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穴の空いた器を抱いて。

作者: マーク
掲載日:2026/05/20

ふと、気づいた。


人類平等に、疎外感を感じてるんだ。と。

そのまま、さらに考えた。

そして、当たり前だと思った。


私も含めてみんな、一度は感じる。

他との違いを、必ず感じる。

みんな同じように、疎外感を感じてるんだ。

矛盾しているようで、していなくて。


それが、凄く不思議に思えた。


あぁ、そうだ。

みんな、みんな平等に、自分が特別であると思ってる。違うと思っている。


滑稽だ。

私と同じくらい、みんな滑稽だ。

目を背けているだけなのか。


それとも、気付いていないのか。

自意識過剰で自分が大好きなのは、みんな変わらないじゃないか。


時々、鏡を見る。

私は私を見て、どう思うのか。

どう思いたいのか。

幾度と思った。


世界は綺麗じゃない。

私が生きている今は、数えきれないほどの屍の上にある。

多大な犠牲の上にある。

今もどこかで、誰かが誰かのせいで死んでいる。

平和を諦めたせいで死んでいる。

誰もが幸せな世界は存在しないと諦めたせいで、死んでいる。

それを求めることすらせず、誰かを傷つけている。


あぁ、忘れちゃいけない。


きっと私も、誰かを傷つけている。

そんなつもりはなくたって、傷つけている。

どこが綺麗なんだ?

それを忘れて楽しむことが、綺麗なのか?


違うだろう。


相手を喜ばせた。

それは綺麗か?

今、自分は幸せだ。

それは綺麗か?

友達と遊んだ。

それは綺麗か?


違う。違うだろう。


本当に綺麗なものは、誰もが幸せになることを望むことだろう。

私は鏡を見る。


私は綺麗か?

あぁ、綺麗でありたい。


自分から目を背けることだけはしたくない。


醜さに目を瞑るか?

幸せだと笑うか?

膝を抱えて、ただ座るか?


それとも。

鏡を壊すのか?

たどり着くのは結局、そこなのか?


いやだ。


それだけは譲れないんだ。

それだけには慣れたくないんだ。

他の何を失くしたって、それだけは持っていたい。


鏡を見て、綺麗だと言いたい。

花を愛でるように、鏡を見ていたい。

たとえ、たとえ、世界が綺麗じゃなくても。


それが失くなったら私は、生きていると言えないんだ。

私を殺すようなこと、したくない。


今を幸せだと言ってしまえば、終わりなんだよ。

いつまでも満たされず、いつまでも願い続ける。

それがきっと、人のあるべき姿だと思うから。


それがきっと。

一番大切なことだと思うから。


世界が汚かったとしても。

私は綺麗でありたい。


乾いて乾いて、仕方がない。

どこかの都市伝説の怪物は、引き裂かれた口で

「私、綺麗?」

と問いかけた。


読んでくれてありがとう。

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― 新着の感想 ―
確かに幸せだと言ってしまえば、そこで終わりと感じますよね。幸せを結局見つけきることができないまま、寿命のほうが先に尽きるというのが、人間の定めと言ってしまえばそうですよね。そして自分は綺麗だと思うのも…
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