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命懸けの初めてのおつかい

AIと共同執筆です。

「たかが薬草取りだろ? 森の入り口付近でササッと済ませて、今夜は酒を飲もうぜ」

新米冒険者の三人組は、軽い足取りで森へ入った。

依頼内容は、都市近郊の森に自生する『アオミ草』の採取。

村の子供でもできる簡単な仕事——。その慢心が、彼らの視界を曇らせていた。

1. 夢中の代償

「おい、あっちに群生してるぞ!」

「こっちにもある! 運がいいな、これなら倍は稼げるぞ」

良質な薬草を求めて、彼らは少しずつ、本当に少しずつ、森の奥へと足を踏み入れた。

下草をかき分け、目の前の緑だけに集中する。

「あと少し」「もう少しだけ奥へ」。

気がついたとき、太陽はすでに傾き始め、周囲の木々はどれも同じような不気味な影を落としていた。

2. 奪われた方向感覚

「……なあ、どっちから来たっけ?」

一人がふと足を止めて呟いた。

振り返っても、自分たちが歩いてきたはずの道は見当たらない。

森の深部は、人の歩いた跡など数分で吸い込んでしまう。

焦った彼らは、適当な方向に歩き始めた。それが致命的なミスだった。

「こっちだ」「いや、あっちだ」と意見が割れ、体力を消耗し、パニックが理性を焼き切っていく。

3. 森の沈黙

夜の森は、昼間とは別の世界だ。

地図もなく、方位磁石も持たず、火を起こす術すら満足に知らない三人は、ただの「迷える獲物」に成り下がった。

寒さと飢え、そして暗闇から聞こえる正体不明の物音。

魔物に襲われたのではない。彼らはただ、一晩中、恐怖に駆られて森の中をぐるぐると歩き回り、力尽きたのだ。

翌日、捜索隊が彼らを見つけたのは、森の入り口からわずか数百メートルの場所だった。

一人は低体温症で、もう二人はパニックのあまり崖から足を踏み外していた。

彼らの背負い袋には、たかだか銀貨数枚にしかならない薬草が、無造作に、そして無意味に詰め込まれていた。

ギルドからの報告と警告

報告番号: G-0801M

事案名: 登録者三名、薬草採取中の遭難による死亡

概要:

初心者向けクエスト「薬草採取」において、対象者が目標に集中するあまり現在位置を喪失。適切な野営装備および帰還能力を欠いていたため、夜間の低温と精神的混乱により死亡しました。

調査結果:

遺体が発見された場所は、街道から視認できる距離でした。しかし、暗闇とパニックは、わずか数メートルの距離を「永遠の断絶」に変えてしまいます。彼らは魔物と戦う前に、自分たちの無知と恐怖に敗北しました。

警告:

全ての冒険者の皆様へ

• 「薬草採取」は戦闘訓練ではない、「帰還訓練」である: どんなに袋を重くしても、生きて門を潜らねば報酬は一銭も出ません。

• 足元を見るな、頭上と背後を見ろ: 獲物を探す時こそ、自分がどこから来たか、目印となるものをさがしそれが常にどこにあるかを確認しなさい。

• 森はあなたを歓迎していない: 森にとって、あなたは「英雄候補」ではなく、ただの「栄養分」に過ぎません。道に迷ったら動かず、明かりを灯し、動かず、救助を待ちなさい。

あなたが「あともう一歩」と無策に踏み出すのを森は静かに見ています。


冒険者に課せられるクエストとは、例えそれが薬草の採取、という田舎村の子供でもできるような簡単な仕事であっても、時に冒険者は命を落とすこともあるのです。



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