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☆アリシア

前回投稿 2015/2/28

前回のお話 奴隷が増えた。

私は農村で育ちました。

裕福ではありませんが住人が協力することで何とか暮して行けてましたが生産量はぎりぎりでした。

女性の私でも畑仕事は手伝えますが、新たな畑を開墾するには役立たないのです。

そして村の若者には女性が多く今ある畑の維持をするだけなら人が余ってる状況なのですが新たに開墾するための人手は足りない状況でした。

女性が多いということは生まれてくる子供が多くなると言うことで将来をみると良いことなのですが今を乗り切らない事には未来がありません。

そこで食い扶持を減らすことにしたのです。

本来であれば私の様なものを奴隷として売り得た金銭でしのぐと言うことになるのですが、村は特別不作と言うわけでは無く一時的に金銭を得たところで現状が変わるわけでは無いのでその為に奴隷として売るのは不憫だという考えから村を出ることになったのです。

食い扶持が減れば皆の食糧事情も良くなり少しずつでも畑を広げていけばやがては楽になることでしょう。

そうして私を含む女性達は町へとやってきたのです。

町に到着後は各自自分が思うように行動することになってました。

労働ギルドに登録する子も居ましたし、家族のために金銭奴隷となる子もいました。

私は労働ギルドで食べていく自信も無く、かといって家族のために自身を売る覚悟もありませんでした。

そして選択したのが保護奴隷となることでした。

どうせ奴隷になるなら家族のために自身を売った方が良いのは分かっていますが、私の意思に関係なく主が決まりどんなことをされるかわからないのが怖かったのです。

自立することも放棄し家族を顧みず自分の事だけを考えて保護されたずるい私でしたがサーシャ様は優しく接して下さいました。

自己嫌悪に陥っていた私に、自身の幸せを一番に考えることは間違ってないと何度も励まして下さいました。


そんな私にも紹介していただける方が現れました。

サーシャ様が仰るには村に居たことよりも間違いなく良い生活が出来るということでした。

その為にも主となる方の興味を引き心をつかむ行動を取るようにとのことでした。

サーシャ様が仰ることは理解出来ましたので覚悟を決めてお会いしましたが相手の方は私を求めていらっしゃらなかった様でした。

サーシャ様の勧めもあり何とか引き取って頂いた私ですが一緒に引き取られた子は若く可愛かったので不安で一杯でした。

先輩であるユーリさんが綺麗な大人の方であったのも不安を増すことになりました。

そんな私の様子を見てユーリさんが提案して下さいました。

今は形骸化している奴隷使役の決まりを持ち出してご主人様にじっくり見ていただき興味を持っていただいてはどうかとのことでした。

正直恥ずかしかったですが本来は奴隷として受け入れないといけないことです。

決まりを守らなくても確認ができず、その為罰則も無いというだけで決まりは決まりです。

そう思うと恥ずかしさも少しは減りユーリさんの提案に乗ることにしました。


その結果ご主人様は私を可愛がってくださいました。

まだご主人様に異性として好意を持ってるかと言われると、はいとは言えませが居場所はできたと感じることはできました。

それにご主人様に可愛がられることは嫌ではなく嬉しい気持ちになれましたので、これからは自分のためにもご主人様のお役に立てるよう頑張りたいです。




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