新しい仲間
「⋯⋯ん⋯!⋯くん!⋯澪くんってば⋯!」
その声に俺はゆっくりと目を開ける。
あれ⋯?あ、アリス起きたんだ⋯
「あぁ⋯おはよう⋯」
「おはよう⋯じゃないですよ!起きたら知らない女の子が泣いてるし、澪くんが血だらけだし⋯!二日も目を開けなかったら誰でも心配します!!何があったんですかっ?!」
アリスは涙ぐんでいた。
あ、そうか⋯アイツとの戦いで怪我した後、寝たんだった。結構眠かったし怪我もしてたから二日も寝たのか⋯
「ごめんごめん⋯で、アイツは?」
起き上がると少し傷がいたんだ。
「あの子なら食べ物取りに行ってくれましたよ⋯!」
少し機嫌が悪かった。早く説明しろという目で見つめてくる。
「アイツが帰ってきたら説明するから⋯急かすなって⋯」
俺がそう言うと、ようやく機嫌を直してくれた。
「あ、腕の怪我、大丈夫ですか?出血がひどかったんですけど⋯」
あの時の怪我か⋯俺には何ともないがな⋯
「あ、あぁ大丈夫!俺にはこう見えてもいろんな血が混ざってるんだ」
そう言って腕を見せると、アリスは目を丸くして、
「凄いです!どのような血が混ざっているんですか?」
「えーっと⋯ゴブリンの血とタイタンの血、後でかいのは⋯魔王の血かな?」
最後の言葉を言った瞬間、アリスは驚きすぎて尻餅をついていた。魔王という言葉が信じられないのだろう。
魔王の血が人間の血と混ざるとなんか爆発するらしいからな⋯なんて恐ろしいものがあるんだ⋯!俺の体、どうなってるんだ?
俺は今になって自分の体を不思議に思い始めた。
「ま、魔王の血ですか?!澪くんってカッコイイですね!傷がすぐに治るなんて羨ましいです!」
アリスは目を輝かせて言ってくるが、実際そんなに便利なものではない。デメリットだってあるのだ。例えば、使うと異常な睡眠時間を必要とする。とか、使う度に徐々に記憶が抜けてく。みたいな⋯だから俺は日記を書いていた。
「そんなことない、デメリットもあるよ。使う度に記憶が抜けてくんだ。それに、さっきのように異常な睡眠時間を必要とするし⋯これが無ければいいんだけどな⋯あ、あと、迷惑かけないように言っとくけど俺の中の魔獣、シルバーウルフの血はあまり合わないらしくて、たまに激しい頭痛や腹痛、ひどい吐き気と吐血することもある。それに、有り得ないほどの高熱だって起きる。だから、そういう時は俺が自分で何とかするから、そこら辺は分かってほしい。パートナーとして。いいか?」
俺がここまで言うとアリスは真剣な表情だった。そしてすぐに笑顔になって
「大丈夫です!そういう時はあまり余計なことしないようにしますね!改めて、これからよろしくお願いします!澪くんっ!」
と言って立ち上がった。
水色と白のフリルのついたワンピースに真っ白なエプロンがひらひらと風に靡く。月を見るのは澄んだ青い目だった。その青い目にはサラサラの腰まである金髪が良く似合う。
あ、忘れてた。帽子作ったんだった。えっと確か⋯
俺が荷物を漁り出すとアリスは不思議そうにこちらを見る。暫くゴソゴソやってると見つけた。俺は帽子を取り出してアリスに渡そうとしたが、もう一度しゃがんでゴソゴソする。そこにはピンク色のリボンがあった。それをハット型の帽子に巻き付け、やっと完成だ。
「はい、これ。これ被ってれば猫耳とか気にならないだろ?いちいちぎゅうぎゅう入れるのも大変そうだし、な?」
帽子を被せるとぴったりはまった。色も金髪に合う色だ。アリスは驚いた顔をしていたが、
「ありがとうございます!初めてプレゼントを貰いました!とっても嬉しいです!」
と、満面の笑みでいった。そんなことを着ているうちに足音が聞こえた。戻ってきたのはあの少女だった。その少女は俺を見ると荷物を下に置き、駆け寄ってきた。俺の目の前まで来ると
「先程は、すみませんでした!理由も言わずに撃ったりして⋯深く反省してます!何でもしますから⋯!」
と言って頭を下げた。
うわっ⋯こんな子供に頭を下げさせるなんて⋯俺は⋯!
「気にすんな、あ、何でもしてくれるって言ったよな?」
と言うと、その少女はこちらを見て、
「はい!なんでも致します!奴隷として使っていただいても構いません!」
と言った。
よし、それならこちらも好都合だ。せっかくだしな⋯
俺はある決断をした。
「じゃあさ、俺たちについてこいよ⋯アリスとか面白いし、可愛いぞ?お前の腕前なら絶対に役に立つ。だから、な?」
その言葉を聞き終わるとその少女はものすごく驚いていた。まぁそうだろう。俺なら何するかわからないもんな⋯
「ほ、ホントにいいんですか?!こんな私なんかが⋯⋯ありがとうございます!私はユラシアっと言います!これからよろしくお願いします!」
「こちらこそよろしく!俺は澪。呼び捨てでもいいし、敬語じゃなくてもおっけーだから、気軽に話そうな。ユラシア。」
そして俺らに新しい、愉快な仲間が増えたのだった。
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ユラシア
年齢⋯13
身長⋯148
肩まである黒髪が特徴。目は大きく、黒。
常に銃を持ち歩いている。ポシェットには弾薬が入っている。
白いブラウスに水色のカーディガンを羽織っている。
黒いスカートと黒いハイソックスで、靴は白と紫のスニーカー
銃の扱いには長けている。
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遅れてすみません!
忙しくて⋯
ペースを戻せるように頑張ります!