美食家冒険者の末路
AIとの共同執筆です。
冒険の醍醐味は、その土地、その魔物にしかない『味』を知ることだ」
ベテラン戦士のグルマンは、腕利きの冒険者であると同時に、界隈では有名な美食家だった。
彼は常にスパイスと調理器具を携帯し、倒した魔物の最も美味な部位を、その場で調理して食すことを至上の喜びとしていた。
「火を通しすぎるのは素人だ。素材の魔力を損なわず、本来の食感を楽しむには、この『レア』な状態が一番なんだよ」
仲間たちが干し肉をかじる傍らで、彼は未知の魔獣『クリスタル・リザード』の白身を、薄くスライスして口に運んだ。
1. 至高のひととき
「……素晴らしい。舌の上で弾けるような弾力、そして後から追いかけてくる魔力の熱。これぞ、命を喰らうということだ」
グルマンは悦に入っていた。
だが、彼が「魔力の熱」だと思っていたものは、実は**「宿主を求めていた寄生生物の、爆発的な増殖」**の始まりだった。
クリスタル・リザードの肉には、目に見えないほど微小な、しかし極めて強靭な「魔寄生虫の卵」が無数に含まれていたのだ。それらは、1000度を超える業火で焼き尽くさない限り、決して死滅することはない。
2. 内側からの変貌
異変は、食事から数時間後に起きた。
「……腹が、少し熱いな。精力が付きすぎたか?」
グルマンが笑った直後、彼の皮膚の下で、何かが**「のたうち回る」**のが見えた。
一つ、また一つ。
彼の腹部、腕、そして頬の裏側で、無数の小さな突起が波打つように動き回る。
「ギ、ア……あがっ、なんだ、これは……!?」
激痛と共に、彼の皮膚を突き破って「透明な針」のようなものが飛び出した。
それは、彼の体内の栄養と魔力を吸い尽くして急速に成長した、寄生生物の幼体たちの「脚」だった。
3. 自らが美食となった美食家
「助け……て……」
彼の手が、仲間の魔術師へ伸びる。
だが、その指先からも、すでに肉を突き破ってクリスタル状の寄生虫が芽吹いていた。
魔寄生虫は、宿主が生きている間の方が新鮮な魔力を得られることを知っている。
彼らはグルマンの神経を巧みに避けながら、彼の内臓をゆっくりと、しかし確実に食い荒らしていった。
彼は死ぬことさえ許されず、自分の体が「魔物の餌場」へと変わっていく光景を、ただ朦朧とした意識で見守るしかなかった。
4. 宝石の散らばる場所
翌日、パーティがキャンプ地に残したのは、美しくも無惨な「彫像」だった。
グルマンの肉体は完全に消失し、そこには彼の服を着た、巨大な「クリスタルの塊」が転がっていた。
結晶の中には、彼が愛用していたフォークと、最期まで消えなかった「苦悶の表情」が、永久に閉じ込められていた。
ギルドからの報告と警告
報告番号: G-1205F
事案名: 登録者グルマン、未確認寄生生物による「生体捕食および結晶化」
概要:
魔物の肉を不適切な調理法(加熱不足)で摂取したことにより、体内で魔寄生虫が爆発的に繁殖。全身の組織を置換され、死亡しました。
調査結果:
現場に残された調理器具からは、致死性の寄生虫が多数検出されました。本人は「魔力の高まり」と誤認していましたが、実際には神経系を侵食される過程での幻覚であった可能性が高いです。
警告:
全ての冒険者の皆様へ
• 「珍味」は「毒」だと思え: ギルドが推奨する「食用魔物リスト」以外のものを口にするのは、毒薬を試飲するのと同義です。
• 加熱は絶対である: 「素材の味」を優先して命を落とすのは、美食家ではなく愚か者です。中心部まで完全に火を通せない肉は、迷わず捨てなさい。
• あなたは「食う側」であると同時に「食われる側」でもある: 自然界において、捕食の連鎖は体内でも行われます。
あなたが「美味い」と舌を巻いたその一口が、寄生虫にとっての「最高の苗床」への招待状になってしまうのです…。




