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時代

AIとの共同執筆です。

「うわ……かなり古いな……。」

ダンジョンの隅、湿った岩陰にその死体はあった。

装備は既製品。剣は相当長いこと放置されていたようで完全に錆びついている。ギルドの公示板を見れば、どこにでもいる「二流冒険者」の一行で片付けられる、そんな死体だ。

「いつからあるのかわからないけどせめて弔ってあげよう…。」

ゼクスは遺体の前で手を合わせてからカビ臭さに顔をしかめつつ身元確認のためのタグを探すためその懐を探った。

すると、胸ポケットから一冊のボロボロの泥に汚れた日記が落ちた。

「なんだ、これ。……薬の調合書?」

パラパラと捲ると、見たこともない薬の配合や、罠の破壊方法、魔法理論のようなものがびっしりと書き込まれている。

「ふーん。とりあえず、後でギルドに提出するか。」

ゼクスはタグと換金できそうな金品、そして日記を回収し、ダンジョンを後にした。

ゼクスはギルドに戻り、事情を説明し受け付け嬢に一式手渡した。

「うわぁ…随分古いわねこのタグ…今とはデザインも違うわ。かなり昔のものよ、これ。」

「そうなんですね。」

受け付け嬢はパラパラと日記をめくりながら「うん?みたこともない薬ね。あとで念のため解析班の方に渡しておくわ。」と言いながら報酬をゼクスに渡しその日はお開きとなった。

翌日。ギルドへ向かうと、受付嬢が血相を変えて飛んできた。

「ゼクスさん! あれ、すごいですよ!」

どうやら、あの日記に書かれた通りに調合すると、とてつもない治癒力のある薬ができたらしい。他にも、画期的な新理論のオンパレードでギルド上層部はひっくり返っているという。

「え、あの人そんなすごい有名人だったんですか!?」と、ゼクス。

しかし受け付け嬢は少し曇った顔で言った。

「それが…タグも古すぎてギルドのデータベースには名前が載っていなかったんですよね…。相当昔の冒険者の方だとは思うのですが…。」

ゼクスは思い出していた。

あの暗闇に放置され、苔むしていた死体を。

既製品の装備に普通の剣…。

「……日記に名前とかは…なかったんですか?」

「それがなにもなかったのよ…。」

ゼクスは思った。

この日記の持ち主は生きている当時は誰にも相手にされなかったのではないか、と。

そのうち誰かが気づいてくれる。

そう信じて自分が得た理論を書き続けている途中で無念の死を遂げたのではないか、と。自分が生きているうちに、ギルドに提出するために。

だからこの日記はこれほどまで丁寧すぎるほど綺麗に書かれていたのではなかろうと。

けれど、結局それは誰の手にも渡ることはなく、あのジメジメした場所で、持ち主と一緒に腐っていた。

「……あいつは、ずっとあそこにいたんだな…。」

ゼクスはポツリと呟いた。

「きっと…無念だったろうな…誰にも見つけてもらえなくて…気付けてもらえなくて…。」

ゼクスは一人彼を偲んで、泣いた。

受け付け嬢もまたそんなゼクスを見てさきほどの興奮はどこへやら、といった表情でただ黙ってゼクスを見つめていた。


太陽は沈み、その空は昨日死体を見つけたあの洞窟の中よりもずっと暗かった。

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