瑕疵ある心音の聞かせ方
僕の世界は、いつも僅かに調律が狂っている。
正しい音階で構成された世界は、息が詰まるほどの不協和音だった。
時計の秒針、街の喧騒、人々の話し声。その、全ての音が、僕を、苛み、世界から、孤立させる。
そんな、音の牢獄に、現れた、きみ。
きみもまた、その、魂に、小さな「瑕」を、持っていた。
これは、完璧ではない、二人の、物語。
ずれて、軋んで、生まれる、響きだけを、信じた、二人の、記録。
僕の「罅」に、きみの「瑕」が、重なった、その時。二人の、不揃いな、心音だけが、世界の、中で、ただ一つの、完璧な、和声となる。
世界が、僕らを「間違い」と、呼ぶのなら。
ああ、僕らの、ズレで、世界の、中心を、調律しよう。
正しい音階で構成された世界は、息が詰まるほどの不協和音だった。
時計の秒針、街の喧騒、人々の話し声。その、全ての音が、僕を、苛み、世界から、孤立させる。
そんな、音の牢獄に、現れた、きみ。
きみもまた、その、魂に、小さな「瑕」を、持っていた。
これは、完璧ではない、二人の、物語。
ずれて、軋んで、生まれる、響きだけを、信じた、二人の、記録。
僕の「罅」に、きみの「瑕」が、重なった、その時。二人の、不揃いな、心音だけが、世界の、中で、ただ一つの、完璧な、和声となる。
世界が、僕らを「間違い」と、呼ぶのなら。
ああ、僕らの、ズレで、世界の、中心を、調律しよう。
序章:二つの音叉
2025/07/20 20:40
(改)