第23話 失意
部屋に戻るなり、「はぁー」とため息一つ。
ベットに倒れこみ枕に顔を埋めて、一人反省会をするのだ。
やってしまった、やっぱりイキナリ過ぎたかもしれない。
だいたい私は、きっと叶うと思い込みで突っ走って、肝心のタキさんに他に好きな人は居るかとかリサーチする事すら忘れていた。
明日から顔を合わせにくいなぁ、向こうもだろうなぁ、迷惑かけたかもしれないなぁ。
でも、フラれると思わなかったなぁ…
何でだろう、私はなぜか自信満々だったのだ。振られるまでは…
そりゃ、夢の時のタキさんはカッコ良かったけど、あの事がある前に告白してたらどうなってたんだろう?
身体は激しい虚脱感に襲われながならも、頭はいまさら考えても仕方ない事がクルクルと回っている。
泣きすぎて目がしょぼしょぼする。
私は夕飯も取らずに、そのまま寝てしまった。
朝起きると、部屋のドアを開けるのに凄いプレッシャーを感じる。
学校を休みたい、こんな日くらいはそっとして欲しい。
しかし学校に住んでいて、それも谷口先生の部屋でもある職員室の真上の部屋に住んでいて、仮病を使って休むなんてことは出来ないのだった。
便利だけど、ここにはプライバシーが無いよなぁ。
まぁ、仮病で休むことをプライバシーと呼ぶならば、だが。
のろのろと身支度を済ませ、朝食も取らず教室へ行く。
ちょっと遅くなって皆席に付いていた、その後先生も入ってきたが、
「今日はタキ先生は体調不良でお休みです。では授業を始めよう」
と言って、本を開き黒板に向かった。
あ、タキさんお休みしちゃった私のせいかもしれないなぁ。
でも、顔を合せなくてちょっとホッとしている。
おとといまでは、会いたくて堪らなかった癖に身勝手だな、私。
先生は、一人で3パターンの授業をこなし、大変そうだった。
異世界語の私と遅れて始めた笹、現代国語の皆。
お昼も食欲が湧かなくて、中庭でボーッとして過ごした。
午後は、なんだか皆が異変を感じたのが色々聞かれたけど、「なんとなく」で全部スルーしてしまった。
明日までにはなんとか立ち直って、ちゃんとタキさんを見られる様になるだろうか?