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歴代内閣考察  作者: 騎士星水波
昭和時代戦前
34/58

第28代 第二次若槻礼次郎内閣

 第28代 第二次若槻礼次郎内閣

 在任1931年4月14日~1931年12月13日(244日)


 国務大臣

内閣総理大臣 28 若槻禮次郎(元内閣総理大臣)

外務大臣 43 幣原喜重郎(前外務大臣)再任

内務大臣 45 安達謙蔵(前内務大臣)再任

大蔵大臣 35 井上準之助(元大蔵大臣)

陸軍大臣 36 南次郎

海軍大臣 33 安保清種

司法大臣 40 渡邊千冬(前司法大臣)再任

文部大臣 46 田中隆三(前文部大臣)再任

農林大臣 ⑧ 町田忠治(前農林大臣)再任

商工大臣   ⑧ 櫻内幸雄

逓信大臣   40 小泉又次郎(前逓信大臣)再任

鉄道大臣   ⑪ 江木翼(元内閣書記官長)

     ⑫ 原脩次郎(拓務大臣より異動)

拓務大臣   ③ 原脩次郎

     ④ 若槻禮次郎(兼任)

内閣書記官  31 長川崎卓吉


政務次官

外務政務次官 永井柳太郎

    矢吹省三

内務政務次官 斎藤孝雄 

   古屋慶隆

大蔵政務次官 小川郷太郎

   田昌

陸軍政務次官 伊東二郎丸

海軍政務次官 矢吹省三

   牧山耕蔵

司法政務次  官川崎克

   八並武治

文部政務次官 野村嘉六

   横山金太郎

農林政務次官 高田耘平

   西村丹治郎

商工政務次官 横山勝太郎

   松村義一

逓信政務次官 中村啓次郎

   小池仁郎

鉄道政務次官 黒金泰義

   末松偕一郎

拓務政務次官 小坂順造

   紫安新九郎


参与官

外務参与官 織田信恒

    田中武雄

内務参与官 一宮房治郎

    小山谷蔵

大蔵参与官 勝正憲

    前田房之助

陸軍参与官 吉川吉郎兵衛

    比佐昌平

海軍参与官 粟山博

    鍋島直縄

司法参与官 井本常作

    戸沢民十郎

文部参与官 大麻唯男

     工藤鉄男

農林参与官 山田道兄

    岡本実太郎

商工参与官 野田文一郎

    桜井兵五郎

逓信参与官 福田五郎

    平川松太郎

鉄道参与官 山本厚三

    中島弥団次

拓務参与官 武富済

 杉浦武雄


 ◇参考

ウィキペディア『第2次若槻内閣』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC2%E6%AC%A1%E8%8B%A5%E6%A7%BB%E5%86%85%E9%96%A3

首相官邸HP『第2次若槻内閣』http://www.kantei.go.jp/jp/rekidai/kakuryo/28.html

歴代政府・内閣に関するデータベース『第29代:第二次若槻礼次郎内閣』http://www.geocities.jp/since7903/Syouwa-kyukenpou/29-Wakatsuki-vol2.htm


 主な出来事

1931年 4月 ・第2次若槻内閣成立

         ・直良信夫が明石市で化石人骨を発見(明石原人)

         ・東京音楽学校に作曲科設置

         ・「オール讀物」(文藝春秋)が創刊。

      5月 ・鉄道省、小型コンテナ試用開始。

       ・大阪帝国大学設置。

         ・北関東・東北に霜害。熊谷の最低気温零下4℃

         ・石川県山中温泉で大火。

         ・新潟県白根町で大火。

         ・国際ヘーゲル連盟日本支部「ヘーゲルとヘーゲル主義」。

         ・官吏減俸令公布(6月1日施行)。

         ・横山勝太郎元商工政務次官(濱口内閣)死去。

      6月 ・御茶ノ水橋完成

         ・朝鮮総督に宇垣一成を任命・親任式

         ・関東で強震。横浜全市が停電

         ・日本航空輸送旅客機が福岡県山中に墜落し3名死亡(初の旅客機事故)

         ・中村大尉事件。北満視察中の中村震太郎大尉が中国兵に殺害される

      7月 ・万宝山事件

         ・朝鮮排華事件

      8月 ・八十二銀行設立(第十九銀行と六十三銀行が合併)

         ・鎌倉御用邸廃止

         ・羽田飛行場(後の東京国際空港)開港

         ・濱口雄幸前内閣総理大臣死去。

      9月 ・清水トンネル開通により上越線全通(上野-新潟間が7時間10分に短縮)

         ・柳条湖事件(満州事変勃発)

         ・林銑十郎による独断越境進撃

     10月 ・国立公園法施行

         ・錦旗革命事件。橋本欣五郎中佐(桜会)らによる軍部内閣樹立クーデター発覚・拘          禁

         ・宇野弘蔵と山田盛太郎「資本論体系」。

     11月 ・松屋浅草店開業

         ・東京科学博物館開館式

         ・大阪城天守閣再建(地上で現存する世界最古の鉄骨鉄筋コンクリート造建物)、大          阪城公園開園

         ・大百科事典(平凡社)刊行

     12月 ・岡倉天心銅像除幕式(東京美術学校前庭)

         ・安達内相が辞任勧告を拒否。内閣不統一により第2次若槻内閣総辞職


 ◇参考

ウィキペディア『1931年』https://ja.wikipedia.org/wiki/1931%E5%B9%B4


 概要

 さて、今回紹介しますは第2次若槻礼次郎内閣です。若槻礼次郎二回目の組閣ですね。しかし、今回は実は若槻礼次郎はリリーフなのです。復習します。前回の第1次内閣の時は前任の加藤高明が病死したために若槻がその後任として内閣を受け継ぎました。そして、今回の濱口雄幸が東京駅で襲撃された傷から癒えることなく政務をおこなうのが大変つらい状況であったため辞職します。普通この時期は憲政の常道であるため内閣が倒閣したら野党が組閣することになるのですが、病気や事件など本人の失政とは関係ないところでやめる時は同じ党から次の総理が出ることとなります。結果として若槻が2回とも同じ政党の人間として組閣するに至ります。

 さて、第2次若槻内閣で起こったことについて取り上げる前に第2次若槻内閣のある閣僚について見ます。

 第2次若槻内閣の閣僚は濱口内閣からの居ぬき内閣となっています。それは前順の通り同じ党の内閣であり濱口内閣の後継という形であるからです。その中でも前回の濱口内閣にも入閣していたある閣僚に注目してみましょう。それが小泉叉次郎逓信大臣です。

 入れ墨叉さんとも呼ばれ、入れ墨大臣として帝国議会で立憲民政党の重鎮として活躍しました。そんな彼は何と現在自由民主党国会議員である小泉進次郎氏のひいおじいちゃんに当たります。政治家小泉家の初代です。ちなみに2代目は小泉純也で安保男とも称され第3次池田改造内閣から第1次佐藤内閣まで防衛庁長官を務めました。そして、3代目はみなさんご存じ平成の大宰相小泉純一郎です。こうすると小泉家は全員閣僚を経験してますね。どこかの世襲議員さんの家系は大臣就任が夢だそうなのに……

 さて、話を戻します。

 第2次若槻内閣において最大の事件は何と言っても柳条湖事件です。これは何かというと、関東軍の謀略によって起こった、満州事変の発端となる鉄道爆破事件のことです。

 1931年の9月18日、満州(現在の中国東北部)の奉天(現在の瀋陽市)近郊の柳条湖(りゅうじょうこ付近で、日本の所有する南満州鉄道(満鉄)の線路が爆破された事件で、関東軍はこれを中国軍による犯行と発表することで、満州における軍事展開およびその占領の口実として利用しました。

 つまりは満州事変と言われている一連の流れの発端となった事件です。この事件以後日本はどんどんと中国進出を進めていきます。1933年にはこの事件の原因を調査したリットン調査団の報告に不満を持ち国際連盟を脱退、それが最終的に1937年の盧溝橋事件により日中戦争に。日本が大きく戦争へと進むきっかけともなるまさに重要な岐路であったのです。

 しかし、若槻首相にこの事件を解決する力はありませんでした。閣内は揉め、軍部が意見を言い、ついに内閣総辞職へと追い込まれす。

 今回はこのあたりで。

 次回はついに政党内閣終焉。悲劇の総理大臣。大宰相犬養毅内閣です。


 ◇参考

ウィキペディア『柳条湖事件』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E6%9D%A1%E6%B9%96%E4%BA%8B%E4%BB%B6

ウィキペディア『満州事変』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%80%E5%B7%9E%E4%BA%8B%E5%A4%89

ウィキペディア『リットン調査団』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%B3%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%9B%A3

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