Never give up!
私は、いつも王子様みたいな、そんな人気者の男子ばっかりを好きになってしまって。
まあそれは、絶対に叶うわけない恋なわけで。
何回も、何もしないうちに失恋ということがあった。
だから私は決めた。
「好きになりそうになったら、離れる」
自分が傷つくだけだから。それなら、仲良くならない方がいい。
最近はずっとそれを貫いてきた。
…なんだけど……
「桜子! 帰ろーぜー」
「あ、うん…」
私は、「宮瀬 桜子」
今、一緒に帰ろうとしているのは、「槇原 裕樹」
成績優秀、スポーツ万能、そして超かっこいい、なんともマンガみたいなお方で…
それで例のごとく、私は避けようとしているのだけど。
クラスも一緒、委員会も一緒、部活も一緒、おまけに帰る方向まで一緒というわけのわからない縁のせいで、避けように避けられない……
「そうだ桜子! 今日俺、試合でシュート決めたから、ポテトおごりなー?」
「えっ!? 昨日のマジだったの?」
「もちろん! はい、駅ついたから降りるよー」
「もう…」
しかもこんな調子で、ノリでマックとか行っちゃったり…
これじゃあ、好きになっちゃうのも、時間の問題。
「じゃ、また明日!」
「うん、じゃあ」
ふう。今日を乗り切った。
もう最近では、一日中気を張ってないとやってられない。
大体、裕樹彼女とかいないのかなぁ?
まあ、こんなに私と一緒に帰っちゃったりとかしているから、いないんだろうけど。
こんな完璧な人を、女子たちがほっとくわけないはずだけど…
とか思っていた矢先。
私は、裕樹への告白の現場に出会ってしまうのであった…