新たに一人。
数日後、俺らは洞窟内で相談していた
「これからの住処についてですよね···どうしましょうか···」
「そうだな。そろそろここも飽きたし、熊も出るもんな、早いとこ、いいとこ見つけなきゃなぁ···」
「クマコワイクマコワイクマコワイクマコワイ」
クマコワイを連呼しているのは···あえて言わないでおこう。会話の内容でわかると思うし···
しばらく、クマコワイの言葉以外聞こえないほど静かになった。その時、外の方で何かが落ちるような、倒れるような音が聞こえた。
俺が立ち上がり、見に行くと女子高生が倒れていた。
(制服着てたから女子高生だとわかった。)
「···は?」
一応状況を飲み込めないまま、その女子高生を奥へ運んだ。
なぜ俺が驚いたのか。それには理由がある。
倒れていた女子高生が俺の幼馴染みだったからだ。
運ぶとアリスは
「へ···?」
と声をあげる。誰だってそんな声出す。俺だけじゃない。
ユラシアまでもが無言でビクッととしていた。
とりあえず片すみに寝かせておく。
アリスが恐る恐る聞いてきた
「あの、あの子は知ってる人なんですか?」
なぜ恐る恐るなのかは知らないけど。
「あぁ、幼馴染みだ。あっちの世界のな。だからこんな所に来るはずないんだが···」
するとアリスは何故かしょぼんとしたが、すぐに顔を上げ、
「何かの手違いでしょうか···連絡を取ってきます」
と言って洞窟を出ていった。ユラシアは疲れ果てて寝ていた。
するとその女子高生が目を覚まし、起き上がった。
「あ!貴方は!」
しばらく聞くことはないであろうと思っていた声でそう言われた
「なんだ···?」
「なんでこんなとこに···!傍らに女の子がねてる···もしかして!」
こいつの考えていることは容易に想像できる。
「んなわけねえだろ!俺は健全な男子だ。それより、なんでお前がこんな所にいんだよ···」
「それはこっちのセリフ!健全ってところはまぁ少し気になるけど、私はなんか変なやつに呼び出された?みたいで。そいつ、すぐに手を出してくるクソド変態野郎だったから。逃げてきたのよ。やられる前に、ね!」
「お前も俺と同じか···アリスにでも聞くかな?」
「アリス?!その名前!あの野郎が言ってたわ!アリスたんを見つけてやるーみたいなこと。」
「マジか···そいつ頭大丈夫か···?」
「恐らくダメね···いや、絶対狂ってるわ」
「だよな···と、アリスが来たか」
会話をしていると、連絡をとり終わったのか、アリスが帰って来た。
「初めまして、アリス・メティアといいます。もう起きても大丈夫なんですか?」
コイツに自己紹介をしたついでに、体調まで気にしていた。
「大丈夫ですよー、私、体丈夫なので。あ、私は柊 夏帆といいます。アリスさん、聞きたいことがあるんですけど」
「はい、どうしましたか?」
「私がこっちに来た時にいた男がとても不愉快で、ここまで逃げてきたんですが、その男があなたをアリスたんと言っていました。心当たりありますか?」
するとアリスは思い当たる節があるのか、表情を変え、すぐに夏帆を心配するような表情で、
「それは···柏陵ですね···大丈夫···ではないと思いますが···気分を害したようですみません、上に報告しておきます」
と言った。夏帆は心配されたことに驚いたのか
「え!いえ!大丈夫ですよ!あと、謝らなきゃいけないことがあるんですけど···」
するとアリスは目を丸くして
「どうしました?」
「多分···その人、着いてきてるかと···」
夏帆は申し訳なさそうに言った
そこに一番驚いたのは俺だった
(うわぁ···すげーめんどくさそうなヤツだなー···やる前から疲れる···)
そして夏帆はもう一つ付け足して
「あの···コイツになんかされませんでしたか?」
と言った。アリスは
「はい?」
と聞き返していた。俺はすぐに
「さっきも言ったろ?!何もしてねーっつの!しつこいなぁ···生徒会長さんは」
また面倒くさいのが増えた···
そう思った
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柊 夏帆
年齢···17
身長···157cm
高3
黒髪ポニーテールのつり目。
瞳はもちろん黒く、制服。
剣道をやっていたため、刀の扱いはお手の物。
見た目からかなりしっかりしている事が分かる。
澪とは幼馴染みのため、普通に会話できる仲だ。
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新たな仲間!増えました!
次回はバトル!です!お楽しみに!