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朝起きたら見知らぬ所にいました  作者: Sakura☆
1章 〜トルディニアまで〜
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二つの影

嘘⋯だろ⋯?何であの2人がここにいるんだ?あの2人はここにいるはずがないのに。

とても見覚えのある影。嫌なほど見てきた。

「ねぇ、澪くん、あの2人なんか変です。生きてないっていうか、心が感じられないっていうか⋯なんだろう⋯あの影」

アリスはそう言うと弓を構えた。軽く弓を射る。影はもうそこには無かった。

そうだ⋯いるはずがない⋯平気だ⋯!

まだいるはずだ。俺とアリスが辺りを見回すと背後にその影が立っていた。俺は後ろに飛び、ナイフを構えた。その影には実態がない。だが、影の中心部に微かな光がある。そこが影の核だろう。ナイフを握り直し、核を見つめる。

確かに⋯マリンじゃないなら大丈夫だ!流石にちょっとあれだが

「ごめん、マリン⋯!」

俺は影の核にナイフを刺した。影は細かい霧のようになって消滅した。

やっぱ謝っとかないとなぁ⋯

「きゃあ!」

⋯はっ?あ、そうか、もう一人いたわ⋯

アリスの方を見るともう一人の影に襲われていた。俺は影からアリスを引き離した。するとその影はどこかへ消え去ってしまった。アリスは何が何だかわからないみたいな顔している。

とりあえず⋯トルディニアについてから話せばいいか。

「あの、トルディニアってあんなのいませんよね⋯?」

アリスにもいたら帰りますみたいな感じで聞いてくる。

「いない。トルディニアは平和な王国だから⋯」

俺が来るまでは⋯

「そうですか⋯!良かったです!」

アリスはよろよろと立ち上がり、俺がさっき倒した影のいた場所まで行く。そこには綺麗な水色の宝石が落ちていた。いつ拾ったのかわからないナイフでていねいに割り、一つをハートの形に、一つを星の形にして、星の形の方を俺に渡した。

うっわぁ⋯うま⋯!

「これ!案内人がパートナーとなった時に渡すんですけど、無くしちゃったみたいで⋯今作りました!不格好ですみません⋯」

と言ってその手を少し下にさげるが、その宝石は丁寧に削られていて、良く店とかで売ってそうな形だ。

「サンキュ。不格好なんかじゃないから気にしなくてもいいと思う。俺は。それじゃ、パートナーとして宜しくな!アリス!」

俺が受け取るとアリスは顔を伏せながら立ち上がる。

何でなんだ?なんか付いてるのか?

「あ、ありがとうございますっ澪くんは優しいんですね⋯!」

と、顔を伏せながら言った。

だから何でこんな顔を伏せてるんだ?

俺がしゃがんで下から顔を覗くと、アリスは俺と目が合った途端に顔を背けてしまった。

「えっ何で?」

追いかけながら聞くと

「し、知りません⋯!」

と言って珍しく不機嫌なようだった。

俺、なんかしたか⋯?顔には何もついていなかったが⋯?

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