☆小屋完成
前回投稿 2015/2/25
前回のお話 ユーリ視点
とうとう小屋が完成した。
とりあえず塩を作るときに滞在できる場所をと思いたててもらったが現状だと実際住むことになりそうだ。
ボガレ方面は強盗等殆ど出ることもなく安全だったが可愛い奴隷がいて金の元である塩が大量に保管されてることが知れ渡ってしまえば物騒になるかもしれない。
早急に警備体勢を整える必要があるだろうと思う。
とは言え悪事を働こうとする人にとってもボガレ方面はハイリスクローリターン状況だと思うのでもう暫く安心だろう。
現状のまま塩が売れ続ければ正直何もしなくて楽に生きて行ける状況だが、塩のように簡単に作れるものは何時かは真似されるだろう。
その時のためにも蓄えを増やし新商品の開発も行っていく必要がある。
そうなると人も増えることになるのでこの小屋を中心に住居を増やしていく必要も出てきた。
小屋を作ってくれたボガレの人には追加での建築をお願いし足りない労働力は町のギルドで募集しようと思う。
この辺りの打ち合わせを終えて早速町に向かうことにした。
今回もボガレの馬車で送ってもらうことになったのだが、最近俺が色々仕事を頼むためボガレの現金貯蓄も増え喜んでもらえてるようなので手の空いてる人が居れば俺の仕事をどんどん手伝ってもらおうと思う。
町に到着し塩を売り、馬車屋に行き馬車を買う。
馬はユーリと店主の意見をすり合わせて選んだ。俺には馬の良し悪しはわからないからだ。
その後教会へ行き、新たな奴隷との契約を終え寄付を行い後にした。
ユーリのおかげで今のところサーシャさんに聞かないと行けないようなことはない。
ユーリとの男女の関係については悩んでいたが、ユーリからの申し出によりあっさりと解決した。
今後増える奴隷との付き合い方についてもユーリの助言があるだろうということで気楽に構えている。
海辺の建築の労働力のために初めて依頼する側で労働者ギルドにやってきた。また人を集めて住居を建てていることが知れ渡ると悪い意味でも注目されると思うのでついでに警備のための人員の募集も行う。
給与に関してはギルド受付のアドバイスにしたがって決定した。
今のところユーリと二人で作る塩の代金だけで人を雇うのも全く問題がないくらいなのだが、新たに二人増えることにより稼ぎが倍増する予定だ。
供給過多にならないかと心配もしたのだが質が良く現在流通している岩塩に比べて低価格なため輸出も考えられるとのことで今のところはいくらでも買い取ってくれるとのことだ。
その後家財道具や追加の鍋などを馬車に積めるだけ積んで新居に戻った。
寝具については予備をかなり購入しておいた。
そして夕食だが始めてのユーリの手作りだ。
もちろん新たに増えた三人も手伝っているが今までは宿かボガレの代表宅で頂いてたのでユーリを引き取り一ヶ月以上経ってはじめてのお手製になる。
夕食が出来たので食べながら自己紹介をすることにした。
三人にも自己紹介や自己アピール、俺に望む事などを話してもらった。
まずは今回最年長のアリシア二十歳だ。
おとなしく人見知りな感じがする。いきなり奴隷として引き取られれば緊張もするし今後の生活に不安もあるだろうから今のところは仕方ないことだろう。
保護奴隷となったいきさつはボガレのような農村で育ったが村自体が貧しかったため家を出て町に着くと直ぐに教会へ向かったとのことだった。
元々農家出身のため馬の世話はそれなりに出来るとのことだった。
次はカチュア十八歳。
父親は狩りを生業として生活してたそうだが事故により父親を亡くした後、母親は男性から求婚されたのだがカチュアの存在があったので母親は断っていたらしい。
自分が居ては母の新しい生活が始まらないと思うと共に、今更見ず知らずの人を父と呼べるような年齢でもないということから家をでて保護を求めたらしい。
母親には奴隷になることを伝えていないため、出来れば良いところで働けるようになったと手紙でも書きたいとのことだ。
そういうことなら解放し従業員として雇うと提案したのだが奴隷のまま扱って欲しいと言われた。
希望しない子を無理矢理解放するわけにもいかないので暫く様子を見ようと思う。
最後にリリアン十三歳。
子供だがサーシャさんに是非頼みたいといわれ引き取ることになった。
この子は孤児で教会が保護していたのだが金銭奴隷としての価値が出てくる年齢になり引き取り先が決まらなければ金銭奴隷として扱われてしまう寸前だったようだ。
小さい頃から世話をしてるサーシャさんはできるだけ扱いが良い保護奴隷として引き取ってもらいたいと思っており俺に頼み込んできたらしい。
この子だけは性条件をつけている。
登録時に性条件を入れて欲しいといわれたが真意が解らないためユーリに話しを聞いてもらうよう頼んだのだ。
その結果ユーリからも付けてあげて欲しいと言われたのでとりあえず付けることになった。
正直リリアンに何のメリットも無いとは思うのだが、付けることによって自分の価値を上げ捨てられないようにとでも考えているのだろうか。
全員の紹介の後に何か困ったことがあればユーリに相談するようにと伝え、ユーリにも相談に乗ってあげて欲しいと頼んだ。
特にリリアンは子供だし俺に理解できない悩みや考えがあるようなので気に掛けてもらうようにした。
このようなことを決めた後俺は自分の部屋に戻った。ユーリには後で汚れを落とす湯を持ってきてもらえるように頼んでおいた。
早々に自室に向かったのは女性も四人になったことだし俺が居ない方がリラックスできて良いだろうと思ったからだ。
明日からの仕事の段取りや新商品について考えているとドアがノックされた。
入ってきたのはアリシアで湯を持ってきてくれた。
礼をいい自分の部屋に戻って休むように言ったのだが、ユーリに俺の部屋で夜を過ごすようにと言われたらしい。
ユーリの件もあったのでどういうことかは理解したが自分の意思ではないなら無理する必要はないと言うと、俺が嫌でなければお願いしますと頼まれた。
そういわれて断れるはずもなくユーリも承知のことらしいのでお互いに汚れを落とし一緒の布団で眠ることになった。