憧憬の代償
AIとの共同執筆です。
幼馴染の流儀
15歳。ついにその日が来た。
「俺たちも15歳だ! もう冒険者に登録できるんだ!」
アルトの熱弁に、シエラは「えー、ほんとにいくの?」と困り顔だったが、アルトがあまりにもしつこく言うものだから根負けして「……じゃあ、危なくなったら逃げようね。あと、ちゃんとわたしのこと…守ってね?」と念を押し、バルクは「ま、幼馴染で親友の頼みとあっちゃーつきあうしかないか!」と笑いながら。リーナも「しょうがないわね、ま、一年くらいなら付き合ってあげてもいいわよ。」と、各々絆ゆえに頷いた。
周囲の拒絶と託された重み
村の大人たちは本当にアルト達が旅立つ予定であると知るやいなや、「おいおい、正気か!?やめとけって!」や、「悪いことは言わない、村で一緒に芋掘りしようぜ。」「冒険者なんて命がいくつあってもたりねーぜ!」と必死に引き止めた。しかし、それはアルトには逆効果だった。
「大丈夫だって!俺には強運があるんだぜ!」
と、逆にアルトの冒険心を煽ってしまったのだった。
こうなるとテコでも動かないアルトの性格を村人たちは知っていたので、説得を諦める中、リーナの母親はアルトの肩を抱き、真っ直ぐに見つめた。
「アルト、あんたがしっかり守りなよ。いいわね?」
それは娘を託す婿候補への信頼の証だった。アルトは誇らしげに胸を叩き、
「おう!任せて!」と言いながら仲間と共に村を後にした。
おのぼりさんの夢
街の巨大な石造りの正門をくぐった途端、四人は足を止めた。
「うわー……でっけぇ……!」
見上げるような城壁、石畳を叩く馬車の音、溢れかえる人混み。故郷の村しか知らない彼らにとって街にあるすべてが魔法のようだった。
巨大な塔を擁する教会、あちこちにある露店。そして、そこに並ぶ数々の煌びやかな武器や鎧、アクセサリー。
また、村では見たこともない良い匂いの食べ物が並んでいた。
そして何より圧倒的な人の量。
そんな街並みに圧倒されつつも一向は一旦ギルドへと向かうことにした。
「あっちか? いや、こっちかな……」
一向はギルドへの道に迷い、地図を逆さまに持つアルトをリーナが叱り、バルクが荷物を抱えて笑う。シエラは人混みに目を回しながらアルトの服を掴んでいた。
銀色の沈黙
ようやく辿り着いたギルド。
「すみませーん!冒険者登録したくてきたのですが、ここであってますか?」
「はい、こちらで承っておりますよ。」と明るい笑顔と共に返事をした受付嬢。
しかし、アルトの前のめりな瞳を一瞥し、わずかに眉を寄せた。彼女はこれまでに、同じような熱に浮かされた少年が、数週間後には名もなき死体となるのを嫌というほど見てきたからである。
しかし、こういうタイプの子にそういった冒険者の顛末を語ったとて「自分は大丈夫!」と逆に冒険心を煽ってしまい逆に効果なことも多いため、何も言わずに、けれどいつもよりも丁寧な説明をすることにした。
「……ちゃんと、説明は最後まで聞いてくださいね。とても重要なことですから。」
彼女はいつもより丁寧に、しかし強めな口調で規約を読み上げた。アルトが退屈そうに聞き流す一方で、三人はその説明の慎重さに、わずかに背筋に冷たいものが走るのを感じていた。
そして話の締めくくりにと受付嬢は銀色に輝くタグを差し出した。
「おお、綺麗だな!」と、そのタグを受け取るアルト。
彼にはそのタグの輝きがこれからの自分達の輝かしい未来を表しているようで誇らしかった。
ようやく、ここまできたのだ、とアルトは胸が高鳴るのを感じていた。
「そのタグは、決して錆びず、溶けません。持ち主の肉体が形を失ったとしても、遺族に身元を証明するためのものです。だからそれを肌身離さず持ち歩いてくださいね。」
と、説明をする受付嬢。
「ゴクリ……」と息を呑む三人の横で、アルトだけが「上等だぜ!」と笑い飛ばした。
アルトはどこまでも前向きであった。




