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他力本願

AIとの共同執筆です。

その剣に斬れないものなどなかった。

ラウルにとってその剣は数え切れないほどの修羅場を共に潜り抜けてきた、唯一無二の相棒だった。魔法のエンチャントなんてものは付与していなかったが、鋼の最高峰ともいえる素晴らしい硬度と切れ味を兼ね備える剣にそのようなものは不用であった。

それは間違いなく希代の名刀と呼べる逸品であった。

そして彼の腕もまたその剣に見合った一流のものであった。

故に、彼には仲間など不要であった。

そう、この剣さえあればいい。

ラウルはその剣と己の腕に絶対の信頼を寄せていた。


ある日。

あるダンジョンの深層にて。

彼は深層の巨獣のその背中に向かって渾身の突きを叩き込んだ。

「うおおりゃああああ!!!!」

「ギャンッ!!」

鋭い鋼はその分厚い肉に食い込み、確かな手応えを手首に伝えた。あとは剣を引き抜いて、返り血を浴びながらトドメを刺すだけ……のはずだった。

だが、巨獣はラウルの想像を絶する反射速度で身を翻し、固く締め付けられた傷口の筋肉は鋼の刃を肉の中にガッチリと捉えていた。

「……は?」

ラウルが力を込めて引くよりも速く、巨獣は命の危機を察知し、猛烈な勢いで闇の奥へと消えていった。

「あー!!! まてーー!! オレの剣ーーーーーーー!!」

静まり返ったダンジョンに、ラウルの悲痛な叫びがこだまする。

闇の中、愛剣の柄が巨獣の背中で揺れながら、どんどん遠ざかっていく。追いかけようにも、友を失った丸腰でこの暗闇の先へ突っ込む勇気は、今のラウルには一ミリも残っていなかった。

両の手に残ったのは、剣の重みの残滓ではなく、ただの汗の感触。

「嘘だろ……マジかよ……」

呆然と立ち尽くすラウルを囲むように、ゲギャギャギャ、という下卑た笑い声が聞こえ始める。

血の匂いを嗅ぎつけ、一匹、また一匹と岩陰から這い出してくる錆びた安物の剣を手にした小鬼たち。

ついさっきまでなら一振りで散らせた雑魚どもが、今の彼には死神の群れに見えた。


「待て、お前ら……話せばわかる、だろ?」


最強を自称していた剣士の足が、情けなくガクガクと震え出した。

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