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第一话 序章

 ……これ、マジでありえる ?


 軽い小説の中だけの、とんでもない展開が、ドカーンと現実に落ちてきたんだ。そういう感覚、分かるかな ?


 聞いてくれよ。

 同じ年の女の子が、急に俺の家に住み込むことになるんだ。同じ屋根の下で、だ。


 そう、疑う余地はない。

 ドラマかよ、ってツッコミを入れたくなるようなシチュエーションが、今、まさにこの俺——雪村清司、十六歳のごく普通の高校生の頭上に、どっしりと降り立ったんだ。


 俺の当たり前の日常は、両親が「新しい家族が増えるのよ」と宣言したその日、完全に終わりを告げた。


 その時はまだ呑気に、一緒にゲームができる兄弟が増えるんだろうなんて、甘い考えをしていた。


 結果は……女の子だった。


 それも、誰が見ても思わず二度見しちゃうような、可愛い子だった。


 さらに衝撃は続く——俺たち、同じクラスになるらしい ! ! ! ! ! !


 高校生活の幕開けすらまだなのに、俺はすでに「プレッシャー」という名の洗礼を予感させられていた。


 未だに納得いかないのは、うちの親、いったいどういうコネを使ったんだ ? 同じクラスにまでピンポイントで組み込むなんて、よっぽどだろ。


 彼女の名前は、加藤結愛。

 どうやら「いろいろと事情があって」、しばらくの間、俺の家に世話になるらしい。


 最初のうちは、ちゃんと心の準備もしたんだ。シナリオも組み立てておいた。


 俺は、頼れるお兄ちゃんになる。彼女は、俺を頼りにする妹になる——ってね。


 頭の中には、彼女が「お兄ちゃん~、お兄ちゃん~」って言いながら、いつも後ろにくっついてくるイメージまで浮かんでた。


(ああ ! ! !最高だ !!!)


 ……だが、そんなのは全部、俺の妄想だった。現実は、そう甘くはない。


 現実とはこうだ。俺たちは「同い年」で、なんと彼女の方が一ヶ月早く生まれている。


 ってことは……俺が彼女のことを「お姉ちゃん」って呼ばなきゃいけないってのか ?


 毎日彼女の後ろをついて回って、「お姉ちゃん~」って ?


「お姉ちゃん~」

「弟ちゃん~大好き~」

「お姉ちゃん~僕も大好き~」


 やばい ! 想像しただけで、天元まで届きそうなほどの羞恥心が押し寄せてくる !


 幸いなことに、彼女の方はそんなこと微塵も求めていなかった。そうじゃなかったら、俺は確実に死んでいたよ、その場で。


 かくして、俺と加藤結愛との、訳アリすぎてカオスな共同生活が、あっけなく始まった。


 ……っと、こっちの事情ばかり一方的に話しちゃったな。君たちはちんぷんかんぷんかもしれない。


 ちょっと待ってくれ ! 絶対に立ち去らないで !


(日記帳はどこだ ? あの、すべての始まりを記した日記を探さなきゃ……)


「あった、ここにあった !」


 さあ、ページを開こう。すべてが思いがけなく始まった、あの日に戻るんだ——


 ……まあ、でも今夜は本当にもう寝ないと。

 だって明日は、俺、雪村清司の高校生としてのファーストデイなんだから。


 俺たちの物語は、まだ始まったばかりなんだ !

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