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10 years after 2

その、ある日の朝…


いつものように学校に来て、教室へと向かっていた。


「あっ、莉子!!」

「あ、おはよー。どうしたの?」

同じクラスの友達に声をかけられた。


「ねえ、莉子、何したの!?」

「? …何、って…?」

いきなり声をかけられたかと思ったら、いきなりすごい剣幕で問い詰められた。

「まだ会ってないの? じゃあ早く教室行ってみなって!」

教室…? 教室に何があるの? というか、私に関係あるの? わけわかんないんだけど。



わけのわからないまま、私は職員室前を通りかかった。

「あ、山室! ちょっと」

担任の先生に呼び止められた。

「何ですか?」

「お前…何したんだ?」

…は? また?

「あの、本当、何なんですか? 私何もしてませんけど」

「そうなのか? ああ、うん、ならいいんだが……」

何この歯切れの悪い感じは!

「もう、何ですか? 何があったんですか!」




「それ、俺のこと?」



「えっ?」




先生を問いただしていた時、後ろから声がした。

そして後ろにいた人は…




…誰ですか?



それが第一印象。驚いて声が出ない。



「あ、浅倉…?」

やっと出た言葉がこれだった。


驚くなって方がムリだ。


だって私の目の前には、黒髪になり、ピアスもはずし、制服をきちんときた浅倉がいたんだから。


「そう、浅倉だよ、委員長」


いつものようにニヤニヤしている浅倉。

その顔を見て、やっと浅倉だと確信が持てた。

それほど、浅倉は豹変していた。



……




しばらく、黙って見つめてしまった。

「…なんだよ、やればできるじゃん! そのまま、普通に授業受けてよね」

なんとか落ち着きを取り戻したた私は、口を開いた。

「じゃあ、私、教室行くから、浅倉もちゃんと来てよ!」

そう言って、歩き出した。とりあえず、ここから逃げて、状況を整理したい!


「おい委員長!」

「!?」

その瞬間、浅倉に腕を掴まれた。


「な、何よ…?」

びっくりして声が裏返ってしまった。


「…俺のこと見て、何とも思わないの?」


…はぁ? 何の話? 何、かっこよくなっただろ、とか言いたいのか…?

でも、いつになく真剣な顔してる……


「やっと人の言うこと聞いてくれるようになったんだなぁって思ったけど?」

何が聞きたいのか、全くもってわからなかったけど、思ったことを、そのまま言ってあげた。


「そうじゃなくて!! ……もういい…!」

そう言っていきなり走り去ってしまった浅倉。


「えっ、何? ちょっ、浅倉!? もうすぐHRなんだけど!」


何? 私何かまずいこと言ったの?

ってか、何とも思わないの、って何…?


もういい、って。こっちはよくないっつーの!!














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