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プロローグ


「終わった……」

 マリアは瞼を閉じた。この一年この日の為に生きてきた。

  

 ようやく全てが終わったのだ。


 フーっと息を吐き、覚悟を決め、瞼を開けた。


 ごった返す人混みの中心、ソフィと抱き合うエリゼの姿が目に映る。

込み上げる感情は喜びではなく、息が詰まるほどの切なさ。

全てが終わりエリゼを諦める時が来たのだ。


 この国の王、エリゼはソフィ姫を抱きしめながらマリアを見つめていた。


 その眼差しは多くの言葉が込められているように感じた。だが、それもマリアの気のせいだ。

なぜならエリゼは、愛するソフィの為にソフィと瓜二つのマリアを身代わりにし、殺そうとした人。そんな人がマリアに対し特別な感情など持っているはずもない。


 そして今、その胸の中には最愛の人がいる。

エリゼの願いが叶った日なのだ。

 

 マリアは万感の思いを込めエリゼに微笑んだ。エリゼはその腕にソフィを抱きしめながらマリアの笑顔に応えるように目を細める。

 時々見せてくれたあの優しい眼差しに、マリアの胸はズキンと傷んだ。


 マリアはこの一年、罪人ソフィ姫の身代わりとして生きてきた。その間共に過ごしたエリゼとの日々が走馬灯のように駆け巡る。


(エリゼ様、結局あなたを憎むことが出来なかった)


 マリアは溢れ出しそうな感情と涙を明るい笑顔に変える。エリゼはそんなマリアを優しく見つめる。

だが、その胸に中にはソフィがいる。


(あ、だめ)

 目の奥が熱くなる。

(これ以上ここにはいられない)

 マリアは唇を結び、エリゼに手を振り呟くように言った。


「さよなら」


その日以来マリアはエリゼの前から姿を消した。


作者のねここと申します。


この作品は以前アップしていましたが、初期の作品でしたので驚くほど読みづらく、

アップも憚れ、申し訳なさに書き直した作品です。

(他も似たようなものですが、まだ手直し出来ず、、すみません)


以前よりは少しだけ、読みやすくなりました。


すみません。


読んでくださって本当にありがとうございます。


大きな感謝を込めて


ねここ


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