第1話(仮)
短めです。
「あーあ、何か面白えー事ねえかなー」
2015年8月20日の昼下がり、俺、桐原蓮人は特にすることもなく自分の部屋でゴロゴロしていた。学校の宿題は自分でも驚きの速さで終わらせてしまっていた。あれは確かまだ7月だったはずだ。
「しゃーねーからドビーに電話でもすっか」
わざわざ声に出して言い、LINEを開く。
「ヘイ、ドビー!わざわざ電話してやったぞ」
「あ、どうも。切っていい?」
その手には乗らないぜ。
「ひまだから遊ぼ」
「おめでとう。遂に10日連続だぞ、それ言ったの。お前本当に高校生か」
10日か、いやー長かった。
「まじか、じゃ今日も遊ぼ」
「1日も遊んでねーよ。お前は嫁とでも遊んどけ」
「誰だよ嫁って」
「君たちが相思相愛の幼馴染みさんですよ」
「あんなヤツ相思でも相愛でもねーよ」
と、ウチの玄関からガチャという音が聞こえる。
「お、ドビー10日目にしてようやく来てくれたのか。やっぱり持つべきものは暇をつぶせる親友だな」
「あ?俺は俺んちだぞ。母ちゃんじゃねーの?てかお前、人をスマホゲームみたいに言うなよ」
いや、今俺一人暮らしなんだけど…。親旅行中だし。
「蓮人ー、いるんでしょー」
「お、噂をすれば何とやらだ。よかったな、嫁さんが来てくれたじゃねーか。じゃあ俺はもう用無しだな」
プツッ、プープーと通話が終了した音がする。その間に階段を昇ってくる足音が聞こえたので、俺がドアを開けてやるとそこには美少女が立っていた。
この美少女-松井楓佳が、さっきドビーこと俺の親友の聖誠人が言っていた俺の嫁もとい幼馴染みである。ちょっと願望が入っちまったぜ。
「どうしたんだ楓佳。せっかくドビーとラブラブ電話デートしてたのに。ってかお前、どうやってはいったんだ?鍵かかってただろ?」
「鍵はおばさんから預かってるわよ?蓮人をよろしくって」
あのババァ、何勝手によろしくしてんだよ。
「そんなことより、甲子園の閉会式観た?」
「あぁ?もう野球なんて興味ねーよ」
野球はもう1年前にやめたのだ。
「私、甲子園目指すことにしたわ」
は?
「もう一度言ってくれ?」
「私、甲子園目指すことにしたわ」
えっと、
「頭大丈夫か?」
「はぁ?アンタ本当に甲子園観てないの?」
「いや、観てないって言っただろ?」
なぜ信用しない。
「ツンデレなアンタのことだからてっきり恥ずかしくて観てないっていったのかと思ったわ」
人のことツンデレっておい。
「とにかく、甲子園に女子のチームが参加できるようになったのよ。それでね、蓮人にお願いがあるんだけど…。私たちのこと、甲子園に連れてって!」
続きいつ書くかわかりません。