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VRMMO『剣と魔法の勇者たち』 ~消えない絆~  作者: ちか(カランコエ)
5/6

袖振り合うはとある日、多生の縁で

ぎりぎり8日になってしまった・・・・・。


えー、コホン。


遅れてしまい申し訳ありませんでしたぁーーーーーーーー!!

詳細は活動報告へ書いておきましたが、今回かなり難産で、


かなり駄文です・・・・・。


こんなのでよければ読んでいただけるとうれしいです。


~前回までは~


メウと仲間になったよ!以上!!


≪爽やかな風がまるで海のように果てなく広がっている草原の草花をゆらす。

魔獣ですら欠伸をするような暖かく平和な午後1時過ぎ。

そんな中、つい数瞬前までは平和な世界を満喫していた足元の草を残酷にも踏み潰しながら進む2つの影。

――そう、フウとメウの2人である≫


「悪者みてえに言うな!」


どうやらメウは私のナレーションに不満があったようだ。


≪実際足元の草からしてみれば自分達を踏み潰してもなんとも思わない極悪人だろ≫


「・・・いやまあ、そうなんだけども。だからといって草原を歩くのに草を踏まずに歩くのはほぼ不可能だろ」


困り顔のメウは「それに」と、言葉を続ける。


「時々忘れかけるが全部仮想現実(プログラム)じゃねえか」


その言葉に反応をしめしたのはフウ。

グイッとメウに顔を近づける。



「茶番なんかじゃない!!たとえ仮想現実(プログラム)でも、確かにここに魂はあるんだ!!」

「足元の花思いっきり踏みにじりながらんなこと言われたって説得力皆無だかんな?」



なんかかっこいい事言ったフウに、メウは冷静にツッコむ。

ちなみに現在進行形でフウに踏みにじられている花は哀れにもその花弁を順調に減らしていた。


「「・・・・・・」」


お互いに何も言わないまま数秒の時が過ぎ、何もなかったかのように再び歩き出した。

おそらく続ける言葉が見つからなかったため今までの会話はなかったことにするのだろう。


「しっかしこのフィールドは平和だなー。あの大群以降、魔獣に一度も遭遇しねー」


「あの大群でかなり数を減らしたせいかなぁ?」


≪いや、それは違うんじゃないか?≫

≪必ずフィールドには一定の数の魔獣がいるようにできてるし、30分も歩いて1度もエンカウントしないのはさすがにおかしすぎる≫

≪もしかしたらなんかバグみたいのが発生したのかもな≫


私達の間にちょっとした不安がよぎるが、それは次の瞬間に現れた魔獣の存在によって払拭されることとなった。


「「「「「GUOOOOOOOOOO!」」」」」


フウとメウの上空へ現れたのは5体の魔獣。

だが、その姿はこのあたりでよく見かける犬を大きくしたような姿ではなく、ガーゴイルのような姿をしていた。


「なんてぃこった」


思わず頭を抱えてしまうメウ。


だがそれも当たり前だと言えば当たり前なのだろう。なぜならこのガーゴイルのような姿をした魔獣は、全てLV30の魔獣。

メウとフウでは強さに差がありすぎる。

どれくらい差があるかと言うと小型犬と大型犬くらい差があるな。


「あー・・・これはさっきの戦闘で引きずり出しちゃった感じかなぁ?」


あははーと苦笑いを浮かべながら言うフウ。


『時計台の丘』の東に広がるこの草原は、LV1や2の魔獣の出現率が高い・・・・・だけではない。

なんと魔獣を一定量以上倒すとLV30の魔獣が出てくるという謎すぎるオプションがあるのだ。


「不幸だな。不幸だ。魔獣の大群の次はLV30の魔獣か。私に死ねと言ってるのかこのゲームは」


「私HP一桁だよぉ・・・・」


先ほどの戦闘の戦利品でまさかのHP回復薬がなかったフウとメウのHPは危機的状況に陥っている。


さらに、最悪なことにガーゴイルがこちらに気づいたようだ。

開いた口にチャージ中の火球がある。


「「・・・・・・逃げよう。全力で」」


≪倒置法使うほどのピンチだな≫


敵に背を向けるのは自殺行為だとよく言われるが、全力で逃げる場合はむしろ相手に正面向けてるほうがダメな気がする。

ってな訳でフウとメウはガーゴイルに背を向け走り出す。方向は気にしない。逃げきれるかどうかが重要なんだ。


「幸いなことにガーゴイルが出てる間はこの草原に他の魔獣は出てこねぇ!今はひたすら走れ!!」


「了解だよ!!」


逃げる二人を追うガーゴイル。


≪あれだな。フウは鬼ごっこに好かれてんだよ。生死を分けるような鬼ごっこに≫


「うわぁ・・・・嫌なものに好かれたな、フウ」


「泣くよ!?しまいには泣くよ!?」


≪もう泣いとるがな≫


フウはキラキラと水滴を後ろに残して走る、走る、走る、転ぶ・・・・・っておいっ!!


「あっ・・・・」


フウの視線の先にはチャージを終えたガーゴイルが【ファイヤ】以上の大きさを持った火球を撃ちだす姿。


慌ててメウが魔法を発動させようとするが、一番MP消費量の少ない【ファイヤ】ですら発動できないほどのMPしかない。


「やっちまったぜ☆」とでも言うように満面の笑みをメウはフウに向けた。

フウの冷たい目が火球に飲み込まれて・・・・・





「これはもしかして俺、ヒーローって感じか?」






・・・・・いかなかった。とある1人の男の介入によって。


火球を受け止めたのは大きな手裏剣。

黒い忍装束に身を包んだその男は、5体のガーゴイルを前に余裕の笑みを浮かべた。


「はぇ?」


絶望的な状況から一転。見知らぬプレイヤーに助けられたフウは状況が掴めず間抜けな声をあげた。


「ヒーローはヒーローらしくサクッと敵を倒すのが役目だよな・・・・よし、ちょっと待ってろ。俺がサクッと倒してくるからな」


1人で勝手に納得したその男は、ガーゴイルに「よっ」と軽いノリで手裏剣を投げた。

何の変哲もない、ただの物理攻撃。


それだけで、5体の魔獣は崩れ去った。


「テラ強ぇwwwww」


同時にメウは壊れた。


≪まあ、一度の攻撃で全滅させたらそりゃ壊れたくもなるわな≫


LV30の魔獣を5体、物理攻撃一撃で全滅させるんだから・・・・・まあ最低でも倍の60以上はLVが必要だな。たぶん、きっと、おそらく・・・・・・・・だといいなぁ。


「え、えと・・・・ありがとう・・・ございます」


ようやく状況を理解したフウはわたわたと立ち上がり、男に頭を下げた。


「礼にはおよばねえよ。この辺でガーゴイルと戦闘するなんてレアな体験させてもらったしな」


男はそう言って笑う。

フウは「で、でも助けてもらったんですから何かお礼させてください」と食い下がるが、結局押し負けて「そうですか・・・・」と引き下がった。



「あーなんかアレだな。王道小説でありそうなヒーローとヒロインの出会い方だなありゃ」


≪ヒロインをヒーローが助けるとか王道過ぎて困るな≫


談笑しあう二人は完全に二人だけの世界を造り上げてしまっている。

外側のメウは1人死んだ顔でその様子を見ていた。


「物理攻撃の一撃だけで全滅ってすごいですね~」

「まあこのゲームはかなりやりこんでるし、比例してLVは上がってくもんさ」


等々。お互いの名前も知らないままによくこんだけの会話ができるなと思うこと約5分。


「もしよかったら・・・・・・私のパーティーに入ってくれませんか?」


ついにフウは男を勧誘した!!

名前知らねぇのに!!


「・・・・・生憎だが今はソロプレイヤーでいたくてな。せっかくのお誘いだが、断らせていただくよ」


男は本当にすまなそうな顔をしてフウの勧誘を断る。

フウも入ってくれるとは思っていなかったようであっさり引き下がった。


≪・・・・おい、なんなんだよこの空間は。フウが別人に感じるぞ!?≫


「恋は人を狂わすもんさ」


≪それでキャラまでぶれ始めたのか・・・・・・ってフウ恋しちゃったの?ゲームの中なのに?≫


「顔も声も知らない人と恋しちゃうのがオンラインゲームなんだ」


≪・・・・・さっきからなんでそんな哀愁漂う顔で言うのさ≫


「リア充爆発しろ」


≪フウの片思いだと思うのは私だけなのか・・・・・?≫


そんな私とメウの会話に耳をかたむけることもなく、フウは二人だけの空間を徐々にピンク色へ変化させようとしていた。


何度も言うようだが男の名前まだわかってませんよー?

自己紹介だってやってないでしょうが。


「さて、俺はそろそろ行くことにするよ。旅の邪魔をいつまでもするわけにはいかないからな」


しかし、別れは来るもの。男はそう言うと、地面に刺さっていた手裏剣を抜き、背中に背負った。


「待ってくださいっ」


そんな男の服の端を掴んだのは誰だこいつなフウ。

涙目+うわめづかいという二次元で男をうっと言わせる表情で男を見るその姿はまさに誰だこいつ。


私の知っているお気楽能天気マイペースなフウはどこへ行ってしまったんだ!!


「・・・・・どうした?」


顔赤くしてんじゃねえよこのうっすらハゲ!!

将来髪なくしてツルッツルになっちまえばいいんだ!!


「あ、あの、私の名前は『フウ』と言います・・・・・・あなたのお名前は・・・・・?」


≪いやぁーーーーーーーーーーーーー!!

 フウ!!こんなけだものの名前なんて聞かなくていいんだよ!!?というより金輪際関わらなくていいんだよ!!これ以上キャラを破壊していかないでぇーーーーーーーーーーー!!!≫


「ある意味一番壊れてんのお前じゃねぇ?と思ってしまった私に罪はない」


しかし私の必死の叫びも別世界の二人に聞こえるはずもなく、男は「そういや自己紹介もしてなかったな」と前置きして、




「俺の名前は『サスケ』。あちこち放浪してるからまた会ったときはよろしくな」


「うん!よろしく!!」




フウとサスケはどちらともなく手を伸ばして握手する。


「私ら完全に忘れられてるよなー」


≪言うなよメウ。しまいにゃ泣くぞ?≫


「泣くんかい」


早く去ってくれサスケとやら。

私達空気と化してるから。


「それじゃあな~」


「また会いましょ~」


「次から敬語じゃなくていいかんな~」


「うん~。わかった~」


フラフラと手を振り合いながら気の抜けた声で別れの挨拶をするサスケとフウ。


≪なんで急に気の抜けるような声になってんだよ≫




「ほら、少女マンガみたいな会話って疲れるでしょ?」


「≪今までのキャラ崩壊会話わざとかよ!!≫」


「(。-∀-)ドヤァ」


「≪ドヤ顔ウザス≫」




























そんなこんなで変な人に出会ったな・・・・・。

・・・・・・ん?サスケってまだ私と天の声の名前知らなくねぇ?

・・・・・まあ、会わない可能性が高いしいいだろ。


キャラ崩壊してないのはメウだけという・・・・・。


~次回予告~


「着きましたよクゴジ村!!」


舞台はとある村


「・・・・!テメェは・・・・・」


新たな出会いは再会から


加速する出会いは始まったばかり


超ハイスピードバトルコメディー


「剣士はとある日、仲間を見つける」

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