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ふつうに
ふつうの人生だ
日々飯を食らって
日々働いて
生きるために生きる
ふつうになりたくて
上司との感覚のズレ
部下とのベクトルの違い
家族のすれ違い
減っていく友人
狂っていく歯車を戻して
只
ふつうに生きる
機械のように精密に
生物のずぼらさを写して
ふつうに生きる
社会の歯車として
会社の一部となって
ふつうに失敗して
ふつうに怒られて
ふつうに業務をこなして
ふつうに給料を貰って
ふつうに
身体はまだ動く
涙だって出る
疲労感を常に纏って
棒のような足が
いつ動かなくなるのか
後ろ向きの心が
いつ挫けるのか
恐怖しながらの日々だ
いつかふつうに家庭を持てるだろうか
ふつうに人を愛せるだろうか
時々思うんだ
ふつうに生きたかった




