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VRMMO『剣と魔法の勇者たち』 ~消えない絆~  作者: ちか(カランコエ)
2/6

始まりはとある日、自分の意思で

せ、セーフ!!

何とか更新できました!!


~補足~


「」アバター同士の会話

()思考

≪≫天の声の発言

《》天の声以外のプログラムの声


この作品は天の声の一人称作品です。

幻想遊機ドリエリア専用オンラインゲーム『剣と魔法の勇者たち』。

その正規サービスが始まったのは平成28年5月8日。幻想遊機の発売から約3年の月日が経過してからだった。

魔王を倒す典型的なRPG。その舞台は剣と魔法の世界『デステリアル』。

それぞれ剣を持ち、杖を持ち、今日もこの世界へと降り立つ・・・・・・



                          ☆




《ログインが完了しました。ようこそ!“デステリアル”へ!》


データにしては人間味のあるアナウンスと共に、丘の上に現れたのは一人の少女。

アバター名は『フウ』。


動きやすさを重視した真っ黒な服は上下に分かれており、時折やや短めに設定された上の服から透き通る様な白い肌が見え隠れする。

腰には短刀とポシェットがつられており、

頭には『忍』と書かれた鉢巻がまかれている。

肩よりもやや上の部分で切りそろえられた銀色の髪を風になびかせながら、フウは辺りを見渡した。


「ここがゲームの中かぁ・・・・・。とてもそうには見えないなぁ・・・・・」


髪の色と同じ・・・・・だが髪よりもわずかに黒みがかった色の瞳は、好奇心でキラキラと輝いている。


≪・・・・・・・でも、右目だけ前髪伸ばして隠して、口元は黒い布で隠すって・・・・・・厨二的雰囲気を感じるよな。てかそれ以前にお前は某遅刻忍者かって言いたくなる≫


「いやさ?・・・・・髪型はその隣のもっと髪が長い普通の髪型の方が良かったんだけどね。操作ミスってこんな感じに・・・・・。やっぱなれない機械を使うのは難しいなぁ・・・・・・・・・・・・・って誰?この声」


≪普通に返答してるからおかしいなとは思ったが・・・・・まさかノリツッコミを狙っていたとは・・・・なかなかやるな≫


「いや、狙ってないんだけどね?それ以前にツッコミですらないんだけどね?」


≪ま、いいじゃん。そんなこと。

・・・・・で、私なんですが。『祝!一千万回ログイン記念』の特典として、より人間味溢れるナレーターがつきました。私のことは“天の声”とでも呼んでいただければ≫


「おお~。なんかラッキー?」


≪ん~どうだろう。仲間がいない間は一人じゃなくていいかもしれないけど、ただナレーターが機械っぽくなくなっただけだから微妙だろうな≫


「いいんだよそれで。さっそく新しい仲間ができたんだから!これからよろしくね!!」


≪べ、別によろしくしてあげないこともないんだからね!!≫


「ツンデレウザス」


                               ☆


「・・・・さて、確認だけど、今いる場所は私が最初に設定した『時計台の丘』であってる?」


≪あってるぞ≫

≪右側に時計台があるだろ?あれがこの場所のトレードマークみたいなものだな≫

≪セーブポイントもあの時計台の下だ。ただ、時計台のなかに入るにはLV30以上にならないといけないからLVを上げてからまた来るのがいいだろうな≫


「ん、わかった。ありがとう」


そう言って笑うフウだが、あいにく顔のほとんどが隠れているためわかりにくいことことこの上ない。


「よし!それじゃ、お仲間探しにでも行きますかぁ!!」


≪そうだな≫


私がそう返せば丘をぐるりと囲むようにして存在する森の向こう側に小さく見える村を目指して意気揚々と歩き出すフウ。

しかし、その行く手を阻むものが。



「グルァ・・・・・」



丘から下りてきたフウを待ち構えていたかのように現れる3匹のこぶ・・・・じゃなくて魔獣。


「・・・・・これはイジメですか?」


≪いいえ、ただの偶然です≫


「あぁ・・・・・なんというアンラッキー」


思わず天を仰ぐフウ。


≪・・・・・ところでフウ、魔獣については覚えているか?≫


「一応説明の項目にあったからね。確か、LV1~LV100まである魔王が生み出したとされる獣・・・・・だったよね?」


≪うん。大体そんな感じ≫

≪さらに詳しく説明するなら闇の魔術と呼ばれる魔王特有の魔法で生み出された獣で、LVによって強さが分かれる。姿形はLV1~10までは真っ黒の狼のような形をしているけどLV11からはそれぞれの強さや能力によって姿が変わっていく。例外を除いて物理攻撃も可能だから、一定のダメージを与えれば魔力を維持できなくなって砕けて消えるよ≫


「なるほど。んじゃ、がんばりますかね~」


≪・・・・・といっても今回の戦闘はチュートリアルモードが最初に入るんだけどね≫


「先に言おうよソレ。だから説明が終わるまで律儀に待っていてくれたんだ」


≪そうゆうわけです≫


                         ☆


《では、これより戦い方を説明します》

「よろしくおねがいします?」


《まず、このゲームにはチュートリアルモードを除いて戦闘フィールドは存在しません。

町や村などの特別な場所以外はたとえ戦いの最中であろうとも、別の魔獣やPC(プレイキャラクター)が乱入することが可能です》

「つまり戦うため専用の場所がないってことだよね?この場でそのまま戦うから誰かか乱入することが可能だと」


《次に、肝心の戦い方ですが、これは現在目の前にいる魔獣を用いて説明します。

腰にある短刀を抜いて構えてください。》

「ん、わかった」

返事をしたフウは腰から短刀を取り出した。


≪では、次の説明に入ります。

あなたの職業は白兵戦タイプ・・・・つまり前衛ですので基本攻撃は打撃、斬撃などの物理攻撃になります。これは、単純に現在の筋力、攻撃力と敵の防御力によって相手に与えるダメージが計算されます。

基本攻撃には消費するものは何もありませんので、MPなどを気にすることなく攻撃し続けることのできる唯一の攻撃方法です。

武器が敵の体に当たれば攻撃が成功したものとして扱い、急所に当たればクリティカルヒットとなります

チュートリアルのため、敵は動きません。基本攻撃を行ってみてください。≫

「あいよ。・・・・せいっ!」

フウは手に持っていた短刀を逆手に持ち変えると、魔獣の体へ思いっきり振りぬいた。

ザシュッ!

と、刃が肉を斬る音がすると、魔獣の傷口から真っ黒な血液が溢れ出てくる。


「っと、手ごたえはあんまりないな。肉を斬ったって言うよりも、紙を切った感覚に近いかな?」

≪肉を斬ることに快楽を覚えると危険ですので。傷口や、血液なども現実(リアル)を忠実に再現するのではなく、ファンタジーを織り交ぜた設定になっています。≫

「なるほどな・・・・・確かに血は色水みたいでさらさらしてるし、匂いもない。傷は表面にあるだけで中の肉とか骨だとかは見えないんだな」

ほうほうと感心しながら魔獣を観察するフウ。


≪次は特殊攻撃・・・前衛の場合は『技』と呼ばれるものですね。特殊攻撃は使えば使うほど“熟練度”と呼ばれるゲージがたまっていきます。熟練度が一定の値を超すと『達人』となります。達人になるとクリティカルの確率が高くなったり、その技の攻撃力が大幅にアップします。また、職業や、持っている武器によって熟練度の上がり方や、適性が分かれていきます。適性について例を挙げるならば職業が 『剣士』のプレイヤーが適性『打撃』の技を使用することは可能ではありますが、職業『拳闘士』と比べて達人となるまでの時間は2倍以上要します。≫

「な、なかなかに難しそうだね・・・・」


≪今回は武器が刀である『忍者』が職業なので、適性が『斬撃』『二刀』の技、『十字斬り』の使用します。なお、この技はチュートリアル後も使用することができます。消費MPなどについては後に確認してください。≫

「りょーかいしたよっ」

もう一つの短刀を取り出し、両方の短刀を普通に握る様に構えるフウ。


≪『技』は技名を言うか、開始動作を行うかのどちらかで発動します。開始動作は達人になると覚えることができるようになります。

では、『十字斬り』を魔獣に使用してください。≫

「OK、じゃ・・・・・・行くよ!」

スタートダッシュを決めると一気に魔獣へ近づき、


「『十字斬り』!!」


フウがそう言うと同時に、二刀の短刀が銀色の光を放つ。

まず左手を右から左に振りぬき、次に右手を上から下に振りぬく。

正面から十字に切り裂かれた魔獣は「ギャウッ!」と、短く悲鳴を上げると、シャアァァァァンと、ガラスが砕けるように消えていった。


≪これでチュートリアルは終了です。このチュートリアルはナレーターから何度でも聞くことができます。≫

「ありがとうございました」


                           ☆


「さて、チュートリアルも終わったことだし、本番といきますかぁ」


チュートリアル専用の戦闘フィールドから戻ってきたフウは3体の魔獣と対峙する。


「「「ガァ!!」」」


三方向からフウの正面に飛び込んでくる魔獣達。


「単純すぎるよ!!」


フウは短刀を魔獣が射程内に入った瞬間に横薙ぎに振るう。


「「「ギャンッ!!」」」


短刀は魔獣の鼻を切り裂いた。

驚いた魔獣は一度フウから離れる。


「む。やや浅い・・・・」


動く敵とは初めての戦いのため、目測を誤り魔獣の傷はそれほど深くない。

しかしフウは「まあいいや」とつぶやくと余裕の笑みで魔獣を見つめる。


「・・・・来なよ、犬っころ。LVのための踏み台にしてあげる」


明らかな挑発、フウの言葉を理解したかは分からないが、一匹の魔獣が再び飛び込んでくる。


「単純、単調!学習しなよ犬っころォ!!」


跳躍。魔獣よりもやや上へ。


「くらえっ!」


着地した魔獣の首を上から突き刺す。

と、同時に砕け散る魔獣。


「まずは1匹目っと」

短刀を軽く振るって血を払う。


「「グルル・・・・」」

うなる魔獣は仲間を殺されて怒ったか。その瞳は先ほどよりも明らかなる敵意が。


2体の魔獣はフウへ走り出し、その前足を振り上げた。

フウは左右から迫る鉤爪をバックステップでかわそうとするが、LV1では思うように体が動かず右腕に浅くはない傷をつくる。しかし、フウはそのまま短刀を2体へ投擲。

左の魔獣は頭へ命中しそのまま砕け散る。

右の魔獣は狙いを大きくはずし、前足へ突き刺さった。


それでも痛みでひるみ、隙だらけの魔獣へフウは走り出し、思いっきぶん殴った(・・・・・)


シャアァァァァァン!


砕け散る魔獣と自身のゲージにたまる経験値を見て満足げにうなずいたフウは他に敵がいないか確認し、



「完全勝利!!」



うれしそうに、そう言ったのだった。


                         ☆


「ムフフ、どうよ、初めての戦闘にしてはうまくできたほうだと思わない?」


≪あーまあ合格点だろ≫

≪HP10ぐらい削られたから完全勝利とは言いがたいがな≫

≪たださぁ≫

≪ぶん殴って戦闘終了ってどうよ?≫


「・・・・・といいますと?」


≪いや、忍者らしくねーな・・・・と≫


「いいんじゃない?背後から~とか、天井裏から~とか、私には合わない戦い方だし。やっぱ目立ってなんぼだよね!!」


≪ならなぜ職業を忍者にした・・・・≫

≪明らかに忍ぶことを目的とした職業だろう≫

≪目立ちたいなら剣士いけ剣士≫


「長い剣は扱いづらいのだよ」


≪・・・・・・あ、そっすか≫


「そうだよ。・・・・・っと、武器回収しなきゃな~」


私とフウで雑談を繰り広げながら、武器を回収したその時だった。



「たーすーけーてぇぇぇぇぇぇぇ!!!」



助けを呼ぶ、誰かの声が聞こえたのは。






















この冒険は、私とフウが『時計台の丘』で出会い、そこから始まった冒険だ。

目指すべき場所はただひとつ。魔王を倒し、このゲームをクリアすること。

まだ始まったばかりだけれども、きっと、楽しい冒険になる。


私は、そう思うよ。

更新予定日は活動報告で報告していきます!!


~登場人物紹介~


〇主人公

 氏名:フウ  見た目年齢:16  身長:156cm  体重:?


 職業:忍者


 (以下、下からD、C、B、A、S、SS、SSSとなります)

 (変わるたびに後書きにて紹介)


 筋力:D  跳躍力:C  持久力:C  隠密:C


 LV:1  ランク:忍者見習い


 HP:100(現在は90)  MP:20


 攻撃力:20  防御力:20  回避率:3%


 武器:短刀


 容姿↓

 銀髪とやや黒がかった銀の瞳。髪は肩よりやや上の位置で切りそろえ、前髪が顔 を覆い隠すほど長い。左目は前髪を避けているので見えるが、右目は前髪の下。 頭に『忍』と書かれた鉢巻着用。

 口元は黒い布で隠している。

 服は地味に説明しずらい。肩から先がなくて腹だし。

 下はミニスカっぽい感じ。中に短パン着用。


〇ナレーター

 氏名:天の声  正式名称:人工感情搭載テストナレーター“89(ハク)”

 (容姿等はプログラムのため無し)



~次回予告~


「嫌な予感がするんだもん」

 

展開は唐突に

 

「我が人生、一片の悔い無し!!!」


危機は急激に


新たな出会いは運命的に


超ハイスピードバトルコメディー


「出会いはとある日、運命的に」

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