大掃除【冬の詩企画】
例えば君の目には届かないホコリみたいな
何でもなく拭えてしまうはずの思い違いが
頑固な汚れのようにリビングに定着してさ
触っただけで壊れそうな関係で生活してた
たかだか十センチしか違わない君の背では
判然と見えないものを忘れて日々を経てた
確かなことなど教えてくれない冷たい夜風
贅沢は言わないけれど君に触れたいよ何故
絶対なんてないんだって言葉を部屋の片隅
見せつけるようにした青春の残骸が山積み
身の丈に合わない世界に放置された未熟児
事件性はないらしいね見てくれよこの傷口
地上に産み落としておいて顔を背けるなよ
余剰の人類でしたか言ってくれよ特別だと
十日未満で創造された天地なら有り合わせ
世界にとっちゃ僕らの値段なんてハシタ金
年々歳々どこかで起きてる殺戮みたいにさ
最悪の事態を僕らは回避する確率期待した
耐えがたいその醜さに神様も目を逸らした
正しさを乗り越えて君だけが手を伸ばした
本作は「冬の詩企画」参加作品です。
企画の概要については下記URLをご覧ください。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2157614/(志茂塚ゆり活動報告)
なお、本作は下記サイトに転載します。
http://huyunosi.seesaa.net/(冬の詩企画@小説家になろう:seesaablog)




