第36話 因果
私は、騎士団詰め所に連れて行かれ、傷の手当を受けていた。
肩の傷はヒールで塞がったが、ちゃんと痛みが引くには少し掛かるみたいだ。
「召喚された人ってコトネさんのお兄さんなんですよね?」
「うん、うちの兄。名前は佐渡亮介、でも何で私の知り合いばっかり…いや笹は違うけど」
「それなんですけどあの悪魔、確かにジョーカーと言ったんですよね?」
「うん、それは間違いない」
「どうやって復活したかはともかく、奴の召喚にはルールがあるみたいですね。例えば前に召喚した人の知り合いでないと駄目だとか」
「確かに、私の前の先生と私の後の兄か」
「偶然で片付く確率ではありませんから、その辺り間違いなくありそうですね」
「あと、前回と似ても似つかない姿だったけど。
コッチの世界って魔法で化けたりは普通なの?」
「魔法で化けることは出来ますが、戦闘になったら集中力を欠いて解けてしまいます。
まぁ、その辺りはうちの師匠が今探っているので、暫らくお時間を下さい」
「はーい。それにしてもタキさんには2度も助けてもらっちゃった訳ですけど、なにかお礼をしなくちゃいけませんなぁ。なにか欲しいのもとかあります?」
「なっ、いや、無いですよ。
そんにゃ気遣いはそのありがたいですが、なんと言いますか…」
あらあら、下を向いてしまった。
「では、お兄さんの暗示を解いて参ります」
「いってらっしゃ~い」
ベットから半身起こしたまま、どんよりとした顔で部屋を出て行くタキさんを見送った。
コンコンコン
「はーい、どうぞ」
入れ違いで谷口先生が入ってきた。
「佐渡、無事か。すまなかったな、こんな事になって」
「どうしたんですか?」
「平常通りなんてやり方甘かった、一時学校を休止して捜索に当たるべきだった」
「そんなことないですよー、先生気負い過ぎですって」
「それに、亮介までコッチに召喚されたらしいじゃないか。お前たちのご両親には、なんとお詫びしたらいいものか」
「それこそ、先生のせいじゃないですよ」
「おそらく、想像しているとは思うが、召喚は前の人間の記憶から次に召喚する人間をピックアップしている。学校でノゾキがあった時、被害にあって泣いてたお前達の顔が思い出され、木刀を振っていたんだ。そしてその時、俺は召喚された」
「その中で一番泣いてたの私でしたねー」
「そうだな、多分それが印象に残っていたんだな」
「じゃ、それこそ先生のせいとかでは全然ないです」
しばしの沈黙の後、先生はフーと息を吐くと、
「そか、じゃ笹と亮介の様子を見てくるよ。お前もおとなしく安静にしてろ」
「はーい」
私は、思いつめる先生のほうが心配なんだけどな。
言われてみれば、ジョーカーは私の頭を締めあげ助けを呼ばせて兄を召喚したんだっけな。
そんな事考えて、ウツラウツラしてたら何処かから奇声が聞こえた気がした。
気がしたけど、眠かったから無視して寝ることにした。
「あー、あれお兄ちゃんの声だ… クークー…グォー」




