023 検問 ★
※世界観把握のためのもので、細かな距離感などは反映できていません。
ハーランド王国の港町、アシュベルより南――。
陽の落ち掛ける時間、レイネと呼ばれる宿場町に外套を纏った三つの人影がある。
レイネはアシュベルから南の王都アンセルへと伸びる街道沿いにある宿場町だ。規模は小さく、数十軒が軒を連ねる程の集落でしかない。
とはいえ宿場町というだけあって、街道を行き交う人を目当てとした宿屋が十軒以上営業している。
ただ旅路を急ぐ人たちにとってレイネという町は、寝て起きる程度の存在でしかないのだろう。ちょっとした食事が出来る場所以外には、人々を楽しませるような施設を見つけることは出来なかった。
従って、この宿場町では日没を迎える時間になると、明かりの点った建物を見つける方が困難になる。
そんな徐々に闇が深くなる時間に――三つの影が、ようやくレイネに到達した。
「フゥ――ようやく一息つけそうだ」
思わずそんな言葉が口を衝いた。
正直俺は元の世界でも、一日でこんなに歩いた経験はない。
その俺の声に反応するように、一つの人影が俺の側でフードを取った。
そこから現れたのは、黒髪を結い上げた――美しい女性だ。
「想定よりも時間が掛かってしまいました。
食事もしたいところですが、先に宿を確保しておかないと困ったことになりそうです」
黒髪の女性――グレイスが冷静にそう言った。
決して焦ったり怒ったりした口調ではない。ただ、彼女がこういう発言をする時は、素直にその提案に従った方がいいというのが俺のこれまでの経験則だ。
「大体、休憩し過ぎなのよねぇ――。
ケイって意外と体力がないんだから」
別のもう一つの人影が、グレイスの反対側に立って呆れた声を上げる。
フードを取って現れたのは、真っ赤な髪の女魔法使い――シルヴィアだ。
「まあ、そう言うなよ。
一応ちゃんと日没前に目的地に着いたじゃないか」
俺の反論を聞いて、グレイスが小さく苦笑した。
港町から王都までは、馬車を使えば丸一日ほどで到着することが出来る。
当然ながら馬車よりも遅い徒歩で行けば、少なくともその三倍――おおよそ三日間は歩き続けなければならないことになる。
一応、アシュベルを出発する際に、馬車を利用することも考えはしたのだ。だが、最終的に俺たちは徒歩を選択して、アンセルに向かうことにした。
というのも、馬車の値段が滅茶苦茶高かったからだ。
訊けば馬車などという乗り物は、冒険者が気軽に使うようなものではないらしい。馬車は基本的に貴族が使う乗り物のようで、従ってお値段も貴族様価格になっている。
何となく馬車と聞くと、同じ馬と従者が目的地まで自分たちを優雅に運んでくれるような想像をしがちだが、実際はそうではない。実際の馬車は一日に進める距離を伸ばすために、途中で何度も馬屋に立ち寄りながら馬も従者も交代して進むのだ。そりゃあ、安く済むはずがない。
貴族と言えば俺はここに至るまで、この国の身分制度を強く意識したことがなかった。
ハーランドは王制で、王都には当然王様がいるし、騎士もいれば貴族もいる。
逆に下は平民だけではなくて、奴隷階級も存在しているのだ。
この世界で最初に辿り着いた田舎町カリスでは、俺は森と教会以外の行動範囲を持たなかった。
その次に身を寄せた港町アシュベルは、冒険者や商人が入り乱れていたこともあって、特別階級制度を意識させられるような場面に出くわすこともなかった。
だが、ひょっとしたらこの後の旅路では印象の悪い貴族様や騎士様が登場したりするのだろうか?
そんなのがいたら、正直喧嘩を吹っ掛けずに黙っていられるかどうか、自信がない――。
俺たち三人はレイネに着いてからすぐ、その日の宿を確保しようと動き出した。
フロレンスに来て分かったことだが、この世界の冒険者というのものは基本的に野宿をしない。
何となく冒険=野宿のような誤った認識を持ってしまいがちなのだが、実際の冒険者はそうではないという訳だ。
もちろんその必要に迫られれば、冒険者たちは野宿を選択することもあり得るのだと言う。ただし、冒険者は迷宮を攻略するといった明確に見返りが期待出来ること以外は、殆どの場面で危険を回避する方向へと舵を切る。
だから野宿などという、自分の身をあたら無防備に晒すような行為は、普通しないのだ。
そういう意味でも冒険者が新しい街に着いて、一番最初にしなければならないのはその日の寝床の確保だった。
三人一緒に行動して宿を探すのは効率が悪いと判断した俺たちは、散開して個別に宿を当たることにした。
この世界では、陽が高い間に宿を取っておくのが定石らしい。
従って、日没の近いこの時間になると、自然と部屋の確保が難しくなってしまう。
「どうだった?」
「ダメです。全く空いていませんでした」
シルヴィアとグレイスがそれぞれの結果を持ち帰る。
俺が当たった宿はもっと悲惨で、そもそも空き部屋の確認すらさせてくれなかった。
微妙に、嫌な雰囲気が三人の中に漂う。
「町中で野宿なんてことになったら、悲惨過ぎて涙が出そうだ」
「まだ当たってない宿は何軒もあります」
「野宿になったら、ケイが一晩中寝ずに見張りするんだからね」
「俺だけかよ! そういうのは普通交代だろ!」
シルヴィアと会話すると、微妙に論点が逸れていく――。
取りあえず俺たち三人はもう一度手分けして、それぞれ別の宿を確認することにした。
そして――しばらくの後、再び結果を持ち寄ることになる。
「申し訳ありません、三軒回ったのですが――」
グレイスが申し訳なさそうに言った。
そもそも現れた時の表情が曇っていたから、結果は聞くまでもなかったのだが。
一方のシルヴィアはというと、非常に得意げな表情をしている。
「フフフ――あたしは見つけたわ! 一部屋しかなかったけど確保しておいたから。
ベッドは一台しかないけど、毛布は三人分借りれるって」
「おぉ――」
一瞬、俺にはシルヴィアが女神のように輝いて見えた。
「――当然だけど、ベッドは宿を見つけたあたしが使うからね。
あんたたちは床で寝て」
「――――」
そして、俺の目の前の女神は急速にその輝きを失っていった。
俺たち三人はシルヴィアの案内で宿に入った。
宿屋の主人はシルヴィアに加えてグレイスが入ってくると、目が点になったように俺たちを凝視し始める。
無理もない、宿場町などではそうそう見ることはないであろう美女が二人揃っているのだから。
主人の案内で部屋に入ると、今度は俺たちの目が点になる番だった。
――狭い。
無論贅沢は言えないのだが、部屋全体が狭い上に少し床が高くなった程度のベッドが一台あるだけの空間だ。
何とか詰めて寝れば、ベッドに一人、床に二人がギリギリ寝られるだろうか――。
ただベッドのサイズがかなり小さくて低いだけに、寝返りを打ったら床の方に転がってしまいそうだ。
これ、本当にベッドで寝られるのだろうか? フカフカのベッドだったらまだしも、これだったらまだ床で寝る方が伸び伸び寝れそうな気がする。どちらかと言えば、ベッドを選ぶ方が貧乏くじだ。
「えっと――」
シルヴィアは部屋の状況を見て、グレイスに対してにこやかに話し出す。
「普段、お世話になっているから、今日は仕方なくグレイスにベッドを譲ることにするわ。
ゆっくり休んでね」
グレイスはそれを聞いて静かに遠慮した。
「シルヴィア、あなたが元々この宿を見つけたのですから、あなたにベッドを使う権利があります。
元々そう仰っていたでしょう。
――わたしとケイが、床に」
それを聞くとシルヴィアはふと別の何かに気づいたように、焦った声を出した。
「いや、ちょっ、ちょっと待ってよ。
あたしが見つけた宿なんだから、あたしが寝たい場所を決めてもいいんじゃない?
恥ずかしい話だけど、あたしちょっと寝相が悪いのよね。
寝てるときに落ちると怖いから、あたしは床で寝るわ」
グレイスはその言葉を聞くと、普段見ないような悪戯っぽい笑みを浮かべながらシルヴィアに言い返す。
「シルヴィア、何も遠慮する必要はありません。
ベッドで寝てください」
「グレイス、あんたこそ――」
――何だこれ。
微妙に醜い争いになり掛けている二人に、俺は仕方なく割って入ることにした。このまま放置していては、それこそ二人が喧嘩を始めかねない。
「二人ともそこまでだ。
理由はさておき、譲り合うようならベッドは俺が使うことにするよ。
悪いが二人は床で寝てくれ。多分、その方が良く眠れるだろうから」
「ケイ、しかし――」
「あんたが一番身体が大きいんだから、一番狭いところに寝たら厳しいんじゃないの?」
二人が反論を口にするが、飲まれてしまっては場が収まらない。
「まあ、いいじゃないか。俺としては二人がゆっくり寝てくれる方が寝覚めがいい。
今回はそれがパーティリーダーの決定ということで。
――じゃあ、これで恨みっこなしだからな」
グレイスとシルヴィアは互いを見ながら俺の発言に暫く無言になり――そして、了承した。
夕食を終えると、俺たちは忽ち部屋で休むことになった。
今日一日が歩き詰めだったことに加え、明日は早めに起きて日の出と共に出発しなければならない。
俺は素直にベッドに潜り込むと、グレイスとシルヴィアが見えない壁側を向いて横になった。
正直すぐ側に美女が二人寝ているとなると、目が冴えてしまって眠れない予感がある。
だがそれでも眠らなければ、疲れを癒やすことができない。
一番身体の大きい俺が、最も狭いベッドを使うことになったため、夜中にベッドから落下してしまわないかという心配はある。幸いベッドが床と変わらないぐらい低いせいで、それで怪我をすることはないだろうが――。
とはいえ正直な話、俺はこれまで自分の寝相など大して意識したこともなかった。ベッドから落ちてしまったら――いや、やめよう。色々と考えても仕方がない。
床に毛布を敷いて寝ることになるグレイスとシルヴィアには悪いが、狭いベッドを特等席と考えて、出来るだけゆっくりと休ませて貰おう。
――眠れない予感など何処へやら、だった。
俺はベッドに入って間もなく、眠りに落ちてしまっていたようだ。
周りが暗かったので恐らくまだ夜中の出来事だと思うが、側から聞こえた「キャッ!」という小さな悲鳴にふと目が覚めた。
一瞬誰の声か判らなかったが、どうやらグレイスの声だったようだ。その直後にグレイスが若干恨めし気な声色で、「――シルヴィア、今のわざとでしょう?」と問いかけたのが聞こえた。
だが、対するシルヴィアの答えはない。
俺は情景を思い浮かべながら苦笑すると、再びそのまま目を閉じた。
ベッドが狭いとはいえ、二人を硬い床で寝かせるのは可哀想だったかな――と思う。
そもそもこうなってしまったのは、俺の歩みが遅く、日暮れまでにレイネに到達出来なかったことが原因だ。
明日は出来るだけ休憩を減らして、日暮れまでに目的地に到達するよう努力しよう。
俺はそう心に誓いながら――再び眠りに落ちた。
翌朝、ふと気づくと俺の顔を良く分からない柔らかい感触のものが覆っていた。
若干の息苦しさを感じて手で押し返してみたが、“それ”は指が沈み込むような弾力性がある。
確か、枕すらなかったはずなのだが――。
目を見開くと、すぐには理解しがたい光景がそこにはあった。
「あ――あれ?」
どう見ても人の肌――それも何だか危険そうな深い谷間が見える。
もう一度確かめるように手で押してみると、それは俺の手を何とも言えない弾力で押し返してきた。
「――あ――ん――」
俺のものではない声が聞こえた。声の発生場所は俺の脳天のあたり。つまり、もの凄く近い。
う~ん、これはどう見ても胸の谷間にしか見えないな。
「――ケイ、何をしているのですか?」
突然頭上から掛けられた声に、俺は飛び上がって上体を起こした。
見ると、冷ややかな目をしたグレイスが俺をジト目で見ている。
「グ、グレイス――!
やあ、おはよう。もう起きてたのか」
出来るだけ爽やかに、手を上げて挨拶してみた。
「おはようございます。わたしも今、目が覚めたところです。
――で、何をされていたのです?」
残念ながら、見逃してくれそうにない。
「何と言われても――。
えっと、どうやら寝ている間に、ベッドから落ちたみたい?」
グレイスはそれを聞くと、まだ寝そべったままのシルヴィアの耳を抓り上げた。
「――いたたたた! 何なのよ!?」
シルヴィアは突然強引な方法で起こされて、抗議の声を上げる。
「シルヴィア、あなた昨晩、ケイに何もしていないでしょうね?」
「ん? ああ、昨日――?
あ、そうそう! ケイ、あんた夜中にベッドから落ちたでしょ!? 踏みつぶされるかと思ったわ」
「そ、そっか。すまん――」
グレイスも目覚めなかったのだから派手に落ちた訳ではないだろうが、取りあえず俺はシルヴィアに謝罪の言葉を口にした。
「――まあでもいいわ。温かいからそのまま抱きついて寝ちゃったし。ウフフ」
それなら良かった――と思って笑いそうになったが、グレイスの表情をふと見ると氷帝の剣よりも冷たそうな目で俺を見ていた。
――うん、多分これは良くない。
「ま、まあここでジッとしていても仕方ない。
今日はちゃんと日暮れ前に到着して人数分の部屋が取れるよう、早々に出発する支度をしよう」
俺がそう言うと、明らかに俺を不審そうに見ていたグレイスも渋々頷いた。
ちなみに朝食を取り支度を調えるまでの間も、グレイスのご機嫌は直らなかった。
以前もご機嫌ナナメになったことがあったように思うが、グレイスの機嫌は結構尾を引くようだ。
これから注意しよう――。
支度を終え、宿を後にしようとした時、宿の主人が俺たちに話し掛けてきた。
「あんた方はこれから王都に向かうつもりかね」
俺は少し警戒した後、素直に頷いてそれを肯定した。
「王都に向かう途中に検問があるって話を昨日聞いたよ。
身分証ぐらいは持ってると思うが、検問に出てくる兵士は結構手癖が悪いのが多いから、気をつけた方がいい」
そう言って、主人はグレイスとシルヴィアをジロジロと見た。
手癖と一言に言っても色々な手癖があると思うが、要するにそういう系統の手癖の悪さらしい。
「忠告ありがとう。感謝するよ」
俺はグレイスとシルヴィアを一瞥すると、主人に礼を言って宿を出ることにした。
その後、俺とグレイス、シルヴィアの三人は、王都に向けての街道を歩き続けた。
途中で二度の休憩を挟んだものの、昨日よりは断然歩みのペースが速い。
そして昼食の時間が近くなり始めた頃に、街道沿いに阻塞が築かれ、そこに兵士が立っているのが見えて来た。
「――あれが検問だな」
俺がグレイスとシルヴィアに言うと、二人も俺の言葉に頷きを返す。
俺たちは検問に備えて、アシュベルの冒険者ギルドで作った登録証を手にした。見れば殆どの通行者は兵士に一瞬身分証を見せるだけで、検問をほぼ素通りしている。
俺たち三人はそれを真似て、外套を深めに被ったまま他の通行者同様に検問を通ろうとした。
果たして検問を担当している兵士は俺たちが手にした登録証を見ると、急速に興味を失ったように早く通れという身振りをしてくる。
「――――」
言葉には出さないが、安堵の気持ちでその場を去ろうとした時、通路の横に待機していた兵士の上官らしき男が俺たちを呼び止めた。
「――そこの三人、立ち止まれ」
俺たち三人はまるで捕縛でも受けたように、ピタリとそこで動きを止める。
「そこの三人、控室に来い。取り調べをする」
俺とグレイス、シルヴィアの三人は、その言葉を聞いてフード下で視線を見合わせた。
確かに外套の上からでは、グレイスやシルヴィアの風貌は窺い知れない。だが、彼女たちが妙齢の女性であることは、外套を着たぐらいでは隠せていないのだろう。
何となく宿の主人に忠告を受けた時点で察しはついていたのだが、この後その予測を本当に外さない展開になってしまうのかもしれない。
俺はグレイスとシルヴィアに目配せをすると、大人しく誘導する兵士の後を付いて控室に入って行く。
グレイスとシルヴィアも、それに従って控室に入った。
兵士たちの控室は比較的広い部屋で、部屋の奥にはまるで長机のような大きさの机が備え付けられている。
そしてその中心には、この検問の責任者と思しきヒゲの男が腰掛けていた。見れば年齢は俺よりもかなり上のようだ。
俺たち三人は兵士の誘導によって、ヒゲの男の前に横一列に整列させられる。
俺はグレイスとシルヴィアに合図して、仕方なくフードを取ることにした。
するとヒゲの男の視線がほんの一瞬、俺の顔のあたりを彷徨った。だが、それ以後は完全にグレイスとシルヴィアの方へと視線が吸い寄せられている。
ヒゲの男はしばらく二人の女性を上から下まで眺め回した後、一方的に話し始めた。
「今はご覧の通り、警戒中でな。
申し訳ないが、無作為に身体検査を実施させてもらう規則になっているのだ。
皆さんのご協力に感謝する」
俺は協力するなんて言った覚えはないのだが――。
言葉丁寧に伝えてきてはいるが、要するに無理にでもボディチェックするぞということらしい。その意味を理解して、シルヴィアがあからさまに顔を顰めたのが判った。
ヒゲの男が俺の側にいた兵士に指示を出すと、一人の兵士が俺に近づき、「失礼」と声を掛けてから俺の身体を弄り始める。
肩口から胸、背中、腕、お腹、脚と、どこもかしこも隈無くチェックしていく。果ては尻まで存分に触られた。
「――チッ、どこ触りやがる」
俺が吐いた悪態に、思わずグレイスが小さく笑う。
俺の魅惑の曲線を撫でまわした兵士は、チェックを終えると異常なしを伝えるように首を横に振った。
それを確認したヒゲの男は、ある意味満足したような表情を浮かべながら口を開く。
「さて、そちらの男性はもうお通りいただいても構いません。
ただ、残るお二方も調べさせていただく必要があるのだが――。
さすがにご婦人の身体を、不躾に改めさせていただくのは失礼と思っている」
俺の耳に届いたその台詞は、俺が想像していたものとは違っていた。
だが、ヒゲの男をよく見ると――何とも口の端が、ピクピクと小刻みに痙攣しているように見える。これはどう見ても、好色な笑みを堪えきれないといった表情だ。
その見立て通り、ヒゲの男は俺の予想通りの言葉を大真面目に吐き出した。
「ですのでご婦人方には、ご自分で潔白を証明いただきたい。
――では、防具とその下の服も合わせて、全てご自分で脱いでください」
あまりに欲望に忠実な言葉に、俺はこの後の展開を予測して思わず苦笑を漏らすのだった。