帝都電気電子女学院の日常
「このMOSFETくんちょっと電子が元気ないにゃ…ご機嫌斜めかな?」
「マイコン担当のプロちゃん、ちょっと一緒に秋月に行こうよ」
「好きなことを好きなだけ書いて単位が来るなんて、鉄道関係の授業は全部楽しいわね!」
「あ!電子溜まっちゃいそうだよ!遮断して!危ないよ!」
ここは帝都電気電子女学院、通称電電女学院。
2011年の東日本大震災に伴う原発事故により、全土に渡って放射能がばら撒かれた日本。当初問題が見当たらなかったものの、時が経つに連れて重要な事実が明らかになった。即時的に人体への影響が見られない放射能汚染の影響で、国内で生まれた子供のうちY染色体を持たない場合、成長期の間のみ負電荷に対して非常に強く反応するようになったのである。つまり、国内で生まれた幼女は電子が見えるのである。
電子が見えることで、直感的な電気電子工学分野の理解が容易となった。これを受けた政府は、未成年の女性を対象とした電気電子分野の高等教育機関を新たに設立。初等部から大学院までの一貫教育を行う帝都電気電子女学院を筆頭に各地で女子学生を電気電子技術者として育成されている。
これは、そんな華やかな、しかし時にバチバチし、時にきゃっきゃうふふする、女学院の日常である。