1話 何かが変わるバースデイ
初めまして、作者のキリトです。
自分は他のアカウントでは二次小説ばかり書いていたので、一時小説は初めてです。
なので、温かい目で見守っていただけると嬉しいです
今日は俺にとって特別な日。それは一般的に言えば誕生日ともいうし、俺から見たら両親の命日である。
君は1人で誕生日を過ごしたことがあるかい?
思ったよりも味気ないものだぞ。
1人ならば、自分自身で自分の誕生日を祝う気にもならないから、ケーキなど買わず、いつもの日常の1コマに溶け込んでいく。
そういえば、1人といったがそれはある意味で正解で、ある意味で間違いだ。
正確には毎年友人たちが俺の誕生日は遊び、それも彼らのおごり、に誘ってくれる。もちろん俺はそれを墓参りのために断ることもあるが、たいていは厚意に甘えて遊びに行く。
でも、そんなに楽しく遊んでも、俺の誕生日は1人なんだ。小さかった頃、父親が俺のほしがっていたゲームボーイアドバンスSPを買ってくれたときなどの友人たちの思い出とは違う、「家族での楽しかった思い出」を越せるものなんてありはしなかった。
そういえば、自己紹介がまだだったな。
まだ愚痴をこぼしてる途中だから簡潔に語らせてもらう。
俺の名前は宮崎宗司。歳は16。誕生日は3月15日。姓は母親のほうで、父親の姓は「月城」だ。なぜ、母親の姓を名乗っているかというと、「月城」という苗字は、日本4大企業の 花園、鳥越、風上、月城 のうちの「月城」とまったく同じためからかわれるのを防ぐためだ。
両親は4年前、俺の誕生日に飛行機事故で亡くなった。一応父方の祖父がいるはずなのだが、連絡が取れず、ほかに親戚もいないため、今は1人暮らしをしている。父親の遺産を節約しながらやりくりしているわけだ。
特技は剣道。一応、自分でも相当うまい自信がある。趣味はエロゲ、ラノベ読書。年齢的にアウトなんじゃないかという意見も多数出るだろうが、正直中学から1人暮らししてるとエロゲくらいやってないとストレスやさみしさで気が狂いそうになる。一応節約のため1か月1本と決めている。
さてさて、自己紹介が終わったところで話をもどすが、今まで語ったのが例年の誕生日だったのだが、今年の誕生日は、例年とは違った。
今年も毎年のように友人に誘われて遊びに行ったのまでは例年通りだった。そして、いつものようにスーパーで食料を買い、自宅に戻った。
すると、郵便箱の中には宅配通知が入っていた。今までもバイトなどで留守の間にamazonで頼んだエロゲが届くことなどがあったので、慣れた手つきで佐川急便に電話をして、15分後にその宅配物を受け取った。
受け取った宅配物は予想以上に軽く、箱には「ナマモノ」と書いてあった。これがどこかの「天神乱漫」であれば、中に神様が入っているところだが、そんな大きなサイズではなかった。
悩んでいても解決しないのでその箱をとりあえず開けてみると、そこには1通の手紙と「お誕生日おめでとう」と書かれた誕生日ケーキが入っていた。
俺は正直、喜びとか戸惑いよりも何よりも驚いた。位尼までの誕生日ではなかったパターンだったし、まず、自分にケーキを送ってくれる人物などいるとは思っていなかったからだ。
俺はケーキよりも先に手紙を開いた。すると以下のような文章が書いてあった。
宗くん、16歳の誕生日おめでとう。と言っても私のこと覚えてるかな?
私と会った時に思い出してなかったら私泣いちゃうだろうから写真を1枚入れておくね。
じゃあ、宗くんと会えることを楽しみにしてるよ!
と書いてあった。差出人の名前は封筒から見る限り「椿」という名前らしい。また、手紙に書いてあったとおり、写真が1枚入っていたのでそれを見てみると、そこには男の子と女の子が手をつないで写っていた。背景の建物にも、写っている花壇にもなぜか見覚えがあり、懐かしく思えた。
ただ、それだけでは何かを思い出すことはできなかった。
その後、俺はそのケーキをおいしくいただき(ショートケーキだったのだが、クリームが甘すぎなくておいしかった)、風呂に入って寝ようとした。
その時だった。
そう、玄関のチャイムが鳴ったのだ。
時計を見てみるとすでに23時を回っていた。
あまりにも怪しかったが、出ないわけにもいかず、恐る恐る扉を開けた。
そして
その後に残っているのは腹に感じた熱さと痛みだけだった。
続く!ついでにここまではすべて回想です!次回から本編に入ります
この小説は基本的に毎週水曜日~木曜日のどこかで更新する予定ですが、最初のほうはもっとハイスピードで更新するかもしれません




