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万能薬の罠

AIとの共同執筆です。

「ハハッ、これさえあれば不死身だ!」

中堅戦士のボリスは、傷を負うことを恐れなかった。

彼は格安の露店で見つけた『超速再生ポーション』の心酔者だった。どれだけ深い斬り傷を負っても、それを一口飲めば、数秒で肉が盛り上がり、傷跡一つ残さず完治する。

「痛覚なんて、この一本で消えるんだよ。盾なんて重いだけだ!」

彼は防具を捨て、攻撃特化のスタイルに変えた。傷つけば飲む。ただそれだけを繰り返していた。

1. 蓄積する「歪み」

ある日、強力な魔獣との戦闘中、ボリスは腕を深く裂かれた。

いつものように彼は、腰に下げたポーションを一気に飲み干す。

傷口は、即座に塞がった。

しかし、今回は様子が違った。肉の盛り上がりが、止まらないのだ。

傷を埋めた新しい肉は、ボリスの意思を無視してさらに増殖を続け、腕が丸太のように太く、歪に膨れ上がっていく。

「おい……なんだ、これ……止まれ、止まれよ!」

2. 肉の暴走

このポーションの正体は、傷を治す魔法ではなく、細胞分裂を無理やり数百倍に引き上げる「細胞増殖剤」だった。

何度も使い続けたことで、ボリスの体内のリミッターは完全に壊れていた。

増殖は腕から肩へ、そして胸へと広がっていく。彼の皮膚は内側から押し寄せる肉の塊に耐えきれず、裂けては再生し、また裂けるという地獄のような光景を繰り返した。

「助け……て……ぐあああああ!!」

彼の叫びも、肥大した喉の肉に押し潰されて、湿った音へと変わっていった。

3. 巨大な「肉の塊」

翌日、戦場で見つかったのは、もはや人間の形を留めていない「肉の山」だった。

数メートルに及ぶその塊の至る所から、ボリスだった頃の毛髪や指先が覗いている。

彼は死んだのではない。今もその巨大な肉の塊の中で、ポーションの「過剰な生命力」によって、意識があるまま増殖し続けているのだ。


ギルドからの報告書


番号ーG-1905P

事案名: 粗悪ポーションの過剰摂取による「生体組織の暴走増殖」

概要:

登録者ボリス氏が、未認可の強精ポーションを長期的に連用。戦闘中の負傷を契機に細胞分裂の抑制が効かなくなり、全身が肉塊化。生存しているものの、知性および人型の維持が不可能となったため、処分されました。

調査結果:

当該個体の体内からは、通常時の数千倍に及ぶ成長因子が検出されました。傷を「治す」のではなく「肉で埋める」という安易な治療法が、人体の構造を根本から破壊したと言えます。

警告:

全ての冒険者の皆様へ

• 「即効性」には裏がある: 数秒で治る傷は、それだけ体に無理をさせています。正常な治癒魔法や休息を軽視してはいけません。

• ポーションは「薬」であり「魔法」ではない: 体に入れれば蓄積し、いずれ牙を剥きます。用法・用量を守らない者は、自らの肉体に食い破られることになります。

• 防具は「不要な再生」を避けるためのもの: 傷を負ってから治すのではなく、傷を負わない努力こそが、最も安全な治療法です。

あなたのカバンにある「万能薬」。

それはあなたという形を終わらせる「崩壊の引き金」となるかもしれません…。

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