第一物語・しあわせ村
ザー ザー ザー雨の中タクシーは走り続ける。
冬。大雨の中、タクシーが走っていた。
中には運転手と9歳くらいの少女。
「譲ちゃん、名前なんて言うんだ?」
「「ラン」です」
少女は答えた。
「ランか・・ランって花言葉知ってるか?確か・・・美人だったような」
「そうなんですか」
ランは、眼を大きくした。
「ところで、ランちゃん。どこへ行くんだっけ?」
「えっと・・「しあわせ村」です」
「しあわせ村か〜・・あそこはいいところだよな〜・・ランちゃんはあそこのどこが気に入ったんだ?」
運転手は雨だというのに、後ろを向いて話した。
「え・・・やっぱり、海・・・とか?」
「海か〜そうかそうか。やっぱりな」
そう言うと、運転手は前に体を向け、運転をした。
「おっ、そろそろ「しあわせ村」に着くぞ。ちょうど雨も上がってきたところだし・・」
『しあわせ村へようこそ!』と看板に書いてあった。
キキー!
ブレーキ音が鳴り、タクシーは停車した。
バタンと、タクシーのドアが開く。
ランはイキオイよく飛び出す。
「わあぁぁぁっ!」
ランは辺りを見回し、感性の声を上げた。
あたり一面は、雪景色。
木がいっぱいあって、その上にも雪が乗っかっている。
でも、梨が生っている。
「おーい。役場はそこだから、話しっかり聞いて早くこの村に慣れるんだぞ!」
「はーい!」
「それじゃあ、また!」
そう言って、運転手はどこかへ去っていった。
ランは、真後ろにあった役場のドアを開けた。
カラン・コロンとドアにつけてあった、鐘が鳴る。
「いらっしゃい。えっと・・ランさんね。こちらですよ」
受付の人が、柔らかい微笑を浮かべて、手招きする。
ランは、二つのコーナーがある机の左側へ向かった。
右側は、手紙のマークが書いてあるマットがしいてある。
「改めていらっしゃい。ようこそ「しあわせ村」へ。まずしあわせ村について少しお話をします。この村は小さい村です。そして、人数も多すぎては困るので、最大8人しかこの村にはすめません。ちなみに、あなたとお店関係の方々以外の方はランダムに引っ越したりします。では、まずあなたのおうちへいってください。えっと・・」
役場のお姉さんは、近くにあった箱を探り出す。
だが、目的のものが見つからないのか、後ろのほうまで行く。そして、最終的に、
「村長さん!地図はどこにあります?」
「地図?それならここじゃ」
40代前半の「村長」と呼ばれた優しそうな男が、立ち上がりお姉さんに箱を渡す。
「あぁ、ありがとうございます」
お姉さんは、ランに箱の中身を渡した。
「はい」
ランは手のひらサイズの、機械を渡された。
「それは、村の地図・日時・道具・お金・友達リスト・電話機能・他多数が入っている、機械。「楽々携帯機械」略して「R・K・K」です!」
「あ・・R・K・K・・・ですか?」
「そうよ。そこに個人設定を入力するアイコンが出てるでしょう?それをタッチして・・ペンは後ろについているわ。それで、名前・性別・誕生日・好きな色・好きな音楽のジャンル・好きな食べ物を入力するの」
「・・・・?」
意味が分からないまま、入力していくラン。
すべてが終わったとき、鐘が鳴った。
「ありがとう。この鐘は五時の合図なの。この後、センリさんに頼まれてランさんをお店に連れてくるよう頼まれているの」
お姉さんはそう言って、さっきランが入力したデータをパソコンに移し返した。
「村長!ここまで終わりました。後は、帰ってからやります」
「OK・早く行ってきなさい」
「はい」
そして、ランはお姉さんに連れられて、センリという男の店にいくことになった。
騒がしい、村の生活!ランはどうなる!?