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氷地獄の妖精  作者: ありんこ
第一章 魔法訓練
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転生です

「知らない天井だ」

やはり、異世界に来たのなら、この言葉を言わなきゃ始まらない。定番中の定番だが、それがいいのだ。そんなことを考えながら、俺は体を起こした。


「思ったより、普通の家だな」

 起き上がり、首を回して部屋を確認してみると、案外普通だった。異世界だから、てっきり中世の西洋風の家かと思ったら、よくある普通の木造の家だったのだ。なんだかちょっと拍子抜けだが、これはこれで悪くはないと思う。


「とりあえず家の散策でもしようかな」

 まずは家の散策からだ。これから長い間この家に住むことになるんだ。間取りはしっかり把握しとかいないとな。



 この家は、寝室、リビング、キッチン、風呂、トイレといった間取りになっていた。風呂とトイレは無いものだと思っていたが、どちらも日本の物と変わらない、現代的なものだった。


「まさか、風呂とトイレがあるなんて......しかも何故か風呂は自動で沸くし、トイレも水洗だ......」

 風呂とトイレがあるにしても、自分で沸かしたり、昔の日本のような、ぼっとんトイレだと思っていただけに、衝撃は大きかった。だが、別に困るものでもないし、ありがたく使わせていただこう。


「家の散策は粗方済んだし、次はミカエル様が言ってた食料の場所を確認したいんだけど、どこにあるんだ?」

 家の散策を終え、食料の場所を確認しようとしたが、肝心の保管場所が分からない。ちなみに、家の中にはなかった。

「中にないなら、外しかないよな。てことで、外にでてみよう」

 中にないのなら、外にあるだろうと考え、俺は外へと出る。




「おー! めちゃくちゃ庭広いじゃん!」

 外に出てみると、大体半径百メートルほどの庭が家を中心に広がっていた。庭には、健康的な芝が広がっており、庭の終わりの場所からは、青々とした森が広がっていた。

 そして、目的だった食料が保管されているであろう場所は、家のすぐ隣に建っていた。


「さてさて、食料はここかな?」

 食糧庫と思わしき建物の扉を開け、中に入る。中には、干し肉や、凍らせてある野菜と肉、そして塩が、ミカエル様の言う通り、大体一年分くらいの量が保管されていた。

「わーお、これは何もしなくても一年は食べていけるな。やったぜ」

 といっても、所詮は一年分しかないんだ。自分でも魔物とか果物をとって、自給自足できるようにならないとまずいな。


「食料もとりあえずこれで大丈夫か......じゃあ、家の中にあったものを確認するか」

 そう、実は家を散策していた時、リビングに二冊の本と、ナイフ、手紙があったのだ。一旦放置してきたが、ゆっくり確認しよと思う。



家に戻り、リビングに入ると、本二冊、ナイフ、そして一枚の手紙が置いてあった。


『大陸などの位置関係を説明し忘れていたから、地図を本に挟んでおいたよ』

 手紙には、それだけが書いてあった。


 本は、地球にあるような、ごく一般的な本と同じような物だった。中には、わかりやすい挿絵も付いている。

『魔物図鑑:初級編』

『植物図鑑:初級編』


「ほ~、これはありがたい。とくに植物なんかは、どれに毒があるか分からないし」

 特に気にしていなかったが、自分で食料を調達する以上、それが食べても問題ないのかどうかの判断は自分でしなくてはならない。何も知らずに食べた結果、実は毒があって死んじゃいました、なんてことがあったら、たまったもんじゃない。これは、毎日読み続けて暗記しないとまずい。そう思った。


 ナイフは刃渡りが二十センチ前後で、しっかりした作りになっていた。魔法があるとはいえ、ナイフがあった方が便利に決まっているので、これもとてもありがたい。


「うん。大丈夫そうだな」



 今後の生活に必要そうなものを粗方確認し終わった今、後回しにしていたが、俺はとてもやりたいことがある。

 せっかく『剣と魔法』の世界に転生してきたのだ。やることと言ったら一つしかない。


 そう魔法である。


「よっしゃ! 魔法だ!」

 そう言って、魔法を使うために、外へと駆け出した。

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