空白の第一歩
AIと共同執筆です。
新米冒険者のレオにとって、それは「遠足」のようなものだった。
依頼内容は『初心者迷宮における基本測量と地図の清書』。難易度は最低ランク。ベテランの護衛も二人つき、同期の仲間と笑いながら歩く、はずだった。
1. 測量の落とし穴
「ここが曲がり角、次は直進……と」
レオは夢中で羊皮紙にペンを走らせていた。地図を作るのは大変だが、やりがいがある。
「レオ、遅れるなよ」
前を歩くベテラン護衛の言葉に、彼は「すぐ行きます!」と答えた。だが、その数秒後、足元が「ふわり」と浮いた。崩落ですらない。ただ、長い年月で脆くなった床が、四人の体重を支えきれず、一畳ほどの範囲だけ音もなく「抜けた」のだ。
2. 届かない叫び
四人は数メートル下の空洞へ真っ逆さまに落ちた。
怪我はなかった。だが、落ちた先は、上から見れば「ただの穴」に見えるが、下からは絶対に出られない「蟻地獄」のような傾斜を持つ、滑らかな石灰岩の瓶の中だった。
「おい、誰か! ここだ!」
護衛たちが叫ぶ。だが、初心者のための「やさしい迷宮」は、皮肉にも人通りが少なかった。
三日が過ぎた。
水も食料もない。絶望の中、護衛たちは「せめて若いお前たちだけでも」と、自分の肩を台にして、レオと同期の少女を上へ押し上げようとした。だが、空腹で力が入らず、あと数センチというところで全員が崩れ落ちた。
3. 完成した「遺書」
一週間後。
レオだけが、仲間の死体を枕にして生き残っていた。
彼は、真っ白だった地図の裏側に、動かなくなった仲間の特徴、彼らが最期に遺した言葉、そして自分がどれだけここから出たいかを、震える字でびっしりと書き込んだ。
「地図を作る」という彼の最初の仕事は、奇跡的に通りかかった別のパーティーに彼が救出されたことで、最悪の形で完了した。
救助隊が彼を見つけた時、レオは自分を助けるために死んだ三人の死体に囲まれ、完成した「地図」を抱きしめたまま、虚空を見つめて笑っていた。
ギルドからの報告書
番号ーG2311VM3C0
事案名: 登録名レオの初心者迷宮における「閉鎖空間孤立生存事案」
【概要】
難易度の低い迷宮において、床の自然崩落により一行が孤立。救助までの一週間、唯一生存したレオ氏を除き、護衛2名、同行者1名が餓死・衰弱死した。
【調査結果(ギルドの予想)】
現場は「初心者向け」として安全性が保証されていた場所であった。しかし、迷宮に「絶対」は存在しない。
氏は救出時、自作の地図に仲間の死亡時刻と過程を克明に記録していた。この「地図」は現在、測量ギルドの反面教師的な資料として保管されている。氏は身体的な回復は見せているものの、精神的なショックから二度と冒険へと出ることはなかった。
【警告】
• 難易度の罠: 「やさしい」という言葉は、警戒を緩めるための毒でしかない。
• 孤立の恐怖: 物理的な怪我がなくとも、出られないという事実だけで人は死ぬ。特に、自分を生かすために他者が死んでいく光景は、生存者に一生消えない呪いを与える。
あなたもゆめゆめ気を抜かぬことだ。
死はつねにあなたを見ている…。




