感情大事
まっいにっちとっうこっうでっきてっるねっ!
今のところは。
「嘲笑うんだよ…そいつと!」
「うわぁ…性格腐ってんなぁ」
酷いな心外だよ。僕は至って正常安定なのに…僕は悲しいよ…。
「あー、なんか辞めて、絶対に心ん中で僕は悲しいよ…的なこと言ってんだろ」
「ご名答!!いや流石。馬鹿は違うねぇ…!」
「おまえ…さぁッ!」
珠来がいきなり鉛筆で殴ってきた。まぁ鉛筆で殴るという表現が正しいのかどうかは知らないが。
「なんだよイッテェな」
「いや嘘だ。わかってるぞ俺は」
「ご名答」
珠来がいきなり「あっ!!!」と叫んだ。
「っるせぇなんだよ…」
「お前ん家今日行くわ!」
「あ?なんでだよ」
「決まってんでしょ?俺のことなんだと思ってんの?地質学者の息子ですけど?」
珠来が少々誇らしいような顔つきで言った。
「なるほどなぁ。良いよ」
「やった!俺優羅ん家匂い好きなんだよなぁ…」
「意味わかんねぇ…」
「みなさーん。鉛筆が10本あります。そしてあなたたちは5本新しい鉛筆を買ってもらいました。あなたは今何本持っているでしょうか。
という問題、解けますかー?」
3時間目、皆さま待望の算数を俺は受けていた。
俺にとってはひたすらクッソ簡単な足し算をするだけという地獄の作業だ。
俺が暇すぎてノートの端に化学式を書いていると後ろから肩を叩かれた。
「ここ…わからないんだけど…」
俺の後ろの席、来川 朝霞が話しかけてきた。
こいつは本気で言うと一つ以外についてはそんなに頭がよくない。例えでいうとこの問題が解けないくらいだ。
だけど何故俺が勉強を教えているか。それはこいつの親が物理学者だからできなかったら困るからだ。
まぁ俺の親とこいつの親はかなり仲がいいらしい。だから教えてあげてと言われたのもあるけれども。
「はぁ…このやり方はやりたくなかったんだけどな。手を使え」
「…て?」
「一個ずつ数えて指を折り曲げてみろー。わかるはずだぞー」
「わ、わかった…!」
そう言って朝霞は取り組み始めた。
それにしても暇だ。暇すぎる。本当に暇すぎる。先生が「じゃあ、このあと30分で、このプリントを2枚、取り組んでみよう!」とプリントを渡してきたんだが…2分で終わってしまった。
「あのー、優羅さん…やってる?」
先生が心配そうに言ってきた。
「やってます。何すれば良いですか」
「そ、そっかぁ…丸付け…もやってるねぇ。じゃあ…本…呼んでくれる?静かに…」
「分かりました」
俺はそう言って本を読み始めた。
さてさて…俺の今日読む本は…「灰重石について」だ。
次回は十話と言うことで優羅のクイズ回にしたいと思います。
番外編な為、本編とは関係ありません。
地雷を踏み抜かなかったと信じたい。