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ラザーン  作者: わびすけ
1/1

第一章:[狼煙(のろし)]

これは自分自身で勝手に連載してる

ジェミニ文庫のラザーン内容と設定あるはちゃんと考えているが一部分の言葉遣いはジェミニ考えてもらってるのでそう言うの気にならない人だけ読んでください。

ジェミニ文庫の第一作ラザーンです。

第一章:[狼煙のろし

1. 泥の中の福音

 西暦が終わり、年号が**「天弦てんげん」へと改まってから数百年。かつての日本は、科学の極致と魔道の神秘が激突し、六つの勢力へと引き裂かれていた。

 その頂点に君臨するのは、空を摩天楼の結界で覆い尽くす「帝都大東京」。国民の首筋に「管理チップ」を埋め込み、感情さえもシステムの一部として制御する、冷徹な完全管理社会だ。

 だが、その不夜城の真下には、チップを焼き切り、管理から逃れた「亡霊」たちが蠢く巨大な吹き溜まりがあった。人々はそこを、「地下アンダー」**と呼ぶ。

「……あった。よかった、今日は『豊作』だ」

 滴り落ちる汚水と、焦げた電子回路の臭いが混じり合う新宿最深部。少年、ネオンは瓦礫の隙間に銀色の円盤――カニの缶詰を見つけた。

「これなら、みんなもきっと喜んでくれるかな……」

 管理チップを持たないネオンにとって、ここは危険な狩場だが、生きるための場所でもあった。彼は缶詰を大切にバッグに仕舞い、仲間たちの待つ拠点へと急いだ。

「みんな、お待たせ! 今日はカニ缶があるぞ!」

「おおーっ! ネオン、お前やるなぁ!」

 親友のワドウが目を輝かせて駆け寄る。ネオンと同じ十五歳。厳しい環境にあっても、二人は兄弟のように支え合ってきた。大柄なライネルがおしるこ缶を見つけて笑い、幼い少女カネルがパスタの箱を抱きしめて喜ぶ。

「ありがとう、ネオン」

 その笑顔を見ているだけで、ネオンは自分の居場所を感じることができた。この薄暗い地下街にも、確かな幸せがあったのだ。

2. 赤い夜、黒い狼煙

 だが、その幸せは一夜にして地獄へと変わった。

「む……もう朝か? いや、待て。まだサイクルのはずだろ……?」

 浅い眠りを引き裂いたのは、不自然なほどの眩光だった。跳ね起きたネオンの耳に、震えるワドウの叫びが届く。

「ネオン! 起きろ! 外を見てみろ!」

 慌てて外へ走り出したネオンは、その光景に凍り付いた。空から「朝」が消えていた。頭上に広がるのは、魔導石【ラザーン】の異常放電によって紫黒しこくに染まった永劫の夜。そして、それ以上に眩いネオンサインで着飾った、悍ましいほどに輝く「不夜の帝都」がそこにあった。

「ワドウ、二人は……ライネルとカネルはどうした!?」

「見当たらないんだよ! どこにも……!」

 ネオンの脳裏に、昨夜の二人の密やかな会話が蘇った。

『ネオンとワドウの誕生日、もうすぐだろ?』

『内緒で何か探しに行こうぜ。とっておきのやつをさ』

「……新宿だ。あいつら、俺たちのために……!」

 二人は錆びた短剣を手に、闇に沈んだ新宿へ向かって走り出した。心臓の鼓動が耳元でうるさいほどに鳴り響く。

「はぁ、はぁ……生きててくれ、頼む、生きててくれ……っ!」

 新宿の広場に辿り着いた二人が目にしたのは、地獄だった。広場の中央、光り輝くステージ。ノイズ混じりのスピーカーから、低い男の声が響く。

『この度は……我が帝都の裏切り者二名を実験台に、魔導石ラザーンの効力を発表する場を設けました』

 そこには、服を剥ぎ取られ、痣だらけの体で震えるライネルとカネルの姿があった。

 広場を埋め尽くすのは、上層から降りてきた金持ちたちの下卑た笑いだ。

「最高じゃん! 殺しちゃえよ!」「あの子、結構可愛いねw」

 飛び交う言葉の一つ一つが、ネオンの心を切り刻む。

「堪えろ、堪えろネオン……っ!」と自分に言い聞かせるように呟くワドウの隣で、ネオンの視界は怒りと涙で真っ赤に染まっていた。カネルがこちらを見て、音もなく「助けて」と唇を動かした瞬間、ネオンの理性の糸は断ち切れた。

「我慢できねぇ……っ!!」

 叫びと共に、ネオンは短剣を抜き放ち、一番近くで嘲笑っていた男に飛びかかった。

「やめろぉ! ネオン!!」

 ワドウの静止は届かない。次の瞬間、乾いた銃声と金属音が新宿の空気を切り裂いた。視界がスローモーションになる。

 目の前で崩れ落ちたのは、暴走したネオンを庇うように立ち塞がった、血まみれのワドウだった。

「……走れ」

 たった一言。親友の最後かもしれない絞り出すような声が、ネオンの背中を突いた。

「ワドウ……! 嫌だ、行けるわけないだろ……っ!」

 叫んでも、ワドウは動かない。背後からは帝都の衛兵たちの足音が迫る。ネオンは溢れ出す涙を拭う暇もなく、ただ闇の中へ走り続けた。親友を捨て、仲間を置き去りにして。

3. 無力と、再会

 辿り着いた奥渋谷の廃墟。ネオンは、来たこともない場所で一人、膝をついた。

「……はぁ、はぁ……。ごめん、ワドウ。俺……何もできなかった……」

 枯れた喉から漏れるのは、謝罪と嗚咽だけだ。罪悪感が、少年の心を黒く塗り潰していく。

「……もう、俺なんて死んじゃえばいいんだ」

 震える手で、自分の首筋に刃を当てようとした、その時。

「死ぬのは、まだ早いんじゃないか?」

 背後から響いたのは、場違いなほどに落ち着いた声だった。黒装束を纏った男――ジーク。ネオンは最後の力を振り絞り抗おうとしたが、そのまま意識を失った。

 次に目が覚めると、ネオンは清潔なベッドの上で拘束されていた。

「……っ、ここはどこだ!? 離してくれ!」

「目が覚めたか。俺はジーク。反逆部隊『セイレーン』のリーダーだ」

 ジークに指摘され、ネオンは自分の右腕を見た。そこには、あの日浴びたラザーンの不気味な光が脈打っていた。

「あんた……俺を助けたのか? どうして……。あんなところにいたら、俺だってワドウのところへ行けたのに……っ」

 ネオンの瞳から、こらえきれない涙が溢れる。

「ジークさん……お願いだ。俺に、この力の使い方を教えてくれないか。今の俺じゃ、何一つ守れない……。あいつらが、帝都の奴らにひどいことをされてるのに、俺は逃げることしかできなかったんだ……!」

「いいだろう。ただし条件だ。五日以内にその腕を制御してみせろ。できなければ、お前を処分する」

「……ああ。構わない。無力のまま死ぬくらいなら、何だってやるよ」

4. 五日間の地獄:初日

 特訓初日。ネオンが連れてこられたのは、厚い鉛の壁に囲まれた地下訓練場だった。

「まずは、その目立つ光を消してみろ。そんなんじゃ、すぐにバレて殺されるぞ」

 ジークが壁に背を預け、揶揄うように言う。ネオンは右腕を睨みつけ、ありったけの意識を集中させた。

「わかってるよ! ……でも、全然消えないんだ……っ!」

 焦れば焦るほど、ラザーンの輝きは増し、熱が右肩までせり上がってくる。制御どころか、腕そのものが自分のものではないような感覚に、ネオンは歯噛みした。

 ジークはやれやれと肩をすくめ、背後の暗がりに声をかけた。

「おい、セイカ。お前が教えてやれ。こいつ、気持ちばかりが先走って空回りしてる」

 足音が響き、一人の少女が姿を現した。

 ネオンと同じ十五、六歳ほどだろうか。黒いタイトな戦闘服に身を包み、左目には漆黒の眼帯を当てている。

「……はい、ジーク」

 鈴を転がすような、冷ややかで透明な声。その美しさに、ネオンは一瞬だけ呆然と見惚れてしまった。しかし、彼女がためらいなく眼帯に手をかけ、それを外した瞬間、空気の色が変わった。

「【アクセス】」

 彼女の左目――そこにあるのは瞳ではなく、複雑な光を放つ電子回路のレンズ。そのレンズが「視る」と同時に、虚空から幾何学的な紋章が溢れ出し、彼女の手に巨大な**『銃とハサミが合体したような異形の武器』**を具現化させた。

「なっ、なんだそりゃ!? 腕から出したのか!?」

 ネオンは驚愕し、思わず後ずさった。

「これは『ことわり』を固定したもの。……ネオン、あなたは力を外に出そうとしすぎ。内側に沈めなさい」

 セイカの冷たい銃口が、ネオンの光り輝く右腕に向けられる。

「できないなら、その腕ごと撃ち抜いて止める。……それが私の役割」

 その圧倒的な力の差に、ネオンは自分の無力さを改めて突きつけられ、打ちのめされた。

 初日の終わり。膝をつくネオンに、セイカは眼帯を戻しながら静かに告げる。

「ネオン、今のままじゃ全然ダメ。焦っても力は応えてくれない」

「分かってる……分かってるんだ。でも、時間が無いんだよ。俺がこうしている間にも、ライネルやカネルは……。俺がもっと強ければ、ワドウだって死なずに済んだのに……っ!」

 ネオンは震える右腕を抱きしめ、床に額をこすりつけた。

「……悔しいんだ。自分がこんなに、何もできない子供だってことが」

「……ネオン。怒りじゃなくて、復讐心を燃やすの。その痛みを、ただ叫ぶための熱じゃなく、目的を果たすための静かな炎に変えなさい」

 その夜、暗闇の中でネオンが静かに集中すると、暴れていた右腕の光が、ほんの一瞬だけ、吸い込まれるように収まった。

「……これだ。この感覚を、忘れるな……」

続きは考えて構成等完成したらあげます。

よろしくぅー↑

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