☆宿泊施設
前回投稿 2015/2/28
前回のお話 アリシア視点の身の上話
奴隷が増えてから塩の生産量も一気に増えてきた。
一気に出荷数量を増やすのも問題が発生しそうな気がしたことと新商品に塩を使うので出荷量は抑えている。
それでも今までの二倍ほどの量なので収入もかなりのものになっている。
そんな順調な中、昨日の夕方に宿泊施設が完成した。
これで追加でき依頼した分はすべて完成した事になる。
宿泊施設が完成すると同時に施設を必要とする人が居なくなる予定だが、また追加で作業をお願いしようと作業員全員に確認することにした。
ただ宿泊施設を利用する場合は報酬から利用料を引かせてもらうことにする。
それでもかなりの人数が引き続き作業をしてくれることになった。
今回追加するのは、この一帯を加工塀と物販用の店舗だ。
店舗は奴隷用にと考えている。
奴隷たちに毎月ポイントを与えそのポイントを使って自身が必要とするものを自由に入手できるようにするのだ。
また奴隷以外の人は現金で購入できるようにもするつもりだ。
そうすればボガレの人もものによっては町まで行く必要も無くなるだろうと考えた。
こうして既に自宅と言う規模を超えてしまったこの一帯を今後は拠点と呼ぶことにした。
こうした指示を労働者に出した後、ユーリと共に奴隷の再編について話し合った。
その結果、警備や狩り予定の戦闘系担当者がセーラとジルをはじめとする別宅の六人、食堂兼宿担当に料理がそれなりにできる三人、道具の製造にクレアを含め四人、そしてユーリを除く残りの子達には販売用食品を作ってもらうこととなった。
今頼んでいる物販用の店舗ができれば食品担当から二人を回す予定だ。
宿や店舗の子が休む場合などは補助として食品担当から手を回す予定なので問題がおきることは無いとは思う。
宿は基本夜も対応が必要になるため時間をずらし常に二人で対応してもらうことになる。
十六時間労働というブラックな勤務時間になるのだがずっと仕事をしてるわけではなく待機時間が多いため問題はないだろう。
奴隷に限らずこの世界では寝てるとき以外はずっと仕事というのも珍しくはないらしい。
警備に関しても常時対応してもらうことになるのでセーラとジルにシフト等を任せることにした。
現状特に危険なこともないと思うので拠点をぶらつきながら何かあれば対応してもらうという感じだ。
馬の世話や家事に関しては本宅に住んでる子達で交代で行ってもらう。
人により出来ることと出来ないことがあるようだが、皆率先して自分の出来る作業を行ってくれるようで不平不満を言わない良い子達ばかりで助かっている。
それからも全てにおいて順調だ。
まずクレア達に頼んでおいたクロスボウの試作が完成した。
自衛にも狩りにも使え、力の弱い女性でも比較的簡単に扱えるだろうという理由で作ってもらったのである。
弓を引くのに若干時間がかかるのだが、これは信長が行ったように弓を引く者と撃つものを分けることで連射も可能だろと思う。
ただ今のところ連射が必要になるようなことが起こる可能性がない。
自衛といってもこの拠点に大量の敵が攻め込んでくることなど無いはずだし、狩を行うにしてもはずしたら即襲われるというほどの獣もこの辺りには居ない。
外すと逃げられるだけなのでゆっくり弓を引けばいいわけだ。
とは言え誰でも使えるであろう武器を持っておくに越したことがないので量産に掛かってもらいつつ性能を上げるための改良も頼んでおいた。
それと商品として魚の干物が完成した。
冷やす手段の無いこの国で魚を輸送するには完全に水分を飛ばす必要がある。
日本では棒鱈や乾燥あわびのようなイメージで使ってもらえればと思っていたが、塩分が豊富に含まれているためスープの出汁に使うのが一番だという意見が出た。
塩も比較的高価なものなので、刻んだ干物だけで味付けが済むのは経済的にも助かるということだ。
販売予定価格と一食に使う量などを考えてもらった結果、十分庶民の手に届くという意見をもらったので一人を専属にして作り続けてもらうことにした。
材料となる魚を俺の釣りだけで供給してるため現状大量には作れないのだ、その為今後は地引網等を使い魚を捕ることも考えている。
今は二人ほどを担当にして網を編む練習をしてもらってるところだ。