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第9話 食堂に行こう

いやー!頑張れば魔法が使えるんだ、この世界。

超ヤル気出て来たよ。


私たちは三人で食堂へ歩いていた。

アルベルトさんとは、まだ直接話せないので、真ん中に先生が居て通訳している。

アルベルトさんは、私を助けた時の凛々しさを何処かに置いてきたのか、良く言えば肩肘張らず、悪く言えばだらしなく、歩いていた。

仕事とプライベートのON-OFFが激しいのかもしれない。

予想通りと言うか、アルベルトさんは20歳で騎士団でも一番の若手。

その恵まれた体格から繰り出される剣技で、騎士団トップ3に入る実力とか。

しかも一番は訳あって永久欠番なので、実質2番手なのである。

こんな完璧超人いるんだなぁ。

「おモテになるんでしようね?」

と聞いたら先生に、

「お前、そういうの聞くとき物凄いババ臭いな」

と言われたのがショックだ。


食堂の扉は西部劇で見るような、スイングドアだ。

二人に続いて入ろうとしたら、戻ってきたドアで顔面強打された。

いってぇ、私は身長が146cmしかない、14歳女子の平均身長より10cmも低い。

とはいえ、このドアちょっと高くないですかねぇ。

鼻を抑えてる私を笑いつつ、二人はテーブルに付く。

薄情だ、タキさんならきっと、心配してくれているに違いない。

二人はメニューから、私は材料の入った袋を渡しておまかせで頼んだ。

「二人とも冷たいです!」

「すまんすまん、まぁ俺のデコピン耐える生徒だ、大丈夫だと思ってな」

「それって、あの凶悪なデコピンの威力わかっててやってるって事ですよね」

「それでも女子には、2割引きくらいの手加減しているぞ」

うーわー、男子可哀想。

「そういえば、先生がこの世界に来た話、聞いてませんけど」

と言うと、先生はアルベルトさんと、ごにょごにょナイショ話を始めた。

アルベルトさんが親指立てて「****」と言うと先生は語りだした、

「まず、ジョーカーって悪魔は人を拐かしに街にやって来るんだ。

そして、見つかるまで街の中に隠れて悪さをする。

騎士団はそんなジョーカーを捜索して排除しようと、隠れている所に踏み込んだ。

そのメンバーの一人にアルベルトもいた。

そして、俺が召喚された時には、まだジョーカーが生きていたんだ。

俺は召喚された直後、ジョーカーを守らないといけないと思った。

多分催眠術とか、ヒヨコの刷り込みとか、そんな効果があったんだろうな。

それで騎士団の捕物の邪魔をして、ジョーカーを逃がしてしまったんだ。

その後、俺は騎士団に保護され、魔法使いのタキ先生と、その師匠に会い洗脳を解いてもらったんだよ。」

なるほど、私もジョーカーが生きてたら、包丁片手にアルベルトさんやタキさんと敵対して戦っていたのかもしれない。

そんな事考えたら、背筋がゾクリと寒く感じた。

そんな話をしているうちに、ウエイトレスさんが大きなトレーに料理を満載してやって来た。

ドカンドカンとテーブルにおかれていく料理、大雑把な所がイヤじゃない、ワイルドでむしろいい感じ。

この世界、残念ながらお米は無かった。

基本主食は、芋かパンか豆だ。

そして味付けは塩だ、違いは薄いか濃ゆいか。

素材がそのまま美味しいものはいいんだけど、そうでないものはマズイ。

肉はほとんどが美味しい、でも野菜は微妙、強烈に苦いのや青臭いのも平気でコッチの人は食べるみたいだ。

そう、谷口先生の見てる前では、お残しは許されないのだ。

私は涙目で訴えるが、先生は首を横にふる。

給食の頃以来だわ、こんなの・・・

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