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第11話 親選択

「今から親が欲しいものの集計をする。メールを送るから回答してくれ」

 

 自分のことは自分でできる。そして、ほんとうの母親でなければいらない。僕は必要ないというボタンを押す。

 

「氷室はどうした?俺は母親をもらおうと思うんだ」

 

 絶対的に自己管理ができなさそうな彼はそれが得策だと思う。

 

「僕は自分のことは自分で管理できる。君はそれでいいんじゃないかな?だけど僕はまだ君のことをあまり深くはしらない。結局いまの時点では自己判断を優先すべきだよ。そんなこともわからないのかい?中川くん」

 

 と言ったあと、つけてもないのにメガネをくいっとあげる動作をする。彼は顔に怒りを表していたものの、意見には納得した様子であった。

 

「親を迎え入れる選択をしたものは今から指定された場所に向かってもらう。だがその前に電子機器の回収をおこなう。外部から仕入れたものは使用不可というルールがあるんだ。了承してくれ。このあと家電量販店に行って買ってもらう分には問題ない。一人ずつ前に全ての荷物を持ってきてくれ」


 

 すると、早川は金属探知機を取り出した。一人一人調べるがみんな先に電子機器は出してるので最後まで反応することはなかった。

 そしてクラスの大半が教室から出ていく。残ったのは10人といったところだ。今の時間を確認する。11時半。





 




 俺は指定された第4校舎の3階へと向かう。周りに人がたくさんいるからそれについていく。空き教室の扉を開けると階段が用意されている。


 そこには、さっきみた校長の姿があった。電球が何度も点滅する。風も吹いていないのに電球が揺れる。


 きっと下には深い闇があると俺は感じた。

 

「この下に行く覚悟がある奴はいけ。ない奴はいかないでもよい」

 

 その一言で周りがざわつき始める。覚悟あるないに関わらず、俺には母親が必要な状況に変わりはない。


恐怖はもちろんある。だけどそれに呼応するように好奇心が身体を地下へと導いてくれる。

 

「俺は降りる。母親が必要だからだ」

 

といい階段を降りていく。一歩一歩に焦りを隠せない。先頭の恐怖は後ろの2倍は絶対にある。

 

「中川くん。俺たちもいくよ」

 

 そのあとに何人か続けて降りてきた。結局そこに残った者は誰もいなかったらしい。

 

「今から親を選んでもらう。母親は左側、父親は右側へ進んでくれ。両方を選んだ場合は先に右側に進んでもらう」

 

 大体は母親を選んでいるみたいだ。そして俺も左側へと進んでいく。そこには大量のお母さんたちがシェルターに入っていた。生きているかもわからない状況。


心拍数がどんどん増し、早くここから出たいと脳が危険信号を出している。一体この学校は……。


寝ている横には札があり、名前と特徴が書いてある。特徴はほんとに些細なレベルだ。そして選択したのは結局一番母親に似ている人だった。


 周りもきっと同じ選び方をしているだろう。

 

「今日、帰る頃にはもう親として君たちの家にいるだろう。母親の連絡先を今からメールで送る。もらったものは各教室に帰るように」

 

 そして、俺はAクラスの教室へと戻っていった。


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