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ー操り人形ー
「殺せ…」
その言葉が耳に届いた瞬間、俺は躊躇なく引き金を引いた。
「や…やめてくれ…
命だけは、命だけは助けてくれ!!」
俺の前では誰もがそうやって地面に手を着き命乞いをする。
だがそれは無駄な抵抗に過ぎない…
死を目の前にすると人は、こうもプライドを捨てられるのか。
そう思うと同じ人間の血が流れている自分の存在にすら嫌悪感を抱かずにはいられない。
惨めで、哀れな最後だな。
「永遠におやすみ」
その言葉と同時に銃声が鳴り響いた。
どんな命乞いも俺の前では全く意味を成さない。
命の重さなんて分からない。
闇に生まれ闇に生きていた、光なんて知らない必要ない。
赤黒い血液が飛び散り、同時に辺り一面に生臭い血の臭いが漂った。
俺の命は誰かの命を奪うことでしか存在する意味を持たない。