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途絶した警告

AIとの共同執筆です。

「……まだだ、まだ……いける……ッ」

冒険者ジークは、たった一人でダイアウルフの群れに囲まれながら膝をついて荒い息を吐いていた。

状況は最悪だった。

左腕は肘から先がなくなり、腹部からはドス黒い内臓が滑り落ちている。視界は半分赤く染まり、指一本動かすだけでまるで火箸を押し当てられたような激痛が走る。

しかし、ジークには秘策があった。

彼のポーチの中にはなけなしの全財産を叩いて買った「究極のポーション」がある。

だが、デルフはそれを飲めなかった。

HP(そんな数字、この世にはないが)が半分くらいの時にこんな高価なもん使うのはもったいない。

そう、彼はケチであった。

極限状態でも染み付いた貧乏性が、彼にギリギリまで粘る、という選択肢を取らせていた。

しかし、ついに「もう流石に限界だ!これ以上はやばい!」と細胞が叫んだ瞬間、彼は震える手でポーションを一気に煽った。


「……あ……ああ、あはははは!」


劇薬が脳を直撃した。

数秒前までの地獄のような激痛が、一瞬で霧散する。

「うおおおおおおおおおおお!!!!!!

軽い! 軽いぞ!!!すげえ、傷が治った! 腕も、腹も……痛くねえ! これが…100%の力…これが究極のポーションの力か!!!!」

デルフは立ち上がり、狂ったように剣を振り

回した。

失った左腕の断面からドバドバ血が噴き出していることも、剥き出しの腸が地面を引きずっていることも、今の彼には「見えていない」。

脳が痛みを拒絶し、強制的に肉体を最高速度で駆動させている。

「いける……今のオレなら魔王だって殺せるぜ!!!ひゃっはーーーー!!!!」

無敵の万能感に包まれ、デルフが力強く一歩を踏み出した、その時だ。

ドス、と。

背後からダイアウルフの爪が少しジークの背中を削った。

「……え?」

次の瞬間、デルフの体はバランスを崩し、積み上げた積み木がバラバラに崩れるように地面に倒れ伏した。

なんのことはない。

ポーションの正体は万能薬ではなくただの「究極の即効性の痛み止め」だったのだ。

つまり、「治った」のではない。ただただ「痛みを忘れて、死に体を動かしていた」だけだった。

高価な薬は死ぬ瞬間まで戦わせるための、残酷な「延命」ですらなくただの「死の強制労働」だったのだ。

泥の中に転がったデルフが最後に見たもの。

それは、空っぽになった小瓶に書かれた『痛み止め』という文字だった。


もしジークが注意書きを読む殊勝な性格であったならば…彼の運命は違っていたことだろう。


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