第24話 折れない心
夏の朝、
開口一番、
「腹減った」
うむう、字余り。私も少しは回復したらしい、お腹が空く余裕ができたようだ。
ここに来てまで1週間ほどではあるが、だいぶ暑くなってきた、
そういえばクーラー無いけど、この世界夏はどうなるんだろう?
まぁ余計なことは考えず、食堂へ行く。野菜や肉の買い置きを切らしたので、具なしでパンをモリモリと食べる。
そういえば昨日何も食べてなかったなぁ。
時間ギリギリまで食べて、黒板を持って教室へ行く。
今日もタキくんは休みだった、なんか凄い迷惑かけたようだ謝りたい。
そして谷口先生は、今日もおおいそがしだった。
放課後、アルベルトさんが話しかけて来た。
「コトネ、ちょっといい? タキから大体の事は聞いたんだ」
「うん、そう。私ねフラレちったんだ」
「あれはタキが、真面目過ぎてああ言ったんだと思う。魔法で人の心を操ってはダメなんだってね。だけど、なんて言うかコトネの事が嫌いで言ったんじゃ無いことは知ってて欲しい」
「うん、ありがとう」
「あと、風邪なのは本当だから気にしないで」
「え、顔合せたくないとかじゃなく、本当に体調不良だったの?」
「うん、今から見舞いいくけど。来る?」
「行く! まっててちょっと先生に外出してくるって言ってくる」
嫌いじやない、と顔を合わせたくなくて休んでたんじゃない、ってだけで私は嬉しかったね。ダッシュで職員室に行き、先生に見舞いに行くと告げて教室に戻ってきた。
「オッケー、行きましょうアルベルトさん」
「オッケー?」
「大丈夫とか了解って意味ね」
「オッケー!行こうコトネ」
私は先生から見舞いの品を買っていけと、お金をもらっていたので市場に寄って消化に良さそうな食べ物と飲み物を買って行った。
私は、タキくんの家に始めてきた。
「でっかー、タキくんお金持ちなの?」
「違うよ、この家はタキの師匠のね」
「そっかー、ちょっとビックリした」
まぁ、そのくらい大きかった、この世界の家は建築技術が低いせいなんだろうけど、大抵平屋でこじんまりとしている。
それに比べ、この屋敷は2階建てで屋根裏までありそう。
アルベルトさんは鍵を預かっていたのかドアに鍵を開けて中に入っていく。
屋敷の中は正面に階段、そして奥に左右に伸びる階段、部屋は一階に4部屋二階に4部屋と言った所か。
アルベルトさんは階段を登って二階に行くので付いて行く。
部屋の前で、ノックするとタキくんの声がする。
「どうぞ」
「タキ、調子はどうだ」
「だいぶいい感じかな」
少し遅れて私も、
「こんにちは、えー見舞いに参りました」
「!?」
驚くタキくんを見てニッと笑うアルベルトさん、いい笑顔だなぁ。
「コトネさんいらっしゃい、今日はお見舞いありがとうございます」
「タキくん、お師匠様と住んでるんだね」
「いえ、師匠は旅に出てまして。ラボの管理と留守番を任されてるだけですよ」
「そうなんだ?」
「そうなんですよ」
しばしの沈黙。
沈黙に耐えかねたのはアルベルトだった。
「いつまで黙ってるんだ? 話があるんじゃないの?」
「あ、うん。コトネさん、すみません。僕が使った魔法は記憶に関わる物で、人の感情を左右することもある魔法です。もっと慎重に扱うべき物でした」
「うん、許す。と言うか救ってもらったんだから、ありがとう。そして、やっぱりそれでも好きなので、付き合ってくれとは言いませんが、仲良くしてくれるとうれしいな」
「うん、これからもよろしく。コトネさん」
こうして私たちは和解を果たしたのだった、いずれ惚れさせて向こうから好きと言わせてやるのだ。




