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魂を焦がすもの

AIとの共同執筆です。

街で有名な吟遊詩人がいた。

彼の紡ぐ物語は、他のどの詩人にもない重い絶望に満ち、それでいて残酷なほどに華やかであった。

人々は彼の語る物語の毒気に当てられ、彼の言葉の虜となっていた。

ある日、吟遊詩人になることを人生の目標と見定めた青年が彼の家の門を叩いた。

「お願いです!どうやったら、あなたのように魂を揺さぶる素晴らしいお話を紡ぐことができるのですか!?」

詩人は、ペンだこにまみれた青年の綺麗な手を見つめ、少し思案してから言った。

「私は、心の中にあるものを、そのまま出しているだけですよ。」と。

青年にはまるで理解できなかった。

自分だって、心の中にある冒険譚を出しているつもりだったからだ。

つまるところ、青年は毎日机に向かい、華麗な騎士のような冒険者がドラゴンを流麗な剣捌きで倒す英雄譚や、貧乏な青年が魔王を倒し王女と結ばれる美談、そういった美辞麗句を並べ立てる「机上の空論詩人」であった。

青年は知らなかったのだ。

その詩人が、物語を紡ぐ合間に、一流の冒険者さえも尻込みするダンジョンの奥深くへと独りで潜っていく「狂人」であることを。

詩人の「心の中」は、魔物の返り血を浴び、死の恐怖に震え、罠を皮一枚で避け、冒険者の死を目の当たりにした、あの暗く冷たいダンジョンの底を実際に目の当たりにした現実の投影で溢れていた。

ダンジョンで拾い集めた「本物の絶望と狂気」を、脳という濾過器に通して吐き出す。

ただそれだけのことだが、温室育ちの青年には全く想像できなかったのである。


青年が白紙の原稿と格闘している今この瞬間も、詩人は次の物語の「種」を求めて、独り暗闇の中へと姿を消していくのでった。

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