遠足は心理学
サーフィンダンス。
あとは任せた。
2015年5月23日、俺は…
水族館に来ていますッ!!
あー、マジだりぃー。なんなんだよこれー。
マジで来なきゃ良かったわ。
「ちょ!きてー!優羅くん!」
「あいよー」
途中まではクラス全員で集まって行動するんだが途中からは狭い範囲内であれば自由。まぁそんなかんやで朝霞と頼と回っている。
「あのね!なんでこのイワシって集団で行動してるの!?」
「はぁ… イワシの身体をよく見ろ…って見えんか。あー、これ見ろ。」
俺はリュックから魚の図鑑を取り出した。
「なんで持ってんの!?」
「頼に託された。かなり重いんだけど。まぁこんなところで役出すなんてな。」
「あー。」
「そんでここ、頭から尾にかけて1本の線が走っているんだけど。分かるか?これは「側線」ていって俺ら人間の感覚でいえば、聴覚と触覚を合わせて持った働きをしてる。この側線を使ってイワシは水圧とか水流の変化から前後左右上下にいるイワシ…まぁ仲間か…まぁその存在を感知して群れを作ってる。」
「な、なるほどー?」
「まぁ、なんとなくで理解しとけば良いだろ」
そう言って俺はまた椅子に座った。
「ゆーらー!!!!!!」
俺が椅子に座って魚を見ていると後ろから大声で呼ばれた。
「なんだよもー!」
「森林増やしたら魚増えるって本当!?」
「あ?んー、まぁ、うん。つかいきなりなんで?」
「だってなんか説明みたいなところなら書いてあったからほんとかな?って」
「へー。」
「で、なんで増えんの??」
「はぁ…いきなり面倒臭いな… 川の上流にある山の豊かな森林が栄養分を作る。それを雨水が川に運んでやがて海に流れついて植物性プランクトンとなり、それを動物性プランクトンがエサにして繁殖する。その動物性プランクトンを稚魚や小魚が食べる。それを中型魚が食べて、大型魚が食べる。これが繰り返して最終的に魚が増える。ただこれだけだ。」
俺が前髪を弄りながら言った。
「へー?取り敢えずなんとなく分かった。ってことはさ、俺の叔父、船長だから助かってんのね!つかさ、『ただこれだけ』ってなんだ?」
「は?これだけだろ。」
「頼、優羅くんを舐めちゃいかんよ」
「ひったなやつはたやあゆうや!!!!」
頼が飛び上がりながら意味のわからないことを叫んだ。
「うるせぇー。つかなんなんだよ。ひったなやつはたやあゆうやって。」
「後ろから話しかけられてビビったんだよ。つかなんで俺が言った言葉覚えてんだよ!」
それは俺の記憶力が良いからだろと思いながら朝霞へ目線を向けた。
最近朝霞が身につけたものがある。
それは…
魚って美味しいですよね。
皆様の地雷を踏み抜かなかったと信じたい…。