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☆中継拠点

前回登校日 2015/5/16

前回のお話 新規開拓の行商に向かった一行は無事隣町に到着した。今更ながら主人公の異世界転生補正が発覚した。

翌朝皆で朝食を食べた後は自由行動日という事にした。

許可証を持ってきているので俺を含めると三組に分かれて行動することが可能だ。

俺は居残り組みに何か良いお土産があれば購入するつもりで店を冷やかしに行こうと思っていた。

そして今全員で行動している。

小遣いを渡して自由行動にするつもりだったのだが皆別行動を拒否したのだ。

若くかわいい子達に一緒に居たいといわれるのは大変嬉しいことだがここまで来ると素直に受け取っていいのか心配になってしまうくらいだ。

八人という集団になり若干目立ってしまうが奴隷を連れた商人等も居てるらしいので気にしないことする。

そうして露天を冷やかしながらぶらぶらして居たのだがふと思いついた。


この町にも拠点となる家を購入すればいいのではないか?と思ったのだ。

何の計画性も無いが特に資金に困ることも無いし、自力で輸送することになった場合も拠点があると楽だ。

それに大人数で移動する場合の宿泊費用も馬鹿にならないだろうとも思う。

そんな訳で急遽商業ギルドに向かうことにした。

一応許可証は持ち歩いてるので他の面々にもどうするか確認したのが、予想通り一緒に来ることになった。


商業ギルドに到着し先日担当してくれた人が居たので営業拠点にするための住居について問い合わせた。

するとメインストリートから外れたところに店舗として使われてた物件があるとのことだ。

場所が悪く商売に失敗して売りに出されてるところで価格も結構安いようだ。

店舗として使えるならガリアの町のように飲食店を経営しつつ移動中継点として使うのも良いだろうと思った。

そして物件を見せてもらうと二階部分に住居として十分な広さもあった。

元々は飲食店ではなかったようなので厨房等を作る必要があるが広さは申し分ないので即購入することにした。


それと共に今後の予定も大きく変更することになった。

本来はこの町で少し休んだ後次ぎの町へと向かう予定であったが、購入した物件の改装等を考えると一度戻る必要がでたのだ。

また拠点(今後は本部と呼ぶことにする)から距離のある中継拠点兼店舗の責任者を考える必要もある。

現在商売もうまく行っておりこの町の拠点が無くなるようなことがあっても気になるほどのダメージは無いのだが、各商品の製造方法等が外部に流出することだけは避けたいので俺を裏切らない人物を責任者にする必要がある。

そうなると奴隷を使うのが一番なのだが、保護奴隷だと今までの経験上俺と離れた生活を嫌がる可能性がある。

かといって金銭奴隷との普通の契約であれば何時かは解放する必要があるため秘密を守れなくなってしまうのだ。


単独で行動してもらうことを前提としつつ内部情報を漏らさない人物ということを考えると簡単には見つかりそうもない。

そういう事も含めて一旦本部に戻って皆と相談する必要もあるのだ。


アリスディアで物件を購入してから数日後、無事本部に戻ってきた。

帰りは特に危険はなかったので、このような世界であっても早々危険なことばかりではないのだろうと感じた。

そしてユーリ達を集め拠点の管理責任者として働いてくれる気はないかと確認してみたが予想通り良い顔はしなかった。

アリスディアからの移動中に思いついたことがあるので、とりあえずユーリ達に頼むのは保留とした。

もし進んでやってくれる子が居たらラッキーだという程度だったのだ。


その考えていたこととは、奴隷契約の条件を限りなく軽くすることだった。

具体的に言うと、俺の商売に関する知識の中で製造と店舗運営に関する内容を外部に漏らさないことと俺の指示無く同知識を利用しないということだけを契約条件にするということだ。

その他は一般市民と同じ生活をしてもらっても良い。

先ほどの条件以外であれば俺の不利になるような行動を取ることも可能とし、異性との付き合いや結婚等も自由に行っても良いという形を取りたいと考えている。

もちろん奴隷として引き取るのではなく雇用という形態を取るため給与も普通以上に支払うつもりだ。

アリスディアでも考えて居たが最悪裏切られても構わないのだ。

その時は俺の商売の知識を使うことが出来ないので一時的に店の金を持ち出し罪人になるだけである。

少し頭の良い人ならどちらが得かは考え付くはずだ。


この案は奴隷契約時に追加で詳細を設定できるというところから、逆に不用な契約を外せるのではないかと考えたからだが、実際にはサーシャさんに会って確認したいと思う。

拠点の責任者として雇うつもりなので、サーシャさんの所の子を雇うより金銭奴隷となってしまっている元商人と無期限での契約を行う方が良いかもしれないので、そこのところもサーシャさんに相談に乗ってもらうつもりだ。


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