新たな場所へ···
俺が目を覚まして、外に出てみるともうそこにはあの男はいなかった。
ふと視線を感じたので森の方を見ると小さな女の子がボロボロのワンピースを着て立ったまま、一つの方角を指さしている。
俺がそっちを見たあとまた少女のいたところを見ると、もう少女はそこにはいなかった。
「まさか···な······でも気になるな。明日にはあっすちに向かって進み始めようかな···?」
「まさかって何よ」
森を眺めているうちに後ろから声をかけられた夏帆だった
「さっき進むべき方角を教えてくれた子がいたんだ。もうこの地にはいないけど。」
「あ···あんた···!私がそうゆう系の話が苦手だって知っててわざと話してるでしょ!」
「あぁ、わざと話してる」
「変なとこで正直にならんでよろしい!ったく···それがどうしたってのよ」
「お前鈍いな···バカか?」
「今の話聞いてわかる人なんていないわよ!」
「だから、俺はそいつが指してた方角に進むっつったんだよ···!」
「最初っから、そうわかりやすく言いなさいよ!遠まわしに言われるとムカつくわ···」
「ムカつくのって自分が分からないからだろ?面倒くせぇなぁ···お前は···」
「わ、分かります!あまり人を馬鹿にしないで!ほんっと、そうゆう所は変わってないんだから···もっと成長したらどうなの?」
「うっせ!お互い様だろ···!はぁぁ···何でお前はこんなに子供っぽいんだ?ユラシアとか、いくつか分かってる?」
「え?16ぐらい···?」
「ちげーよ、14だよ···お前とは違ってしっかりしてるからお姉さんっぽく見られるんだろうな」
「私はしっかりてないから子供っぽく見られてるって言いたいんでしょ?
ふんっ!生徒会長によくそんなこと言えるわね!あっちの世界に戻ったら、ただじゃ済まないからね!」
「別にいいさ、能力使えば逃げれるからな!」
「卑怯な···!能力なんてせこいわよ!正々堂々と戦ってみたら?!」
「正々堂々と戦っても俺はお前よりは強いと思うけどな!」
「何をー?!なら私は能力を使ってでもあなたに勝つわ!」
「そっちこそ卑怯な手を使うじゃんか!」
「全力で勝ってやる!」
すると後ろから銃弾が飛んできた。
俺と夏帆は避け、銃弾が飛んできたところを見る。
············
そこにはユラシアじゃなく、あの男がいた。
「へぇ〜逃げた上に怪我治して帰ってくるとか、お前何者?」
「お前らこそなんだよ!特にそこのお前!あの時俺に何した?!」
「んー?なーんもしてないけどー?」
「嘘つけ!あの時のお前のあの腹黒そうな笑顔···なんかしたって顔だったぞ!」
「嘘?!夏帆、俺そんな顔してたか?!」
「えぇ、してたわよ。他の人たちには見られてなかったけど···あの顔は凄かったわーw写真撮ったら絶対弱み握れたのに···」
「うっせー、でさ、お前達の親分的存在の居場所とかその他もろもろ話さなかったらまた痛い目に遭わせてもいいんだけど?」
俺が少し脅しをかけると
「喜んで教えさせていただきます!」
デブ男は土下座をして洗いざらい話した。
話し終わる頃にはすっかり改心して、俺達の情報サポートをするとか言ってた。俺は適当に場所を見つけてやれとは言ったけど本当にやるのかは不明だ。
皆にも話を伝え終わると俺は一言
「···てことで明日の朝からトルディニアに向かう。各自しっかり休むように。以上。」
その言葉でメンバーは好きなことをし始めた
俺は横になり、アリスは裁縫。ユラシアは銃の手入れ、夏帆は特訓をしていた
(あぁ〜···明日も忙しくなるなぁ···)
なんてことを考えているうちに俺は寝入った
翌朝。俺達は早くに結構長くいた洞窟をでた。
俺は男に言われた道を行きながらふとあの少女のことをおもいだした
(トルディニアについて落ち着いたら行ってみるか)
そんなことを考えているうちに見たことのある城壁が見えた。
そう、トルディニアに着いたのだ
門を見ると確かに閉まっていた。四人の門番によって見張られていた。
(マジかー···とりあえず話しかけようかな)
「すみません、ちょっといいですか?」
「何の用だ?」
「あなた方の中で一番ご年配の方は誰ですか?」
「あそこにいる爺さんだよ)